統計検定準1級合格のために勉強したこと

※注意:筆者が受けた統計検定準1級は紙試験方式であり、現在のCBT方式のものとは異なる可能性があります。

統計検定準1級に合格したときに勉強した内容についてまとめます。
準1級については2019年6月に合格しました。
これから目指す人の助けになれば幸いです。

私のバックグラウンド

合格した当時は経営学部の大学3年生で、ゼミはデータ解析系に所属していました。
高校では理系選択をしていたので数Ⅲについての知識はありました。
統計学、線形代数の勉強は大学に入ってから始めました。
また準1級取得の1年前(2018年)に統計検定2級に合格しました。

対策を始める前

3月(試験3か月前)から本格的な対策を始めました。
公式サイトのほうで閲覧できる過去問を初めて解いたときは合計100点中、30点でした。(合格点は約60点と言われています。)
当初、記述問題は全く手がつかない状態でサポートベクターマシン等の機械学習分野については何もわからない状態でした。

3か月間取り組んだこと

最初にまとめると以下の3点のようになります。

1.2級の問題は全て理解し、満点をとれるレベルにする。
 (特に実験計画法や仮説検定、推定を覚える。)
2.多変量解析、機械学習、確率
過程や時系列解析の理論を「浅く広く」覚えて演習する。
3.準1級の過去問をすべて解き、なんとなく理解する。

以下に具体的な取り組みと参考書籍を紹介します。

1. 2級の問題について

まず、2級の問題については公式が出版している過去問3年分+サイト上の過去問を使って演習しました。

準1級でも2級の難しい問題レベルのものが出題されます。
実験計画法や検定推定については赤本、青本を用いました。

赤本では検定推定等の数理統計の初歩について学ぶことができます。
青本は実験計画法やノンパラメトリック検定、ベイズ統計学等、準1級で必要な手法をある程度カバーしています。また演習問題もついているためアウトプットもしやすいです。

2.  多変量解析や機械学習の勉強について

多変量解析や機械学習、確率過程等の応用統計学の分野も出題されます。(具体的には公式の出題範囲に載っています)

しっかり理論まで覚えたほうが良いに越したことはないですが、時間が限られている場合は浅く広く覚えておくといいと思います。ここで紹介できていない本もあると思うので、色々な方々のサイトを見てください。演習問題がついてるといいと思います。

機械学習

みんな大好き、はじパタです。サポートベクターマシン等の分類系の機械学習理論を浅く覚えることができます。特にニューラルネットワークは今年から追加される分野のため、チェックしておいたほうがいいでしょう。アンサンブル学習、kNN等は試験範囲外のため、取り組まなくても大丈夫だと思います。

はじパタには載っていない正則化回帰が載ってます。日本語版は値段が高いのですが、英語版の"An Introduction to Statistical Learning"は無料公開されています。

多変量解析

永田先生、棟近先生の本です。演習問題があるため、階層的クラスタリングや数量化理論、グラフィカルモデル等のアウトプットができます。

確率過程や時系列解析

アクチュアリー対策向けではありますが、確率過程や時系列解析の問題演習をすることができます。

数理統計

どちらかと言うと1級対策ですが、確率分布、ベイズ統計の問題が解けます。サイトで随時問題が追加されているので、オススメです。

3. 過去問を解く

できる限り解いたほうがいいと思います。ただし不正解の問題で解答や書籍を読んでも理解できない箇所は深追いしないほうがいいです。未出題の分野を勉強したほうが得点に繋がるでしょう。

山を張ることも大事です

書籍をたくさん紹介しましたが当時すべて覚えることはできませんでした。
そのため過去問と試験範囲表を見ながら、出題されそうな範囲を一つずつ潰していきました。
試験前日に「そろそろ記述でグラフィカルモデル出るかな~」と思って勉強したら実際に出題され、運が味方してくれました(笑)
この試験は範囲が広いため出題されそうな分野を予想しておくことも対策の一つになります。

最後に

統計検定準1級は1級と比べ、浅く広い知識が必要になります。そのぶん実務での応用がしやすいこともあるので、ぜひ挑戦してみてください。

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