見出し画像

23/12/06 (水)「スッキリと揃って上げることをせず」寄り前情報


要点まとめ

  • JOLTS求人件数は予想を下回る

  • 米長期金利は下落し、超大型株は反発

  • ただ、景気敏感株などは下落、全体的には軟調

  • 中国信用格付け見通し低下なども重しか

スッキリと揃って上げることをせず

米国株主要三指数の値動き:

火曜日の米国株では10月雇用動態調査(JOLTS)が市場予想よりも低調の内容だったことを受け、米長期金利が大きく下落し、ハイテク株比率の高いNASDAQ総合株価指数が反発する一方、NYダウは続落というまちまちな動きになりました。

-- 米長期金利は低下 --

この日の経済統計として注目されたのは10月雇用動態調査(JOLTS)と11月ISM非製造業景気指数などでした。

JOLTSの方をみてみると、求人件数は市場予想や下方修正された前回の内容を下回る結果となり、逼迫した雇用の環境が均衡により近づいてきていることを示唆する内容と受け止められ、この日の米長期金利が下落するきっかけとなりました。
なお、今晩はADP雇用統計、明日は週次で発表される前週分の新規失業保険申請件数、金曜日には最注目の雇用統計の発表が控えています。

取り消し線は改定前

ISM非製造業景気指数の方は市場予想や前回を上回る内容に。
価格指数は前回の58.6から58.3へと低下しながらも高い水準を維持し続け、他の指数も堅調となっていました。
しかし米長期金利は今週相次ぐ雇用の指標に神経をとがらせているようで、こちらへの反応は限定的でした。

-- スッキリと上がらず --

米長期金利が下落する中、ハイテク株比率の高いNASDAQ総合株価指数は反発。
しかし"ハイテク株高"と表現するにはセクター全体はやや弱く📌、主に上昇したのは"Magnificent Seven"とよばれる超大型株が中心で、7銘柄のうちMeta以外の6銘柄(Alphabet, Apple, Amazon, Microsoft, NVIDIA, Tesla)が反発。
ほかのセクターではむしろ下げているものが目立ち、景気敏感系のセクターの弱さが特に目立ちました。
また米長期金利が下落している中でも、やはり景気への懸念が引っ張る形では小型株も冴えないのか、ラッセル2000は5営業日ぶりの反落となっています。

雇用指標が市場予想以下だったことに加え、景気への懸念を強めることになった要因には格付け機関のMoody'sによる中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」の低下📌が挙げられます。

最近では景気敏感株などが堅調でNYダウが高値更新した中で、超大型株が軟調であったのが印象的で、これらが揃ってスッキリと上がる場面が最近はみられません。

S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。
上昇したのは超大型株を含む3セクターである情報技術、一般消費財、コミュニケーション・サービスのみ。

景気への懸念がやや広がる形になってか、WTI原油価格は昨晩も低下傾向を続けており、エネルギーセクターが大きく下落。
素材、資本財など景気敏感系のセクターが騰落率の下位に並びました。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
WTI原油先物は72ドルを割り込みそうな水準に。
2021年12月以降、明確に70ドルの水準を割り込んだ場面はほとんど無く、そうした直近の低水準になってきています。
米長期金利も4.1%台へと低下。

-- 欧州株 --
最近は堅調さがみられる欧州株ですが、ドイツDAXは過去最高値を更新。STOXX600も0.4%高となっています。

-- 為替(ドル円) --
ドル円は米長期金利の大きな下落にも関わらず、ISM非製造業景気指数への反応もあってか、昨日の日中とあまり変わらない水準で朝を迎えています。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①水準を気にした動き
②超大型株への反応

の2つを挙げます。

先週から日々指摘するように、今週はメジャーSQ週。
水準を意識した先物の動きが特に気になる中で、昨日は日経平均株価が節目の33000円を割り込みました。
今日はこの水準に再び接近するのか、接近した場合、その後はどう動くのかを考えながら過ごす一日に。

そこで気になるのは超大型株の反発への反応。
日経平均株価を押し上げやすいのはグロース株ですが、最近は米超大型株の軟調さもあり、微妙な反応に。
今日はそれが切り返したとはいえ、米国株全体でみれば軟調さがみられるため、どう捉えていいかが難しいところ。
「どっちに転がるかを予想する」というよりは、「今の日本株が米国株のどんな動きに主に反応しているのか」を探る一日にしたい📌ところです。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目はADP雇用統計。
ただ、景気への懸念もやや気になるところですので、株式市場としてはどんな内容が期待されているのかが分かりづらいのが気になる点。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30  : 36,124.56 ( -0.22% )
S&P 500 :   4,567.18 ( -0.05% )
NASDAQ: 14,229.91 ( +0.31% )


イベント

2023年12月第2週(メジャーSQ週)
12/06 (水):米11月ADP雇用統計
12/08 (金):米11月雇用統計
12/08 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年12月第3週
12/12 (火):米11月消費者物価指数
12/12 (火):FOMC(~12/13 日本時間14日早朝にパウエル議長会見予定) 
12/13 (水):米11月卸売物価指数
12/14 (木):ECB理事会
12/14 (木):英国金融政策委員会
12/14 (木):米11月小売売上高
12/15 (金):米11月鉱工業生産
12/15 (金): 米12月PMI 速報値

2023年12月第4週
12/18 (月):日銀金融政策決定会合(~12/19 19日に会見予定)
12/19 (火):米11月住宅着工件数
12/20 (水): 米12月消費者信頼感指数
12/20 (水):米11月中古住宅販売件数
12/21 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
12/22 (金):日本11月全国消費者物価指数
12/22 (金):米11月耐久財受注 速報値
12/22 (金):米11月新築住宅販売件数
12/22 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年12月第5週
12/25 (月):クリスマス 米休場
12/27 (水):配当・株主優待 権利付き最終日

2024年1月第1週
01/01 (月): 元日/新年 日米休場
01/02 (火): 日本休場
01/03 (水): 日米休場
01/03 (水): 11月JOLTS雇用動態調査
01/03 (水): 米12月ISM製造業景気指数
01/03 (水): FOMC議事要旨公表
01/04 (木): 米12月ADP雇用統計
01/05 (金): 米12月ISM非製造業景気指数
01/05 (金): 米12月雇用統計

2024年1月第2週(SQ週)
01/08 (月): 成人の日 日本休場
01/11 (木): 米12月消費者物価指数
01/12 (金): 米12月卸売物価指数

2024年1月第3週
01/15 (月): 「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示企業一覧表公表
01/15 (月): キング牧師記念日 米休場
01/17 (水): 米12月小売売上高
01/17 (水): 米12月鉱工業生産
01/17 (水): ベージュブック公表
01/18 (木): 米12月住宅着工件数
01/19 (金): 日本12月全国消費者物価指数
01/19 (金): 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
01/19 (金): 米12月中古住宅販売件数

2024年1月第4週
01/22 (月): 日銀金融政策決定会合(~1/23 23日に会見予定)
01/25 (木): ECB理事会
01/25 (木): 米12月耐久財受注 速報値
01/25 (木): 米12月新築住宅販売件数
01/26 (金): 米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2024年1月第5週/2月第1週
01/29 (月): 配当・株主優待 権利付き最終日
01/30 (火): 12月JOLTS雇用動態調査
01/30 (火): FOMC(~1/31 日本時間1日早朝にパウエル議長会見予定) 
01/31 (水): 米1月ADP雇用統計
02/01 (木): 英国金融政策委員会
02/01 (木): 米1月ISM製造業景気指数
02/02 (金): 米1月雇用統計

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?