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24/04/02 (火)「長期金利急騰が重荷となった連休明けの米国株」寄り前情報

要点まとめ

  • 昨晩の米国株はイースター連休明け

  • ISM製造業景気指数は予想を大幅に上回り、価格指数も高い

  • この発表後に米長期金利は大きく上昇、昨晩の米国株の重荷に

  • 引き続きドル円の動きに注意

長期金利急騰が重荷となった連休明けの米国株

米国株主要三指数の値動き:

昨晩の米国市場は主要株価指数は冴えない動き
先週木曜日に過去最高値をつけたNYダウ、S&P500は前日終値付近で開始するも、下落方向に進み反落。
一方でNASDAQ総合は一部のハイテク株が牽引する形で反発するも、上げ幅縮小。途中で下げに転じ、取引時間終了前にやや強含んで何とかプラスで終えました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。


先週金曜日はグッドフライデーの祝日だったため、PCE(個人消費支出)の発表がありながら株式市場は休場でした。
Fed(米国中央銀行制度)が金融政策を決める上で重視するPCE物価の発表が注目され、予想より上振れることなく通過。

しかし既に木曜日の時点でNYダウやS&P500は過去最高値を更新するほどに警戒心を持たずにPCE物価の発表を待っていただけに、予想通りの内容では株価の上昇余地も限られていたなか、昨晩の注目はそこではなく、新しく発表された3月ISM製造業景気指数の方📌でした。

2022年以来となる景気の拡大・縮小の節目である50を上回る予想外の強さをみせたほか、内訳としても仕入れ価格指数も上昇。
これを受けて6月FOMCにおける米国の政策金利利下げ期待がやや後退し、米長期金利は大きく上昇しました。

景気の強さを示す内容と言えども、昨年末からFedが見通しとして示してきた年内3回利下げの実現が遠のき、今後の引き締め的な金利水準が緩む期待に対する後退の方が勝る形で米国株は反応したのか、NYダウは下げ幅を拡大。

一方、ハイテク株の一部は強さを残し、米国株全体としては大きく崩れないまま終えています。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。
Alphabetが大きく上昇し、Metaもプラスとなったコミュニケーション・サービスセクターが堅調。
原油先物価格の上昇基調が崩れていないためか、エネルギーセクターも堅調。
情報技術セクターでは、Micron Technologyがアナリストによる目標株価引き上げなどを材料に上昇、長期金利上昇の中でも半導体関連は上昇が目立ちました。

一方でやはり金利上昇を重荷とする景気敏感系のセクターは鈍く、特に不動産セクターは下落幅を大きくしています。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
景気敏感系の下げとともに中小型株指数のラッセル2000も大きく下落。

-- 欧州株 --
欧州では月曜日までがイースター連休となるところが多く、休場。

-- 為替(ドル円) --
ドル円はISM製造業景気指数の発表後に円安方向に進み、151円半ばへ。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①益出し売りの流れの変化
②為替の動向

の2つを挙げます。

昨日の日本市場は期初の益出し売りの影響もあってか、予想以上に大きく下落しました。
売りから入っている投資家も少なく無さそうなため、反発基調が強まれば上方向にも動きやすそうにも思えますが、期初の益出し売りの流れは一日で終えないことも多く、1週間ほどは需給の不安定さに警戒したいところ。

そんな日本市場で今週注目したいのは為替の動向。
いきなり初日からISM製造業が想像以上の強さとなったことで米長期金利に影響を与え、為替市場にも動きが出ました。
これだけ景気関連指標の強さで動きが出ると、金曜日の雇用統計に対する注目度も想像以上に高くなってしまいそうなため、引き続き為替動向から目が離せません📌
為替警戒が広がっている中ですので、日中にどんな動きをするか、またその晩にどんな動きをしそうかも考えながら過ごすことになりそうです。

-- 今晩の米国市場 --

金曜日の雇用統計にむけて、今晩から続く雇用関連指標に注目。
今晩は2月分ではありますが、雇用動態調査(JOLTS)の内容に注目。
明日はADP雇用統計、明後日は新規失業保険申請件数が控えます。
米長期金利がいまの水準以上に大きく上昇してしまうと、今年に入ってからの高値を超えてしまう状況にあり、それが米国株の流れに影響を与えないかがやや心配📌されます。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 39,566.85 ( -0.60% )
S&P 500 : 5,243.77 ( -0.20% )
NASDAQ: 16,396.83 ( +0.11% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第1週
04/02 (火): 2月JOLTS雇用動態調査
04/03 (水): 米3月ADP雇用統計
04/03 (水): 米3月ISM非製造業景気指数
04/05 (金): 米3月雇用統計

2024年4月第2週(SQ週)
04/08 (月): 日本2月分毎月勤労統計調査 速報
04/10 (水): 米3月消費者物価指数
04/10 (水): FOMC議事要旨公表
04/11 (木): 米3月卸売物価指数
04/11 (木): ECB理事会
04/12 (金): 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年4月第3週
04/15 (月): 米3月小売売上高
04/16 (火): 米3月鉱工業生産
04/16 (火): 米3月住宅着工件数
04/17 (水): ベージュブック公表
04/18 (木): 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/18 (木): 米3月中古住宅販売件数
04/19 (金): 日本3月全国消費者物価指数

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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