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24/05/10 (金)「米長期金利の反発は続かず」寄り前情報

要点まとめ

  • 新規失業保険申請件数は市場予想より弱く、米長期金利は反落

  • 30年債入札の好調さもあって、長期金利は前日の上昇分を打ち消す

  • 米国株もNYダウが7日続伸

  • 一方で半導体株はやや下落、NASDAQ総合は上げ幅小さめ

米長期金利の反発は続かず

米国株主要三指数の値動き:

昨晩の米国株は上昇
新規失業保険申請件数が市場予想より弱かったことを受け、下落基調を先月末からみせている米長期金利の水曜日の反発は続かず、昨晩は再び低下
米国株は序盤こそ利益確定売りに押されるも、すぐに切り返すと、NYダウは7日続伸の堅調さをみせました。
一方で半導体株がやや弱く、ハイテク株比率の高いNASDAQ総合の上げ幅は主要三指数の中でも小さめとなりました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- 米長期金利は下落の方向感崩さず --

先月下旬に発表されたGDP速報値をピークにする形でここ数日は米長期金利が下落方向に向かっています。
水曜日の米国市場ではやや反発する動きがあったため、そこから再び方向感を崩さずに下落基調を続けるかが少々気になった昨晩の米国市場。

そこで注目されたのが週次で発表される前週分の新規失業保険申請件数
これが市場予想を上回って(景気としては予想より弱い内容となって)、米長期金利は下落で反応しました。

取り消し線は改定前

先週の雇用統計に続き、やや弱い内容となっていますが、景気への不安を感じるレベルではまだ無いと判断されてか、景気敏感株を含め米国株は総じて堅調な動き。
半導体株などには売られる動きがみられ、ハイテク株比率の高いNASDAQ総合は上げ幅が小さかったものの、NYダウは7日続伸となり堅調さがみられました。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中10業種上昇となりました。
幅広いセクターが買われていた中、不動産セクターが特に堅調。
さらに最近上昇が目立つ公益事業が昨晩も上昇し、セクター指数としては7日続伸。指数の移動平均線乖離率をみても、直近の上昇幅の大きさがみえてきます。
最近は原油先物価格の下落が続いていたことで、エネルギーセクター指数も他の業種に比べて弱めの動きが続いていましたが、昨晩は原油価格とともに反発

色々と上昇の方が目立っていた一日でしたが、半導体株はやや軟調。
Arm Holdingsが決算を受けて下落。ただし、昨日の日本時間日中にみた時間外取引の下げ方よりは値幅は小さくなっています。
Microsoft、Appleなどは上昇していましたが、半導体周りやほかの情報系もやや軟調で、情報技術セクターだけは指数が小幅安。


その他の主な動き:

-- その他指数 --
前日は米長期金利の反発とともに6日ぶりの反落となった小型株指数のラッセル2000ですが、昨晩は新規失業保険申請件数が予想より弱かったことを受けて米長期金利は再び低下。
加えて30年債入札が好調だったことを受けてか、入札結果が出たあとにも長期金利が下落で反応。ラッセル2000も前日の下げ幅以上に反発。

-- 欧州株 --
欧州株は堅調さを維持。STOXX600は0.2%弱の小幅高で5日続伸。
英中銀の金融政策委員会を前に横ばいで動いていましたが、市場予想通りの金利据え置きに合わせ、今後の利下げに関しては前向きにとれるような発言がベイリー総裁から出た事を受け利下げ期待が高まったのか、欧州株は取引時間後半で上昇に向かう形になりました。

-- 為替(ドル円) --
米長期金利の反落とともに、ドル円も円高方向にわずかに進む動きをみせましたが、155円半ばの狭いレンジの中での動きに留まりました。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①SQ値とその後
②大引け後と来週の決算

の2つを挙げます。

今日は月の第2金曜日のため、昨日が最終取引日だった5月限の先物・オプションのSQ値算出日となります。
この1ヶ月はイスラエルとイランの間の地政学リスクの高まりなどもあって、オプション市場も活発になる時期がありました。
その上で大きな値幅を方向感をはっきりせずに上下する動きとなっただけに、オプションなどのポジションを清算する動きが今週の相場の不安定さに繋がったかもしれません。

これで一区切りと期待したいところではありますが、まだ指数を動かしやすい企業決算が今日、そして来週の3日間残っています。
これらを受けて日経平均株価がどのような位置で終えているのかがポイントになりそうです。

-- 今晩の米国市場 --

今週は材料が少なめであった一方、来週はPPI(卸売物価指数)やCPI(消費者物価指数)の発表などが控えています。
今晩に関してはミシガン大の統計があるため、そちらに要注目。
期待インフレ率などをみて米長期金利がどう動くのか


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 39,387.76 ( +0.85% )
S&P 500 : 5,214.08 ( +0.50% )
NASDAQ: 16,346.26 ( +0.27% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年5月第2週(SQ週)
05/10 (金): 日本3月分家計調査
05/10 (金): 景気ウォッチャー調査 4月調査
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/23 (木): 欧米5月PMI 速報値
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 日本5月東京都区部消費者物価指数 速報値
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

2024年6月第1週
06/03 (月): 米5月ISM製造業景気指数
06/04 (火): 4月JOLTS雇用動態調査
06/05 (水): 日本4月分毎月勤労統計調査 速報
06/05 (水): 米5月ADP雇用統計
06/05 (水): 米5月ISM非製造業景気指数
06/06 (木): ECB理事会
06/07 (金): 日本4月分家計調査
06/07 (金): 米5月雇用統計

2024年6月第2週(メジャーSQ週)
06/10 (月): 景気ウォッチャー調査 5月調査
06/11 (火): FOMC(~06/12 日本時間13日早朝にパウエル議長会見予定) 
06/12 (水): 米5月消費者物価指数
06/13 (木): 米5月卸売物価指数
06/13 (木): 日銀金融政策決定会合(~06/14 14日に会見予定)
06/14 (金): 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年6月第3週
06/18 (火): 米5月小売売上高
06/18 (火): 米5月鉱工業生産
06/19 (水): ジューンティーンスデー 米休場
06/20 (木): 米5月住宅着工件数
06/20 (木): 米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
06/20 (木): 英国金融政策委員会
06/21 (金): 日本5月全国消費者物価指数
06/21 (金): 米5月中古住宅販売件数

2024年6月第4週
06/25 (火): 米6月消費者信頼感指数
06/26 (水): 米5月新築住宅販売件数
06/26 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
06/27 (木): 米5月耐久財受注 速報値
06/27 (木): 米実質GDP(確報値) Q1
06/28 (金): 日本6月東京都区部消費者物価指数 速報値
06/28 (金): 米5月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

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