見出し画像

24/05/15 (水)「PPIとパウエル発言後は米長期金利低下の方向」寄り前情報

要点まとめ

  • PPIは前月分が下方修正されたこともあり、前月比が上振れ

  • しかし前年同月比では市場予想通り

  • パウエル議長発言もあり、PPIに対しては「強弱まちまち」

  • 米長期金利は下落の方向感を継続

  • NASDAQ総合は3月末の過去最高値を更新

PPIとパウエル発言後は米長期金利低下の方向

米国株主要三指数の値動き:

火曜日の米国株は主要三指数揃って上昇しました。
NASDAQ総合は3月末につけて過去最高値を更新
NYダウ、S&P500も同時期につけた過去最高値に接近しています。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)

-- ①PPIは瞬間的に上で反応するも…… --

今週の米国株市場での注目は物価指標の発表と小売売上高、小売企業決算などとなっています。

物価指標に関しては昨晩のPPI(卸売物価指数)と今晩のCPI(消費者物価指数)が注目点。

そのPPIについて、前年同月比の内容は市場予想通りとなりました。

取り消し線は改定前、ここでのコアは"less foods and energy"

前月比の上振れがアルゴリズム取引に反応したのか、発表直後は米長期金利上昇、株価先物の下落などの反応を示しました。
しかし前回の内容の大幅な下方修正などを無視した受け止めであったためかすぐに戻し、結果としてその後の米長期金利は下落、株価は上昇📌となっています。

今年に入ってから毎月末に発表されるPCE物価の内容を(先行性の高いCPIだけでなく)きちんと気にする傾向がありますが、そのPCE物価の算出に使われる項目の中では航空運賃と医療費が低下、ポートフォリオ管理サービス費が上昇となってまちまち。

こうした内容が特段一方的に強さや弱さを示すわけではないものとなって、警戒心が増すようなことにはならなかったようです。

-- ②いくつかのパウエル議長発言 --

昨晩はパウエルFRB議長がアムステルダムで開かれたパネル討論会に参加。
そこでの発言内容が注目されました。

今回のPPIについての言及もあり、

「I wouldn’t call it hot. I would call it sort of mixed.
(加熱しているというものではなく、強弱の混じった内容とみている)」

との見解もありました。
忍耐強く現在の高金利水準を維持する必要があるとしており、現在の政策金利が制約的かどうか(中立金利が想像より高くないかどうか)について、確信を得ているような言い方ではありませんでした。

直近の発言のトーンから大きく変化したとは思わないものの、やはり1-3月に聞かれた議長発言よりはタカ派的になっていることは実感させられるものでしたが、既に織り込んだものと認識しているのか、米長期金利は低下の方向で進み続けました。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中8業種上昇となりました。

情報技術セクターではビッグテックが軒並み上昇。
特に半導体関連はまとめて広く買われており、情報技術セクターが堅調。
AI関連に関してはChatGPTを手掛けるOpen AIが新モデルのGPT-4oを開発したことを発表、GoogleもGeminiのアップデートが発表されるなど、AIの改良が進んでいます。
米長期金利の低下もあってか不動産セクターも好調でした。

生活必需品はまちまちで指数は下落。
セクターとしては一般消費財セクターになりますが、決算発表のあったHome Depotは小幅安。今晩は小売売上高の発表、明日はWalmartの決算が控えています。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
小型株指数のラッセル2000は続伸。
米長期金利は低下方向に進みました。

-- 欧州株 --
欧州株はSTOXX600が7日続伸。
各国の株価指数は全体的に小動き。

-- 為替(ドル円) --
ドル円は方向感を出さず。
夕方からの156円半ばの水準から大きくは動かず。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①決算の受け止め
②水準への意識

の2つを挙げます。

日本は決算発表最終日。今日の大引けもまだ決算発表が大量に残されていますが、明日以降は数件程度になります。
過去最高値を再び更新する方向感となっている欧米株とは違う状況になっている日本にとって、まずは上値の重さにも繋がっていそうな日経平均株価の25日移動平均、75日移動平均の水準である38,500円を超えられるかを気にしたいところ。

またMSCIのリバランスの内容が公表され、日本の銘柄も多く除外されているため、対象となった銘柄は今後の需給に注意。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目は小売売上高とCPI(消費者物価指数)の発表。
当然CPIは物価指標として大きな注目を集めるでしょうし、小売売上高は物価と景気とのバランスがどう捉えられるのかに注意。


今朝の注目ニュース

トランプ氏の過去の対応が不十分だったと批判するなど、国内経済や競争力よりも大統領選をかなり意識していると感じる一手。
米中の貿易摩擦が強まる可能性があり、今後の影響を気にしておきたいところ。
また、エスカレートして対中政策の範囲が広がっていくことにも警戒しておくべきかもしれない。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 39,558.11 ( +0.32% )
S&P 500 : 5,246.68 ( +0.48% )
NASDAQ: 16,511.18 ( +0.75% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/22 (水): FOMC議事要旨公表
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/23 (木): 欧米5月PMI 速報値
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 日本5月東京都区部消費者物価指数 速報値
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

2024年6月第1週
06/03 (月): 米5月ISM製造業景気指数
06/04 (火): 4月JOLTS雇用動態調査
06/05 (水): 日本4月分毎月勤労統計調査 速報
06/05 (水): 米5月ADP雇用統計
06/05 (水): 米5月ISM非製造業景気指数
06/06 (木): ECB理事会
06/07 (金): 日本4月分家計調査
06/07 (金): 米5月雇用統計

2024年6月第2週(メジャーSQ週)
06/10 (月): 景気ウォッチャー調査 5月調査
06/11 (火): FOMC(~06/12 日本時間13日早朝にパウエル議長会見予定) 
06/12 (水): 米5月消費者物価指数
06/13 (木): 米5月卸売物価指数
06/13 (木): 日銀金融政策決定会合(~06/14 14日に会見予定)
06/14 (金): 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年6月第3週
06/18 (火): 米5月小売売上高
06/18 (火): 米5月鉱工業生産
06/19 (水): ジューンティーンスデー 米休場
06/20 (木): 米5月住宅着工件数
06/20 (木): 米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
06/20 (木): 英国金融政策委員会
06/21 (金): 日本5月全国消費者物価指数
06/21 (金): 米5月中古住宅販売件数

2024年6月第4週
06/25 (火): 米6月消費者信頼感指数
06/26 (水): 米5月新築住宅販売件数
06/26 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
06/27 (木): 米5月耐久財受注 速報値
06/27 (木): 米実質GDP(確報値) Q1
06/28 (金): 日本6月東京都区部消費者物価指数 速報値
06/28 (金): 米5月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?