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23/12/08 (金)「米国株は上昇も、日本は気になる円高の動き」寄り前情報


要点まとめ

  • 米国株はハイテク株が再び上昇

  • 一方、日本では植田総裁発言をきっかけにした円高への動きが昨晩も

  • ドル円は一瞬だけ141円台を付ける場面も

  • 配当落ちを加味しても日経平均先物は弱含んで朝を迎えた

  • 今日は12月のSQ値の算出日のため、値振れが気になる朝

米国株は上昇も、日本は気になる円高の動き

米国株主要三指数の値動き:

木曜日の米国市場では翌日に控える雇用統計を前に、ハイテク株が再び強含む形で上昇
日替わりで上げ下げをしている印象のある超大型株はこの日は揃って上昇し、特にAlphabetは新たなAIモデル「Gemini」を発表したことを受けてか株価が急伸していました。

-- 新規失業保険申請件数は横ばい --

木曜日の米国市場で週次で発表される前週分の新規失業保険申請件数は、ほぼ市場予想に近い内容になり、前回からほぼ横ばいとなっています。

取り消し線は改定前

今晩発表される雇用統計の調査対象は11月(もっと正確に言えば、11月の半ば)ですので、この数字が直接今晩の雇用統計に関わるものではないものの、急な変動をみせなかったことで、今週ここまでみてきたJOLTSやADP雇用統計の減速感を信じる方に傾きやすかったことが、昨晩のハイテク株高にも繋がっていそうです。

-- 景気敏感などはまちまち --

セクター間の循環が起きているのかは分かりませんが、最近では米国株全体が揃って強含む場面があまり見られていません。

昨晩ではハイテク株が堅調だった一方で景気敏感系はまちまちとなっていました。

S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中8業種上昇となりました。
Alphabetの急伸が貢献する形でコミュニケーション・サービスのセクターが久々の業種1位。
情報技術、一般消費財といった超大型株を率いる3セクターが上昇上位に。
昨日は堅調だったヘルスケア、公益事業といったディフェンシブ系はまちまちで、指数としては反落。
WTI原油先物は前日の弱い経済統計や中国への景気懸念、週間石油在庫統計などを受けて大きく下げたあと、昨晩は一旦下げが止まり、落ち着きをみせているようにも見えますが、エネルギーセクターは4日続落。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
米長期金利は小幅に反発。ただ4.1%台は維持しています。
中小型株指数のラッセル2000は3営業日ぶりの反発。

-- 欧州株 --
堅調さが続いていた欧州株は反落するも、小幅でSTOXX600は0.27%下落。

-- 為替(ドル円) --
日本市場としては最も気になるのが昨晩の為替の動き。📌
昨日の日中に植田総裁の「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」との発言を受け、政策修正思惑が強まる形で日本の長期金利も急伸。
最近は欧米中銀の利下げ期待が強まる中で"過度な円安方向への動きが収まる"程度の落ち着きしかみせていない円通貨でしたが、これをきっかけにして急速に円買いが進む形となりました。
昨日の朝は147円前半で始まり、日中の報道を受けて株式市場が開いている間に146円半ばまで円高方向に。
欧米の時間帯でさらに円高方向に進み、一瞬142円割れにもなったあと、144円台前半で朝📌を迎えています。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①為替への反応
②SQ値算出後の動き

の2つを挙げます。

やはり一番気になるのは為替の動き
昨日の日中に比べ、一気に2円以上円高方向に動いており、一瞬とはいえ141円台もみえたドル円。
為替への業績への影響を考える際に注目されるトヨタ自動車について、通期の想定為替レートは先月の決算時において、ドル円でいえば125円から141円に変更したばかり。📌
よりはっきりと円高が重しと感じられる水準に近づいています。

こうした動きを受け、日経先物は下落。昨日は12月限の最終日だったため、不安定な中での先物市場であり12月配当を加味した配当落ちも含まれるはずですが、それを考慮しても下げが大きくなっています。
SQ算出日である本日はそんな動きを受けてどういった値動きをみせるのか。
日経平均株価を押し上げがちなハイテク株にとっては米国株のハイテク株が堅調だったことが救いではあるものの、好感するかは不透明。
TOPIXへの影響が大きい輸送用機器などについては円安の影響が気になる一方で、銀行株などが今後どう動くかに注目です。

特に、昨晩のうちに大きく為替が変動しただけに、今日の日本時間の日中はドル円がどう動くのかも非常に気になるポイントです。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目は雇用統計
もはや日本市場としては為替がどう反応するのかが最も関心の高いポイントになりそう📌です。
もちろん市場予想に対して内容が大きく乖離した場合は、その内容と米国株の受け止め方にも注目。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30   : 36,117.38 ( +0.17% )
S&P 500 : 4,585.59 ( +0.79% )
NASDAQ: 14,339.99 ( +1.37% )


イベント

2023年12月第2週(メジャーSQ週)
12/08 (金):米11月雇用統計
12/08 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年12月第3週
12/12 (火):米11月消費者物価指数
12/12 (火):FOMC(~12/13 日本時間14日早朝にパウエル議長会見予定) 
12/13 (水):米11月卸売物価指数
12/14 (木):ECB理事会
12/14 (木):英国金融政策委員会
12/14 (木):米11月小売売上高
12/15 (金):米11月鉱工業生産
12/15 (金): 米12月PMI 速報値

2023年12月第4週
12/18 (月):日銀金融政策決定会合(~12/19 19日に会見予定)
12/19 (火):米11月住宅着工件数
12/20 (水): 米12月消費者信頼感指数
12/20 (水):米11月中古住宅販売件数
12/21 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
12/22 (金):日本11月全国消費者物価指数
12/22 (金):米11月耐久財受注 速報値
12/22 (金):米11月新築住宅販売件数
12/22 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年12月第5週
12/25 (月):クリスマス 米休場
12/27 (水):配当・株主優待 権利付き最終日

2024年1月第1週
01/01 (月): 元日/新年 日米休場
01/02 (火): 日本休場
01/03 (水): 日米休場
01/03 (水): 11月JOLTS雇用動態調査
01/03 (水): 米12月ISM製造業景気指数
01/03 (水): FOMC議事要旨公表
01/04 (木): 米12月ADP雇用統計
01/05 (金): 米12月ISM非製造業景気指数
01/05 (金): 米12月雇用統計

2024年1月第2週(SQ週)
01/08 (月): 成人の日 日本休場
01/11 (木): 米12月消費者物価指数
01/12 (金): 米12月卸売物価指数

2024年1月第3週
01/15 (月): 「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示企業一覧表公表
01/15 (月): キング牧師記念日 米休場
01/17 (水): 米12月小売売上高
01/17 (水): 米12月鉱工業生産
01/17 (水): ベージュブック公表
01/18 (木): 米12月住宅着工件数
01/19 (金): 日本12月全国消費者物価指数
01/19 (金): 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
01/19 (金): 米12月中古住宅販売件数

2024年1月第4週
01/22 (月): 日銀金融政策決定会合(~1/23 23日に会見予定)
01/25 (木): ECB理事会
01/25 (木): 米12月耐久財受注 速報値
01/25 (木): 米12月新築住宅販売件数
01/26 (金): 米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2024年1月第5週/2月第1週
01/29 (月): 配当・株主優待 権利付き最終日
01/30 (火): 12月JOLTS雇用動態調査
01/30 (火): FOMC(~1/31 日本時間1日早朝にパウエル議長会見予定) 
01/31 (水): 米1月ADP雇用統計
02/01 (木): 英国金融政策委員会
02/01 (木): 米1月ISM製造業景気指数
02/02 (金): 米1月雇用統計

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