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24/09/17 (火)「大幅利下げ期待再拡大」寄り前情報

要点まとめ

  • 金曜日の市場では欧米の報道を受けてFOMCでの大幅利下げ期待再拡大

  • 週明けも全体的に堅調となり、NYダウは約2週間ぶりの過去最高値更新

  • 一方、半導体株の反落やAppleの下落もあってNASDAQ総合は反落

  • 為替は日本の祝日中に一時139円半ばまで円高も、その後は円安方向に


大幅利下げ期待再拡大

米国株主要三指数の値動き:

金曜日の米国株市場、及び月曜日の米国株市場は堅調
今日から開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)において、0.50%利下げという大幅利下げをおこなう期待が再拡大したことを受け、株価は堅調に。
ただし、月曜日の相場では一部のハイテク株の軟調さもあってNASDAQ総合は反落。一方でNYダウは過去最高値を更新しています。

前日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。

-- ①金曜日の米国市場 --

(前日挙げた注目点:揺れる大幅利下げ期待)

先週金曜日の米国株市場では主要三指数(NYダウ・S&P500・NASDAQ総合)が揃って上昇しました。

Financial TimesやWall Street Journalがともに今週開催されるFOMCにおいて利下げ幅を通常の2倍である0.50%の大幅利下げとなる可能性について捨てきれていないような報道をしたことで、その思惑が再浮上
先週はCPI(消費者物価指数)が概ね市場予想通りで特段大きな鈍化を示したわけではなく、むしろ前月比のコア指数は予想を上回ってもいたため、一旦は0.25%の利下げに落ち着くだろうとする動きが強まっていました。

また、ミシガン大の統計では消費者信頼感指数の強さの一方、1年期待インフレ率は予想を下回り、前回確報値からも鈍化。
5年先期待インフレの強さから長期的な根強さは気になるものの、景気に関しては過度な警戒感を感じさせない内容となりました。

そんな中で金曜日の米国株ではS&P500のセクター別では11業種すべて上昇。
中でも全体の株価の堅調さに加えて金利低下期待を強めたことで、小型株指数のラッセル2000は大きく上昇していました。

-- ②月曜日の米国市場 --

月曜日の市場では全体的な堅調さは維持されたままでしたが、主要指数は個別銘柄の影響を受けてまちまち

まず、NASDAQ総合は反落。金曜日ではフィラデルフィア半導体指数(SOX)も1.6%上昇となり全体相場の堅調さの流れにのっていたものの、未だに安定せずNVIDIA、BroadcomなどSOXの寄与度の大きいところの反落が目立ち、これがハイテク株比率の高いNASDAQの押し下げ役にもなりました。
Morgan Stanleyによる目標株価引き下げと、メモリチップの需要の勢いに悲観的なレポートが出されたMicron Technologyの下げも大きかったりと、半導体株は軟調。
また、Appleに関しては新型iPhoneである『iPhone 16』の初期需要が昨年のモデルよりも弱いというアナリストレポートが出されたことなどを重しに株価が2.7%下落し、これもNASDAQ総合の重しとなりました。

一方、こうした個別材料とは別に全体相場は堅調
また、他の半導体株の軟調さとは別に、IntelはBloombergの報道で国防総省向けの半導体製造のために35億ドルを獲得との報道が週末に出されており、これが材料視。
Intelは取引終了後もAWSとの提携拡大を発表したという材料を受け、時間外取引で急騰しています。

NYダウは8月30日につけた過去最高値を約2週間ぶりに更新し、S&P500も7月16日の過去最高値に8月末以来の近さまで接近しています。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数はこのようになりました。
金曜日の米国市場では全業種が揃って上昇。

一方で昨晩は情報技術と一般消費財が反落。
情報技術セクターではAppleと半導体株の下落が大きく寄与。
Oracleの上昇などソフトウェア関連では堅調さがみられたほか、上述のようにIntelの堅調さもありましたが、指数寄与度の関係で時価総額の大きいところの下げに引っ張られています。
一般消費財セクターではAmazon、Teslaの下げが寄与。
ただしこちらも他の消費関連は堅調なものが多く、こちらも指数寄与度の高いこの2社が重し

その他の主な動き:

-- その他指数 --

小型株指数のラッセル2000は金曜日に大きく上昇、昨晩も取引序盤で下げる場面がありながらも終値では続伸し、4日続伸。

米長期金利(10年物国債利回り)は金曜日の報道を受けた流れを昨晩も継続し、下落の流れ。
上述のように、FTやWSJの報道のほか、NY連銀のダドリー前総裁が0.50%利下げの必要性を繰り返し主張していることも注目されています。

-- 欧州株 --

金曜日のSTOXX600は0.7%高。
月曜日の欧州株はまちまちとなり、STOXX600は0.17%安と小幅安になりました。

-- 為替(ドル円) --

ドル円は日本の祝日というボラティリティの高まりやすいタイミングを付く形で一時140円割れとなり、139円半ばまで円高方向に進みました。
しかしさすがにそこからは戻していき、一転して140円後半。
金曜日の株式市場大引けの時間帯とそこまで変わらない水準で朝を迎えています。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
米利下げ期待の捉え方
を挙げます。

今日から開催されるFOMCに加え、木曜~金曜日には日銀会合。
特に今回のFOMCは利下げ幅をどうするかという点が不透明であるため、かなり注目度の高いイベントとなっています。
日本としては捉え方が難しいイベントになっています。
利下げペースが早い場合のドル安円高への影響が気になる一方、大幅利下げ期待が思惑通りにいかなかった場合の米国株の反応も怖いという状態。
円安メリットを大きく受けるようなセクターと距離が遠いところもチェックするなど、セクターの見極めが特に重要な相場が続きそうです。

今日に関してはドル円の日中の動きが気になります。
0.50%利下げの思惑再拡大は金曜日時点でみられていたため、為替水準が金曜日の大引け時とあまり変わらないのは大きな違和感のあることではないかもしれません。
ただ、「進み過ぎた円高の動きが日中に円安方向に戻す展開」であれば日中の株価指数の支えになることが多いのに対し、今日は"夜間にかなりのペースで円安方向に戻す展開をみせたあと"ということになりますので、日中に再び円高方向に動いたりするような変動の激しい動きがあった場合には株式市場としても注意

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目は小売売上高
消費動向は底堅いというのが米国景気の支えの一つであるため、この内容が弱いのは相場にとっても重しになりやすいところ。
雇用や物価指数と違って実際の判断材料にされるとはあまり思えませんが、今日から開催されるFOMCの利下げ判断への"思惑"としても影響しそうなため、株価・為替の反応を見るうえでは重要な経済指標となります。


今日の小言

(相場に関係ある話・ない話をテキトーにつぶやく場)

利下げ期待の進み方が大きく、安心してみていられるFOMCではあまり無くなってきた印象。
つまり週末にまとめるべき内容も多いということ!
ちょっと憂鬱な連休明け。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 41,622.08 ( +0.55% )
S&P 500 : 5,633.09 ( +0.12% )
NASDAQ: 17,592.12 ( -0.52% )

※金曜日の終値
Dow 30 : 41,393.78 ( +0.72% )
S&P 500 : 5,626.02 ( +0.54% )
NASDAQ: 17,683.97 ( +0.65% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年9月第3週
09/17 (火): 米8月小売売上高
09/17 (火): 米8月鉱工業生産
09/17 (火): FOMC(~09/18 日本時間19日早朝にパウエル議長会見予定) 
09/18 (水): 米8月住宅着工件数
09/19 (木): 米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
09/19 (木): 米8月中古住宅販売件数
09/19 (木): 英国金融政策委員会
09/19 (木): 日銀金融政策決定会合(~09/20 20日に会見予定)
09/20 (金): 日本8月全国消費者物価指数

2024年9月第4週
09/23 (月): 秋分の日 振替 日本休場
09/23 (月): 欧米9月PMI 速報値
09/24 (火): 米9月消費者信頼感指数
09/25 (水): 米8月新築住宅販売件数
09/26 (木): 米8月耐久財受注 速報値
09/26 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
09/26 (木): 米実質GDP(確報値) Q2
09/27 (金): 米8月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
09/27 (金): 日本9月東京都区部消費者物価指数 速報値
09/27 (金): 自民党総裁選挙 投開票日

2024年9月第5週/10月第1週
10/01 (火): 日銀短観 9月調査 概要及び要旨
10/02 (水): 米9月ADP雇用統計
10/03 (木): 米9月ISM非製造業景気指数
10/04 (金): 米9月雇用統計

2024年10月第2週(SQ週)
10/07 (月): 日銀公表 8月消費活動指数
10/08 (火): 景気ウォッチャー調査 9月調査
10/08 (火): 日本8月分毎月勤労統計調査 速報
10/08 (火): 日本8月分家計調査
10/09 (水): FOMC議事要旨公表
10/10 (木): 米9月消費者物価指数
10/11 (金): 米10月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
10/11 (金): 米9月卸売物価指数

2024年10月第3週
10/14 (月): スポーツの日 日本休場
10/17 (木): 米9月小売売上高
10/17 (木): 米9月鉱工業生産
10/17 (木): 米10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
10/17 (木): ECB理事会
10/18 (金): 日本9月全国消費者物価指数
10/18 (金): 米9月住宅着工件数

2024年10月第4週
10/23 (水): 米9月中古住宅販売件数
10/23 (水): ベージュブック公表
10/24 (木): 米9月新築住宅販売件数
10/25 (金): 米9月耐久財受注 速報値
10/25 (金): 日本10月東京都区部消費者物価指数 速報値

2024年10月第5週/11月第1週
10/29 (火): 9月JOLTS雇用動態調査
10/29 (火): 配当・株主優待 権利付き最終日
10/29 (火): 米10月消費者信頼感指数
10/30 (水): 米10月ADP雇用統計
10/30 (水): 日銀金融政策決定会合(~10/31 31日に会見予定)
10/30 (水): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)
10/30 (水): 米実質GDP(速報値) Q3
10/30 (水): 米財務省 国債の四半期の定例入札予定発表
10/31 (木): 米9月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
10/31 (木): 米雇用コスト指数 3Q
11/01 (金): 米10月ISM製造業景気指数
11/01 (金): 米10月雇用統計

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