沖縄県の「民意」とは
昨日、(取材には行っていませんが)沖縄県知事選挙レポートを出しました。 無料なので気軽に読んでいただけると有難いのですが、それに関連した、私が想うコトを書いてみます。 もし宜しければ見ていただきたく。
例えば沖縄県人を表す言葉として「なんくるないさ」なんてのが有りますよね。 「ウチナータイム」と同じように、沖縄県人の朗らかでテキトーな県民性を表している。 ように捉えられがちですが、実際は少し違うのですよ。
コチラに詳しく書かれていますが、正しくは、
と、その前につけるべき言葉があり、「誠(真)のコトをしておけば、なんとかなるさ」となり、その意味は、
という意味があるのです。 で、それを知ると「基地反対を訴え続けている沖縄県人の心意気を表している」と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、それとも少し違っていて、
りんけんバンドの「世世世」(ゆーゆーゆー)という曲ですが、この曲でも唄われているように沖縄は「琉球王国」として独立していて、明の時代の中国と日本の中央政府(幕府)の両方と外交していましたが薩摩藩に侵攻され日本の一部に組み込まれ、琉球藩から「琉球処分」で沖縄県になり、王家が東京に連れていかれ、沖縄語(沖縄方言)を使わないよう学校で指導され、第二次大戦後はアメリカの施政下になり、1972年に本土復帰するも米軍基地はそのままという、どこかに支配され続け、その「どこか」が何度か変わるという歴史があります。
ここで予め申し上げておきますが、私は「沖縄独立」を唱えているワケではありませんよ。 ひとつの言語で書体が三つ(ひらがな、カタカナ、漢字)もあるという世界一高度な「日本語」を使えるコトに誇りを持っているので。
ただ、北海道を除く他県と日本国の関係性と、沖縄と日本国の関係性は上記のように明らかな違いがあり、常に宗主国の強い支配下に置かれているという歴史について話しています。 念のため。
そんな歴史下で生きてきた沖縄県人は、己のココロを強く持ちつつ、世の流れには抗わず生きていくコトを「処世術」として身につけていきます。 そういった意味が込められているのが、
であり、実は「なんくるないさ」の反義語であり同義語でもある言葉として「なんくるならんどー」という言葉も存在します。
ちょっと回り道が長くなってきたので話を政治に戻しますが、
コチラでも触れた1998年の知事選で、反基地運動の先頭に立ち全国的にも有名だった大田昌秀知事が保守系候補の稲嶺恵一氏に敗れます。 この時に「なんで沖縄県民は太田さんを負けさせたんだ!!」という怒りの声が本土方面から聞かれましたが、その頃は不況が深刻で積極的な振興策を訴える稲嶺氏を支持したのです。
つまり、時には反基地、時には経済と、求める政策を変えて「保守」と「革新」の間を定期的に行き来するコトで自らの「誠(真)」を貫き、どちらかに偏らず結果として「中立」な立場を保ってきたのが、沖縄県人の政治的スタンスです。
ちなみに復帰後の沖縄県知事で3期以上務めた人はいません。 そうやってトップを定期的に替えて中立性を維持し続けてきたのが、沖縄県。
ただそれが崩れてきたのが、2013年末に当時の仲井間知事が辺野古埋め立てを承認したコトでした。 それまでは保守系議員も基地に対しては反対のスタンスで、だから翁長前知事が「オール沖縄」という形を作るコトが出来たのですが、現在のオール沖縄は、ほぼかつての「革新統一」と同じような構成になっており沖縄県民の意見も党派性が強くなってきていますが、まだ “誠(真)を貫く” 沖縄県人の心意気は残っていると思います。
そして、それが発揮されそうな気がするのが、来月の那覇市長選で、
知事選で那覇市はプラス17ポイントもの差でデニー氏が勝っており県議補選でもオール沖縄が推す候補が勝ちましたが、だからといって、というか、だからこそ、那覇市長選では民意の揺り戻しが起こりそうな気がするのです。
本来であれば県議補選でそれが起こるかと思っていたのですが、
自民党が結構な “イロモノ” を出してきたせいで支持を得られず票は得られませんでしたが那覇市長選は実績のある元副市長を推薦しており、そうなった時に「知事選と市長選は話が別」という民意が出そうな気がしてなりません。
情報によると自民党は知事選終盤の時点で諦め、市長選に向けて動き出したという話もあり、オール沖縄陣営及び支持者は決して楽観しないでいただきたいと場末の報道媒体から申し上げておきます。
そして、最も申し上げたいのは、もし那覇市長選で自民系の候補が勝ったからって「なんで知事選と逆になるんだ!」と怒らないで下さい。 そうやって投票先を変えるコトが沖縄県民の「民意」の示し方のひとつだというコトを、どうか知っていただきたいのです・・・
最後までお読みいただき有難う御座いました。
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