見出し画像

24/04/16 (火)「米長期金利上昇に加え、中東情勢も不穏残す」寄り前情報

要点まとめ

  • 週明けは金曜日のリスク回避の動きからの反発から始まるも続かず

  • 米3月の小売売上高の強さもあり、米長期金利は大きく上昇

  • イスラエルの再報復の可能性も拭えず

米長期金利上昇に加え、中東情勢も不穏残す

米国株主要三指数の値動き:

昨晩の米国株は続落となりました。
開始直後は先週金曜日のリスク回避の動きからの反発が先行しましたが、その動きは米長期金利の上昇によって鈍ると、加えてイスラエルによる再報復の可能性は拭えていないことも重しとなってか、下落警戒感を強める相場が継続する形となりました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- ①リスクオフの巻き戻しと予想以上の小売売上で米長期金利上昇 --

先週金曜日の米国市場では、イランがイスラエルに対して報復攻撃をする可能性があることが報じられた影響でリスク回避の動きを強めていました。
その結果米国株は下落、安全資産として米国債は買われたために米長期金利(10年債利回り)は下落という形で反応して週末を迎えていました。

実際に警戒していたイランによる攻撃は実施されたものの、この攻撃を以て一旦の事態のエスカレートが回避されるという思惑が強まり、株価先物は反発、長期金利は反発という動きを見せながら米国株市場のスタートを迎えることに。

さらに長期金利に関しては一段と上昇📌。週明けの米国株市場の開始前に発表された3月小売売上高は市場予想を大きく上回るものとなりました。

取り消し線は改定前、ここでのコアは"excl. motor vehicle & parts & gasoline stations"

これを受けて米長期金利は先週の高値を抜けて4.6%を突破しました。

これが米国株にとっての重しとなったうえ、イスラエルは"報復の報復"をおこなう可能性を残していることもあり、米国株が先物上昇の流れで堅調だったのは開始直後だけ。📌

VIX(ボラティリティ・インデックス)は警戒心を強めた先週末よりも高くなっており、終値は19.23📌となって、昨年10月下旬以来となる20ポイントに接近。


-- ②米決算続々 --

先週金曜日の金融機関決算を皮切りに、大手企業決算ラッシュがはじまった米国市場では、週明けもGoldman Sachsの決算発表などが注目されました
予想を上回る内容を好感し、株価は上昇。
先週はJPMorgan Chase、Wells Fargo、Citigroup、BlackRockなどが決算発表をして、EPS予想を上回るも、ガイダンスの内容や市場全体のリスクオフムードによって4社ともに金曜日は下げていました。
週明けとなり、JPMorgan Chase、Wells Fargoは反発。

下落の勢いが気になる相場でありながらも、Goldman Sachsは上げ幅を縮めつつも堅調さを残していることから、今晩以降もまだまだ続く米決算には注目です。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種すべて下落となりました。
2営業日連続で全業種下落。
テック株の下げは引き続き大きく、情報技術のセクターが最も下落。
このセクターではSalesforceがソフトウェア会社のInformatica買収の交渉を進めているとの報道が一部でなされていましたが、株価は大きく下落。
米長期金利の上昇が重みとなりやすい不動産業も大きく下落。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
中小型株指数のラッセル2000は大きく続落。
今年の2月以来の水準に。

WTI原油価格はイスラエルが再報復をおこなう可能性もまだまだ残しているためか、下落は続かず下げ渋る動きをみせました。

-- 欧州株 --
欧州株は反発。
STOXX600は0.13%高。
ただその後の欧州株の先物はやや弱い動き。

-- 為替(ドル円) --
小売売上高の発表後にドル円は154円を突破。
今朝も154円前半で動いています。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①どこまでが過度な円安か
②中国経済指標

の2つを挙げます。

昨晩の小売売上高の結果を受け、ドル円は154円台にまで上昇。
為替介入が警戒されながらも実施されない状態が長く続いていますが、どこまでが"過度な円安"なのかがはっきりしない状態が続いています。
来週は日銀会合が控えており、それまでただただ少しずつ円安が進んでいく状態のどこかで無理やり歯止めをかけようとするのか、日中の動きに要注目

今日は日中に中国のQ1実質GDPの発表、小売売上高や鉱工業生産などの発表もあるため、その反応もしっかりみたいところ。
最近は銅価格の高さなど商品市況も動きが目立っており、これらがどう反応するのかが気になります。

-- 今晩の米国市場 --

今晩も決算は続きます。
NYダウは6営業日続落となっており、昨年末の水準に接近。今年に入ってからの上昇分を無くしそうな勢いとなっています。
(ただし年初は下落から始まったため、今年に入ってからの安値まではもう少し幅がありますが)
この下落ムードがどこまで進むのかが気になるところ。


今朝の注目ニュース

大引け後の企業決算関連などでは、PTSにおいてスタンダード市場銘柄が決算を受けて動いているのが目立ちました。
ファンドクリエーショングループはPTSで大きく下落。
普段からスタンダード市場で売買の多い住石ホールディングスは上方修正などを受けて大きく上昇。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 37,735.11 ( -0.65% )
S&P 500 : 5,061.82 ( -1.20% )
NASDAQ: 15,885.01 ( -1.79% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第3週
04/15 (月): 米3月小売売上高
04/16 (火): 米3月鉱工業生産
04/16 (火): 米3月住宅着工件数
04/17 (水): ベージュブック公表
04/18 (木): 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/18 (木): 米3月中古住宅販売件数
04/19 (金): 日本3月全国消費者物価指数

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?