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営業と開発は、永遠に敵同士なのか!?

あなたは、営業系と開発系(現場)で分けると、どちらよりのお仕事でしょうか?

そのほか、間接部門(経理、人事、総務など)もありますね。

私は、技術開発から始まって、途中で間違えて、営業部門に配属されたことがあります。その後、また開発に戻ったり、間接部門も経験するなど、かなりレアなキャリアです。

営業と開発は敵同士? これは永遠のテーマのようですが、ここではシンプルに考えてみましょう。

開発から見た営業とは?

私は元々技術オタクですので、技術部門に配属されたときは、まったく違和感なかった。半田ごてもあるし、オシロスコープもあるし。もっと複雑な機器もたくさん。ワクワクする実験室に入り浸る日々でした。

開発から見ると、営業って、チャラい人たち。ノリが違うというか。

開発の先輩からよく言われていたのは、「やつらに情報を出すな!」でした。あいつらは敵国、みたいな教育。出した情報は、スルッとお客さんに伝わってしまうので、検討途中の不確実な情報は絶対出しちゃダメという話です。

多分、営業って、お金儲けしか考えてないんだろう、くらいのイメージ。商談がまとまれば、それでおしまい。後で開発が苦労することになっても、それは知らないこと。みたいなギャップを感じていました。

営業から見た開発とは?

開発からマーケティングへ、その後、何を間違ったのか、私が営業部門からスカウトされて一人異動。営業としても異例の採用だったみたいです。私の役割は、いわゆるルート営業ではなく、営業さんのサポート。お客様はメーカーは開発部門、いわゆる技術者が相手なので、私はもっぱら技術談義で盛り上げる係でした。

営業部門に入ると、日々、営業が口にする言葉が気になる。「ったく、やつらは何考えて、こんな資料を出してきてるんだ!」「こんな資料で、お客が納得するわけないだろう。」と開発の悪口ばかり。さらに、商談を進めるための戦略会議では、非常に緻密で論理的な議論をしているのに、ビックリ! この人たち、ちゃんと考えてる! と新鮮な驚きを覚えました。

まあ、大企業ですから、適当なことをしている人はいないわけです。この意識のギャップは、なんともモッタイナイ。みんな、いい結果を出すために、一生懸命がんばっているのに、全然話がかみ合っていない。という現実を目の当たりにしたのでした。

意識のギャップは、視点の違いから

開発にいたときのイメージとは真逆の、営業の中からみる開発のイメージ。そのギャップに、笑ってしまうような、本気で悩むような。ムズイ感覚でした。

相手の本音がわからない。とよく言いますが、本音なんて、そう簡単にわかるものじゃない。でも、行動は見ればわかります。どのくらい時間をかけて、何をしているのか。一緒に時間を過ごすことで、見えてくることはとても多いのです。

開発が大切にしていること

開発が大切にしているのは「確実性」。製品はきちんと動くのが当たり前。時々変な動きをするけど、そのときはリセットしてね、なんて許されません。

100点満点で言うと、常に90点以上を目指す感じ。80点以下は恥ずかしくて見せられません、というメンタリティーです。

営業が大切にしていること

営業が大切にしているのは「お客様の利益」。満足度は当然として、お客様の利益を守る、という発想。お客様が損をすることは、絶対避けなければいけない。体を張ってでも、お客様を守る。

お客様が被る可能性のあるリスクにも敏感です。長期的な信頼関係づくりには、欠かせないメンタリティーです。

お客様の利益とは関係ないところでは、可能性を広げることに熱心。何か話のタネがないかと探しまくっています。だから60点でも、30点でも話のネタにしたい。話が盛り上がればとってもハッピー、という価値観ですね。

体験しないとわからない実際の姿

こうしたメンタリティー、発想の違いは、現場で体験しないと、わからない。理解ではなく、体感するものだと思います。

短期ローテーションで、1週間でも、1か月でも、現場を体験すれば、このギャップはかなり解消できるのでは。ギャップが埋まらないとしても、ものごとの捉え方や発想は随分変わるだろうと思います。

小さい会社では、部門が違ってもすぐに話せる場所にいたり、机が隣同士だったり。直接話さなくても、ふだん何をしているか行動を見ていれば、意識のギャップはそれほど生まれないのかもしれません。

同じ釜の飯を食う、とか古臭いと思うかもしれませんが、案外アナログな手法が重要なのかもしれません。


この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz

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