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24/04/26 (金)「GDP速報値の物価に驚き」寄り前情報

要点まとめ

  • 前日のMeta決算などを受けて米国株は軟調

  • さらにGDP速報値の発表後に米国株先物の軟調さが加速

  • 物価指数が予想を上回り、今晩のPCE物価発表を前に不安視

  • ただ開始直後が最も軟調、そこからは下げ渋る

  • 取引時間終了後のAlphabet、Microsoftは上昇

GDP速報値の物価に驚き

米国株主要三指数の値動き:

木曜日の米国市場は主要三指数が大きく下落してのスタート
米国の第1四半期のGDP速報値の発表の中で物価指数が上振れたことへとショックに加え、前日に決算発表を終えたMeta Platformsの急落などが重しとなりました。
ただその後は下げ渋る展開となって終えています。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- ①市場を驚かせたQ1のPCE物価 --

昨晩の米国市場において大きな重しとなったのは米長期金利の急騰でした。
昨晩は米国株市場の開始前に1-3月期(Q1)の米実質GDP速報値の発表がありました。

市場予想を下回る成長率となった一方、市場を驚かせたのはQ1コアPCE物価が予想を大きく上回ったこと📌📌でした。

これにより、今晩発表される3月コアPCE物価の前年同月比に関し、市場予想としていた2月分+2.8%からの鈍化の予想が間違いである可能性が出てきたため、アナリスト達の中では急遽予想の上方修正を相次いでおこなうことに。📌📌

これにより、市場における反応としては今晩のPCE物価が上振れることを先取りするように、米長期金利は大きく上昇、株価は大きく下落する反応となってしまいました。


-- ②前日決算も重し --

さらにこの日の開始時の米国株の雰囲気を悪くしたのは前日取引時間終了後に決算発表を終えていたMeta Platforms
今年に入ってから強弱の差が大きくなっている超大型株群、いわゆる"Big 7"の中でNVIDIAに次ぐ年始からの上昇率となっている期待感もあっただけに決算への反応も大きく、10%を超える大幅安となってしまいました。
さらにIBMも同じく前日決算を受けて大幅安。
これを受け、次の取引時間終了後に決算発表を迎えるAlphabet、Microsoftなどにも売りが波及。

ただし開始時が最も下げが大きく、そのあとは次第に買い戻す動きも見られていき、VIX(ボラティリティ・インデックス)の低下などとともに米国株の下げ幅は縮小。
今週は上昇率がここまで高かったNASDAQ総合やS&P500はともかく、前週の底堅さに反して今週は上昇が比較的小さいNYダウは一時先週末終値を割り込むも、何とか週間のプラスを維持して木曜日を終えています。

S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中5業種上昇となりました。
やはり下げが大きいのはコミュニケーション・サービス。
もちろんMetaの下げが影響し、つられて下げたAlphabetなども押し下げ。
決算のあったComcastなど通信系も弱くなっていました。
ヘルスケアセクターもBristol-Myersの決算への失望売りなどがありました。

反面、素材セクターでは上げ幅を拡大する形で堅調に。
Newmontなど決算を好感されるものも。
また一般消費財ではAmazonは下げた一方、Teslaは続伸して支えに。
情報技術ではMicrosoftが下げていたものの、NVIDIA続伸とほかの半導体関連の強さでプラスに。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
米債券利回りの上昇のなか、やはり金利に敏感な小型株指数のラッセル2000は続落。

-- 欧州株 --
欧州では英FTSE100は強かったものの、他は弱さが目立ち、STOXX600は続落。

-- 為替(ドル円) --
ドル円は昨日の日中は円安方向への動きを強めていましたが、昨晩の米長期金利の大きな上昇の中では円安が進まず。
後述でも触れる国債購入縮小の報道もあり、日本の長期金利上昇の動きも一時見られていました。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①日銀会合
②今晩の動きの受け止め

の2つを挙げます。

まず気にしたいのは日銀会合。
時事通信の報道では国債購入縮小が報じられており、これに反応する形で一時は日本の債券利回りも上昇。
実際はどんな会合結果になるのか、そしてそれを株式市場としてどう受け止めるのかに注目。

もう一つは今晩の米国の動きをどう織り込むのか。
忘れてはならないのが、来週の月曜日は祝日だということ。

まず、AlphabetやMicrosoftは取引時間終了後に決算発表を受けて時間外で上昇中。一方、Intelは時間外で急落
NASDAQ総合をみるうえでは今晩に期待したくなりますが、日本にとって大事なのは半導体関連の動き。昨晩のフィラデルフィア半導体指数は堅調。
Intelは半導体関連の中でも軟調な動きが続いていますから、今更決算で下げたとしても他への波及も小さい可能性もありますが、どうなるか。

そして気になるのが今晩のPCE物価の発表。
これを昨晩のGDP速報値の中でどれだけ織り込んだとみるのか。
仮にQ1PCE物価の強さについて「1、2月の内容が強く、3月はそうでもなかった」という結果になれば株式市場にとって大きく反発する可能性も。
ただ昨晩の米国株が下げ渋ったという点で、これを多少期待する面もあったとするならば、やはり3月PCE物価上振れはやや警戒

これらを考えながら、連休にどう備えるのかを考えることになります。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目は上の通り、PCE物価と米企業決算の反応。
また、ドル円がどう動くのかももちろん注目。
日銀会合後の植田総裁の会見、そしてPCE物価の発表を通じて、この時間帯に為替介入するような場面があるかどうかを注視。


今朝の注目ニュース

関連銘柄:銀行株など
珍しく日経ではなく時事通信の事前報道。
とはいえ、具体的な内容があまりみえてこないため、まずは昼の結果と大引け後の会見をみたいところ。
もしかしたら「主な意見」や議事要旨を待つ展開になることも?

再び浮上した金融所得課税強化の動き。日本の投資への流れに水を差す形にならないかが心配。
上の話と関連して、何らかの形で増税を進めようとしてもおかしくないし、今の政権の支持率の低さを考えれば「何をしたって怖くない」状態なのかも?


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 38,085.80 ( -0.98% )
S&P 500 : 5,048.42 ( -0.45% )
NASDAQ: 15,611.76 ( -0.64% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第4週
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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