銀紙を奥歯で噛むと、小宇宙を作れる話

こんにちは。

銀紙を奥歯で噛んだことはありますか?キーンと電気が走るような痛みが走りますよね。

あれは、「ガルバニック電流」という金属の性質によって起こるもので、銀歯などに反応しているらしいです。

知ったように書きましたが、私は銀歯がないので、銀紙を噛んでもキーンとならないのです。そこで、先日銀歯を詰めてみました。そんで、噛んでみました。銀紙。

この記事は、口内に「ガルバニック電流」を流し続けると何が起こるのか。私の体験をここに記したいと思います。


左の下の奥歯を銀歯にしました。歯医者は怪訝な顔をしていましたが、保険適用外という条件付きで協力してくれました。

銀紙を噛みます。ガムの包み紙をクシャクシャに丸め、銀歯の辺りで一噛みすると、さっそくキーンときました。痛いというより、不快。黒板を引っ掻いた時のような不快感ですね。
しばらく噛み続けます。歯を噛み締めるたびに、全身を掻きむしりたい衝動に駆られます。しかし、事前に手足を縛っていたので、問題なく銀紙を噛み続けることができます。

10分ほど経った頃でしょうか。突然、キーンがなくなりました。脳が慣れたのか、あるいは銀紙がボロボロになったのか。
それでも噛み続けると、口の中で小さな爆発音がしました。「パンッ」

それは、誕生の音でした。あるいは転生の音。銀紙だった物質は、繰り返される圧縮と解放により、小宇宙を形成したのです。

その時点で、私は口内で何が起こっているのか分かっていませんでした。しかし、直感的に「これ以上噛んではいけない」と理解しました。
新たな世界、新たな秩序。銀紙だった「ソレ」は口内でゆっくりと膨張していきました。そして、生命が誕生し、進化、繁殖を続けます。あたかも、「ソレ」自体が1つの生き物として生活をしているかのようです。

人類が誕生し、文明を持つまで、ほとんど時間はかかりませんでした。
「ソレ」の時間軸と私の住む世界の時間軸は異なるようです。

私は口内で起こっている事態について全くの無知でした。しかし、口内のおびただしい生命の気配、死の息遣いに怖くなり、遂に「ソレ」を吐き出しました。

青くて丸い「ソレ」を覗き込むと、あなたたちが見えます。

「ソレ」に住むあなたたちがこの記事を読み、創造主たる私のことを想ってくだされば、これほど嬉しいことはありません。

寂しくなったら、あなたたちの生まれ故郷である私の口内へ、いつでも還ってきてくださいね。

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