イノベーションとマネジメントは両立するのか?
新規事業の中で、イノベーション系の人と、マネジメント系の人が対立することがあります。
マネジメント系の人は、まず「計画を立てろ!」「見通しを示せ」などと言います。
イノベーション系の人は、「やってみないとわからないでしょ」「見通しなんかあったら苦労しないよ!」と話を聞く気がありません。
私はもともとイノベーション系で、妄想大好き。思いついたノリで、適当に始めてしまう方なので、計画は苦手です。
でも、管理職になるとそうも言っていられない。では、新規事業でのマネジメントとは、どんなスタイルが理想的でしょうか?
制約条件を示す
よく、新規事業の初期にビジョンを示す、とか、ゴールを示す、なんて言う人がいますが、ちょっと現実的には考えずらい。最初から、ゴールが見えているプロジェクトなんて、あまり聞いたことがないです。混沌としているのが普通じゃないでしょうか。
まず、最初に共有すべきは制約条件です。会社でも、個人でも、何らかの制約条件はあるもの。予算とか、スケジュールとか、人の問題とか。制約を取っ払って、自由に考えるのもいいですが、現実的な制約はメンバーで共有しておいた方がいい。あまりガチガチの制約ではなく、目安くらいを示せるといいでしょう。
実現不可能なアイデアに発散すると、せっかくのアイデアが徒労に終わる。初期段階でムダが多いと、その後のやる気が低下するダメージが大きい。
妄想するのは個人レベルでやる。チームで話し合うときは、前提となる制約条件を共有してから、効率よく進めたいものです。
スケジュールを刻む
計画も最初の段階では、ぼんやりしているもの。とはいえ、計画がまったくないのも困ります。どこに向かっているのか、各メンバーの役割分担がどうなっているか、くらいはわかるようにしましょう。
できることは、スケジュールを刻む。大枠のスケジュールを決めたら、3か月後、1か月後、1週間後など短期のスケジュールを具体的にイメージします。
きっちり決めるより、全体をイメージして、そのアウトプットを共有することが大切です。考えてもわからないことは、そういう状態だということをメンバーで共有しておけばOKです。
進捗を見える化して、PDCAを促す
つまり、計画はザックリでいいので、共有しておけばOK。PDCAを回すための手段です。
新規事業で重要なのは、振り返り、修正の機会を増やすこと。PDCAというと固く考えがちですが、1日の終わりや、週の終わりに、振り返りと次をどうするのか話し合う時間をつくるだけでも、結果が全然違います。
PDCAを回すというより、PDCAを促す、くらいの仕組みがあるといいですね。ポジティブな雰囲気で、PDCAを促せれば、いい結果につながりやすい。甘すぎず、厳しすぎず、くらいがオススメです。
マネジメントはいい環境をつくる裏方
当初の計画通りに行かなくても、次にどうするかにフォーカスして考えればOKです。なぜ、うまくいかないのか、と考えても、暗くなるだけ。犯人捜しより、次のヒーロー・ヒロインになるには、どんな選択肢があるか、考える方が楽しいはずです。
新規事業ではマネジメントは裏方と割り切る。でも、なくてはならない重要な機能。イノベーション系の人だけで突っ走ると、たいてい空中分解して終わります。マネジメント系の人がさりげなく、制約条件やスケジュールを見える化して、共有してくれるだけで、全然結果が違ってきます。
裏方とわきまえて、サポートに回れる余裕がマネジメント系に求められます。
あなたは、イノベーション系? マネジメント系?
お互い、リスペクトできると、いい結果が出ますよ!
この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
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