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24/04/05 (金)「犯人はカシュカリ発言?原油急騰?リスク回避の動き」寄り前情報

要点まとめ

  • 取引時間前半は堅調だった米国株

  • しかし後半になると一転して急落

  • ミネアポリス連銀カシュカリ総裁はかなりタカ派な発言

  • 原油価格の急騰

  • 米長期金利は下落、リスク回避感

犯人はカシュカリ発言?原油急騰?リスク回避の動き

米国株主要三指数の値動き:

昨晩の米国市場では前半は堅調に推移していたのに対し、後半はその雰囲気が一変。
主要三指数は揃って急落し、揃って1%以上の下落となりました。
下げに向かった時間にあった材料として、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の利下げをしない可能性にまで踏み込んだ発言があったほか、原油価格の急騰📌などが挙げられています。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。


-- リスク回避が目立った木曜の米国市場 --

昨晩の米国市場は非常に動きが大きい一日となりました。
週次で発表される前週分の新規失業保険申請件数は予想を上振れ。

取り消し線は改定前

予想よりも強すぎるISM製造業景気指数をきっかけに利下げへの慎重さに対する懸念からはじまった1週間だっただけに、この内容に対しては株式市場の反応はポジティブでした。
しかしこうして主要株価三指数が揃って上昇していた取引時間前半とは裏腹に、後半になると一転して上げ幅を縮小しそのままマイナスに急転。

この日はFed(米国中央銀行制度)高官らの発言が昨日に続いて相次いで出ていましたが、その中でもミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は"年内に利下げをおこなわない"可能性を示唆する言及。📌📌
共通認識にように年内利下げに関しての可能性の示唆はほかのFed高官らからは出続けていただけに、直近で最もタカ派色のある発言になったサプライズ感📌がありました。

ただ金利の高さを長く保つことを示唆する発言とは逆に、その後の株価下落の最中は米2年国債利回りや10年国債利回り(長期金利)は下落方向へ📌と進みました。
景気を長く引き締め続けることの弊害への警戒と捉えられなくはありませんが、一気に上昇したVIX(ボラティリティ・インデックス)の動きからもみえるように、感じたのは非常に大きなリスク回避の姿勢

この下落時にカシュカリ総裁発言のほかにもあったのが、WTI原油先物価格の急騰でした。
最近は上昇基調が続いているなか、85ドル台で推移していたところから一気に一時87ドル台まで上昇。
昨年の9月後半に90ドル台を突破し、90ドル~95ドル台で激しく動いていた時期がありましたが、その最高値圏へと近づいています。
在シリアのイラン大使館空爆を受けたイランによる報復警戒などで中東情勢は緊張状態を強めている状況にあります。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中すべて下落となりました。
半導体関連も軒並み大きく下げたため、情報技術セクターの下げが大きくなりました。
ただAppleやMicrosoftの下げは1%未満。
コミュニケーション・サービスはAlphabetが3%近い下げ。3月に入ってからはやや反発ムードだっただけに、リスク回避の際の売りも大きかったのかも。ただ今年堅調さが際立っているMetaは上げ幅を縮めてもなお逆行高

ヘルスケアはAbbvieの下げがきつかったりと軟調でしたが、公益事業、生活必需品といったほかのディフェンシブ関連は底堅さ。
原油価格の上昇があったにも関わらずエネルギーセクターもまちまちとはいえ決して逆行高というほど強くなかったことからも、リスク回避のムードが感じられる相場でした。📌📌

その他の主な動き:

-- その他指数 --
VIXは14ポイント付近から16ポイント台へと大きく上昇し、今年に入ってからの最高水準。

-- 欧州株 --
米国株の急変を見る前に終えた欧州株は続伸の動きが目立ち、STOXX600も0.16%高で続伸。さすがに米国株の動きをみて、先物では弱さも。

-- 為替(ドル円) --
リスク回避のような動きが進む中、ドル円はやや円高方向に進み、151円台前半に。
今晩の雇用統計を受けた反応、その前には日中に植田日銀総裁の国会での発言も予定されているようなので注目。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
不安定な相場での日中の値ぶれ感
を挙げます。

日本株は昨日の急騰によって買い戻す動きを先に出してしまったことが裏目にでている可能性もあり、円高方向に為替がやや進んだこともあって、先物は昨日とは打って変わって弱い動き。

昨日の夕方noteでも語りましたが、こういうときは短期の動きも非常に活発になりますので、日経VIや空売り勢の姿勢の勢いなども要確認。
昨晩の下げの主な原因が何なのかがはっきりしない中、今晩の雇用統計で再び上にも下にも揺れ動く可能性があります。
また、日本市場では来週がミニSQ。突然オプション市場が活発になっているのであれば、波乱は来週まで続く可能性も視野に

-- 今晩の米国市場 --

注目は雇用統計を受けたあとの値動き。
突然米国市場でもVIX急騰があったように、今晩の米国株もまだ上下に激しく動く可能性があります。
何がきっかけに昨晩動いたのかをうまく説明できるはっきりとしたモノがないため、油断せずに。


今朝の注目ニュース

植田総裁の発言が予定とのこと。
以前からの発言姿勢から違ったものがでてくるとは思えませんが、発言をきっかけに短期的に為替市場が動く可能性もあるため注目。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 38,596.98 ( -1.35% )
S&P 500 : 5,147.21 ( -1.23% )
NASDAQ: 16,049.08 ( -1.40% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第1週
04/05 (金): 米3月雇用統計

2024年4月第2週(SQ週)
04/08 (月): 日本2月分毎月勤労統計調査 速報
04/10 (水): 米3月消費者物価指数
04/10 (水): FOMC議事要旨公表
04/11 (木): 米3月卸売物価指数
04/11 (木): ECB理事会
04/12 (金): 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年4月第3週
04/15 (月): 米3月小売売上高
04/16 (火): 米3月鉱工業生産
04/16 (火): 米3月住宅着工件数
04/17 (水): ベージュブック公表
04/18 (木): 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/18 (木): 米3月中古住宅販売件数
04/19 (金): 日本3月全国消費者物価指数

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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