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24/04/04 (木)「ADP雇用統計上振れも、ISM非製造業で落ち着く」寄り前情報

要点まとめ

  • ADP雇用統計上振れを受け、米長期金利が大きく上昇

  • しかしその後のISM非製造業は予想を下回る

  • 製造業と対照的なサービス業の結果で長期金利は反転

  • S&P500、NASDAQ総合は小幅に反発、NYダウは構成銘柄の個別下げ重し

ADP雇用統計上振れも、ISM非製造業で落ち着く

米国株主要三指数の値動き:

水曜日の米国株はまちまちで終了。NYダウは小幅続落、NASDAQ総合とS&P500は小幅反発となりました。
前日の相場では2024年内の高値を更新した米長期金利が重しとなる中、昨晩はADP雇用統計やISM非製造業、Fed(米国中央銀行制度)高官らの発言などに反応して金利が上下する一日になっていました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。


今週は出だしから3月ISM製造業景気指数の上振れを受け、「景気も物価も底堅い」という直近の状況から、FRBは6月からの政策金利の利下げ、年内3回の利下げなどを市場の見通し通りにおこなわないのではないかという疑念が生じはじめました。
これにより米長期金利は4.4%を超えて2024年に入ってからの高値を更新し、株式市場としてはそれを重しとするような動きが続いています。

金曜日に発表される米労働省の3月雇用統計に注目が集まる中、昨晩は先んじて発表されるADP社の3月雇用統計の発表がありました。
これが市場予想を上回る内容だったため、米長期金利は前日に一服感で割り込んでいた4.4%台に復帰する上昇をみせ、米国株は下落スタート

取り消し線は改定前


しかし、その後発表された3月ISM非製造業景気指数は予想に反し、前回よりも低下。
内訳における雇用指数は引き続き好不況の境目である50を割れていたり価格指数が前回内容より低下していたりという点もみられ、先日発表された3月製造業とは対照的なサービス業のPMI📌を受けて、米長期金利は反転する動きに。

結果として米国株もプラスに転じる動きをみせはじめました。

この日はFed高官の発言も多数。📌
アトランタ連銀のボスティック総裁は今年に入ってからタカ派な発言が目立ちますが、昨日も「利下げは第4四半期におこなうのが適切になる可能性」に言及。既に先々週から年内1回利下げに留まるの可能性について言及しています。

クーグラーFRB理事は時期や回数には踏み込まなかったものの、インフレ率低下を期待する発言。
またパウエルFRB議長は「今後発表されるデータをもとに政策を決めていくという時間の余裕はある」として利下げを急がないことを示唆。ただしこれも先週の発言スタンスからは変わっていません。

S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中7業種上昇となりました。
コミュニケーション・サービスセクターは堅調。ただ個別としてはWalt Disneyが下落。いわゆる"モノ言う株主"との争いに対し、株主総会で取締役選任の要求を否定する形にはなったものの、株価は下落。

情報技術セクターは堅調も、Intelが8%安。

全体的なまちまち感の一方で、こうしたNYダウ採用銘柄の重しもあってNYダウは続落、S&P500は反発となっていた様子。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
米長期金利は結局ADP雇用統計発表後、ISM非製造業の結果を受けて落ち着きを取り戻し、前日と同水準へ。
中小型株指数のラッセル2000は反発。

-- 欧州株 --
欧州株も全体的に小幅ながら反発。STOXX600も0.28%高。

-- 為替(ドル円) --
為替警戒感もあるなか、ADP雇用統計発表後に151円90銭台にじわじわと向かうも、その後のISM非製造業の結果を受け、結局151円台半ばへ。
今週に入ってからはこの水準で膠着感があり、やや不気味。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
先物主導の反発の雰囲気
を挙げます。

やや軟調さがみえる今週の日本株ですが、昨晩のISM非製造業景気指数の発表後くらいから日経先物は強含む動きも。
空売り比率が最近の中では高めになったり、日経VIも20を超えるなど、売りポジションを強めているような動きもあるだけに、短期的にはそれを踏み上げる力が働くかが朝の値動きのポイントになります。
ただ問題はそれが継続するかどうか。
日経平均は39774.15円、TOPIXは2722.76ポイントの25日移動平均線を下回っており、これを上回り、さらに維持できるかを日中の値動きの注目点📌としたいところ。

-- 今晩の米国市場 --

今晩は週次で発表される新規失業保険申請件数の発表と反応に注目。
また今晩もFed高官発言の予定が盛りだくさんの様子。


今朝の注目ニュース

昨日は大きな地震が発生してしまった台湾。
半導体の受託生産の大手である台湾のTSMCの製造に影響が出てこないかがマーケットとしては気になるところ。
NVIDIAは混乱を予想していないとしているようだが、余震なども含め、地震の影響はしっかり意識しておく必要がありそう。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 39,127.14 ( -0.11% )
S&P 500 : 5,211.49 ( +0.10% )
NASDAQ: 16,277.45 ( +0.23% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第1週
04/05 (金): 米3月雇用統計

2024年4月第2週(SQ週)
04/08 (月): 日本2月分毎月勤労統計調査 速報
04/10 (水): 米3月消費者物価指数
04/10 (水): FOMC議事要旨公表
04/11 (木): 米3月卸売物価指数
04/11 (木): ECB理事会
04/12 (金): 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年4月第3週
04/15 (月): 米3月小売売上高
04/16 (火): 米3月鉱工業生産
04/16 (火): 米3月住宅着工件数
04/17 (水): ベージュブック公表
04/18 (木): 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/18 (木): 米3月中古住宅販売件数
04/19 (金): 日本3月全国消費者物価指数

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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