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【レポート #16】長野県・南箕輪村長選挙&村議会議員補欠選挙レポート(2021 4.11)


「長野県上伊那郡南箕輪村」

 なんて皆様聞いたコトないですよね? ハイ、全国レベルで見れば特にアピールできる観光スポットもない小さな村です。 ただ、実はこの村は長野県内では「子育てするなら南箕輪村」とまで言われるほど有名だったりするのです。 4期16年務めた現村長が引退し、ともに「村政継承」を掲げる2候補の争いとなった村長選をお届けするワケですが、実はこの選挙、村の今後を大きく左右する選挙であったコトは、おそらく村民の多くは気がつかなかったであろうと思います。 そんな村長選挙の “裏側” とともに2人の市議が立候補したことに伴い行われた村議補選を合わせて、レポートします。


◆概要

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(南箕輪村役場)

・面積:40.99㎢(長野県 第71位)長野県南部(南信)に位置して上伊那郡に属し伊那市、箕輪町、辰野町、塩尻市と接する

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・村内の半分以上が飛び地(西側)でそこには誰も住んでおらず、地図東側の生活エリアの面積は県内で面積が最も小さい小布施町(19.12㎢)とほぼ変わらない

・2006年に南箕輪村飛び地と木曽地域を繋ぐ権兵衛トンネルが開通し、伊那谷と木曽地域の往来が格段に便利になった(私も重宝しております・・・)

・小学校から大学まで村内に揃っているという珍しい自治体であり(高校:上伊那農業高校、大学:信州大学農学部キャンパス、長野県南信工科短期大学校)、国立大学(のキャンパス)が有る村というのは全国唯一である(2021年1月現在)

・村内の憩いの場であり夏祭りやイルミネーションフェスタなど各種イベントの会場となっている大芝高原のマスコットキャラクターとして誕生し現在では村全体のキャラクターとなっている「まっくん」は2011年のゆるキャラグランプリで出場348体の中から見事最下位となり(笑)、

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 あまりの惨敗っぷりに公式Twitterで腐したコメントを投稿したところ一時話題になり、それを逆手に取った広報活動を行うなどして次第に人気が上がってきた(と、いわれています・・・)

・バレーボールVリーグ1部男子、VC長野トライデンツの本拠地である


◆村長選挙 候補者

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藤城 栄文 (41) 新 村議会議員
小坂 泰夫 (54) 新 村議会副議長

・藤城 栄文(ふじしろ えいぶみ)候補

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 藤城候補は東京都出身で中央大学理工学部を卒業後、江戸川区職員や「フラッグフットボール」普及のための財団法人立ち上げ参画を経て2017年に南箕輪村が実施している「南箕輪村地域おこし協力隊」に立候補し採用されて2017年に移住。 2019年の村議選に立候補し初当選しましたが今年2月に村長選出馬を決意し1期途中で辞職しています。 自身のキャリアを生かし移住定住政策を推進し大芝高原に大型遊具を設置するなどの環境整備をする等を訴え村長の座を狙います。

小坂 泰夫(こさか やすお)候補

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 小坂候補は神奈川県出身で信州大学農学部卒業後南箕輪村役場職員やログハウス建設会社社員を経て2003年に村議選に立候補し初当選、以降5期18年村議会議員を務めましたが昨年12月に村長選出馬を決意し任期途中で辞職しています。 村議活動と並行して障がい者施設で介護士として従事していたり「私塾寺子屋」を開いて不登校児童に学習の場を提供した経験を活かし、困っている人を支え頑張る人を応援する村作りを訴え村長の座を狙います。


◆村議補選(定数2)立候補者

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唐澤 由江 (71) 元 病院勤務
登内 瑞貴 (46) 新 会社役員
大熊 惠二 (79) 元 自営業

・唐澤 由江(からさわ よしえ)候補

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 唐澤候補は長野県公衆衛生専門学校卒で元役場職員を経て2011年に村議選初当選、2期務めたものの2019年の村議選で落選し、今回返り咲きを狙います。

・登内 瑞貴(とのうち みずき)候補

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 登内候補は大同大学中退で現在システム開発会社の社長を務めており、今回初当選を狙います。

・大熊 惠二(おおくま けいじ)候補

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 大熊候補はこれまで村議を合わせて5期務め村議会議長経験も有るベテランで現在県政連絡協議会副幹事長です。 今回返り咲きを狙います。

 それでは、まず村議補選から見ていきましょう。


◆唐沢候補に、会いに行く

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 選挙事務所と登録されている住所に行くとそこは自宅で、選挙カーが有ったので訪ねてみたら唐沢候補は上下スウェットで首から万歩計をぶら下げているという、とても候補者に見えないカジュアルなスタイルで登場。 選挙活動について質問したところ「ほらぁ、村議補選だから、あまり目立ったマネは・・・」と的を射たような射ていないような回答が返ってきましたがどうやら積極的な選挙活動はしていない様子。 あまりにもカジュアルな着こなしのため当然ながら写真撮影はNG。早々に話を切り上げられてそそくさと家の中に入っていきました。

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 広報のレイアウトもなかなか斬新。 具体的な政策は書いていませんが村議返り咲きへの熱意は伝わってきます。

◆登内候補の、御紹介

 登内候補の選挙事務所と届けられている住所に行ってもそこには事務所らしき建物はなく、ついぞお会いするコトが出来ませんでした。 村長選の小坂候補から「彼はバイタリティが有るから」という旨の話を聞いていたので唯一の新人候補としてお会いしたかったのですが・・・

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 選挙公報はコチラ。 3つの政策を掲げていますが、やはりシステム開発会社の社長さんだけあってデジタル化の推進について具体的に書かれています。

◆大熊候補の演説を聞く

 今回唯一演説を聞くコトが出来たのが大熊候補。 選挙事務所の住所を聞きに役場に行ったあと耳を澄ますと声が聞こえてきたので向かい、演説の終わり際になんとか間に合いました。

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 候補者最年長、御年79歳とのことですが声は若々しく立ち姿もシャキっとしていて、まだまだ元気に働いてくれそうです。

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 まぁ「大熊」さんですからやはりクマさんの絵は欠かせないですね( ) 輝かしい経歴は堂々と列挙していますが政策についてはボンヤリとしてる印象です。


※村議選の結果、そして本題の村長選については有料にてお送りします。 2候補の一方が表に出さないままでいた「ゴリゴリ」な思想の話を、是非読んでいただきたい!


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