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岩蔵温泉再生へ向けて、まずは「見える化」

東京都青梅市にある東京都唯一の温泉郷、「岩蔵温泉」再生への取り組みを始めたことは、前回お話させていただきました。

今回は、そんな岩蔵温泉周辺の地域を“数字(統計データ)”で見てみたいと思います。

統計データというと難しいイメージがありますが、ここで使うのはRESAS(リーサス)と呼ばれる地域経済分析システム。このシステムは日本の都道府県、市町村の各統計データを“見える化”するのが目的で、人口動態、産業構造、人の流れといったデータがひと目でわかるのが特徴。“将来のこの地域の人口は何人くらいなのだろう”、“〇市の強みはどの業種にあるのだろう”、そんなことが簡単にわかる優れものです。

この「RESAS」をオススメする理由はこの2つ。

1.内閣府が提供する情報で信用度が高い!
2.全ての情報が無料!

というわけで、使えるツールは使わなきゃ損なので、活用方法などを説明しながら見ていきたいと思います。

それでは、どんなものなのか、まずは「青梅市」を例に見てみましょう。

RESAS(地域経済分析システム)

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まずはトップページですね。
そして、トップページの左上にあるメインメニューを開くと、

・人口マップ
・地域経済循環マップ
・産業構造マップ
・企業活動マップ
・観光マップ
・まちづくりマップ
・雇用/医療・福祉マップ
・地方財政マップ

このように、その市町村に関する各種データをあらゆる角度から検索できるようになっています。しかも、この「RESAS」は“国勢調査”や“経済センサス”といったデータが元になっているので、信頼できる数字ということになります。

では、メインメニューの中から「人口マップ」を見てみましょう。

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「人口マップ」には、

・人口構成
・人口増減
・人口の自然増減
・人口の社会増減
・新卒者就職・進学
・将来人口推計
・人口メッシュ
・将来人口メッシュ

こんなデータが揃っています。
そして、その中にある「人口構成」を更に見てみましょう。

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そうすると、青梅市の人口の推移が、総人口(赤色)年少人口(0歳~14歳:青色)生産年齢人口(15歳~64歳:緑色)老齢人口(65歳以上:黄色)に分かれてグラフで表示されます。

総人口は2005年あたりをピークに、年々減少傾向にあるのがわかりますね。その一方で、65歳以上の高齢者は増加していくことがわかります。うーん、東京都にあってもこの地域一帯は、高齢化比率が高まり、地方都市と同じように人口減少が進んでいくことになるのですね。

それでは、「RESAS」がどのようなものか、なんとなくわかってきたと思うので、岩蔵温泉周辺について詳しく見ていきましょう。

将来人口

上記の項目で「将来人口メッシュ」を選択すると、

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このように、任意のエリアを選択できるようになるので、「岩蔵温泉」周辺を赤い枠で設定します。

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そうすると、設定したエリアの総人口の推移をみることができます。その結果、2015年には2,103人だった人口が、なんと2050年には997人になってしまいます。約半分以上の減少ですね。

さて、そんな先が暗い未来予想図になってしまいましたが、定住人口の増加は見込めないにしても、せめて、交流人口や関係人口を増やして、この岩蔵温泉周辺を盛り上げるのが僕たちの世代の使命のように感じます。

そして、2019年から取り組んできたIwakura experience
このプロジェクトは2019年9月にスタートし、2020年3月までに5回のイベントを実施してきました。参加者も毎回定員となり、イベントは概ね成功といったところでしょうか。

そして、この「Iwkura experience」の取り組みも、徐々にデータとして実績が残りつつあります。

流動人口

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「RESAS」で先ほどと同じように、今度は「まちづくりマップ」⇒「流動メッシュ」を選択します。この「流動メッシュ」のデータは、携帯電話のアプリ利用者のデータから流動人口を表示したもので、この地域にどのくらいの人が滞在していたのかがわかります。
それでは、その結果を見てみましょう。

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小さくて見づらいので、数字をピックアップしました。

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これを見てわかるのは、「Iwakura experience」として取り組んできた2019年度、前年度以前に比べて、流動人口が増加しているのがわかります。
感覚ではちょっとずつですが、岩蔵温泉周辺を訪れる人が増えてきたのかなと思っていましたが、このようにデータで示されると説得力があります。

さて、今回は「RESAS」のデータから、岩蔵温泉周辺の人口動向と「Iwakura experience」の取り組みによる周辺地域の影響を見ることができました。
それでは、実際にどのような取り組みを行ってきたのかは、今後お話していたいと思います。

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