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17.そして一人旅が始まる ーイラン編4~必死で脱出

心が折れて日本に帰るにしろ、旅を続けるにしろ
パキスタンに行ってトラベラーズチェックを再発行して貰わないと
話が先に進まないので
最短時間でイランを回る事にして
イスファハンからマシュハドにあるイマーム・レザー廟へ
深夜のバスでホテル代を浮かして向かう。

イマーム・レザー廟はイスラム教シーア派の聖地で
訪れる人達の熱気が凄い。
イマーム・レザーのお墓に縋り付いて
泣きながらお参りしている人達を見ると
イスラム教徒でない自分でも感動する。

アルゲ・バム

そして、次の日はバスを乗り継いて
「アルゲ・バム」で世界遺産に登録されているバムへ。
砂と粘土、わらなどの天然素材で作られた城は
壮大なスケールだった。
よっぽど雨が降らないのか16世紀に建設されたものが
よく残っているな、と感動。
あいにく2003年に地震の被害にあって壊れてしまっている
場所があるみたいで一刻も早い復興を願ってます。

結局7日くらいでイランを通過して
無事パキスタンに入国。
AMEXがあるカラチに向かい、無事トラベラーズチェックを
再発行して貰う。

これで、ほっと一息。
パキスタンでやっと日本人旅行者に会って日本語の
会話にほっとする。

しかし、僕と言えば全部荷物が無くなった為
イランで買った変なヨロヨロのバックと
必要最低限のものしか持って旅していないので
勿論、好奇の目にさらされて質問攻めにあう。

自分の体験談を話す度に辛い体験が蘇って
傷口を開かされるし
荷物を盗られた間抜けなザコい旅人と思われるのも
苦痛だった。

可愛そうに思ったのか?日本人の旅行者が
大切に持ってきた日本の米とレトルトのボンカレーを
御馳走してくれた時
懐かしい味に心の緊張がほぐれたのか?
涙がぽろぽろ溢れ、手が震えた自分をみて
精神的に大分追い詰められて自律神経が乱れていて
危ない状態にあるな、と感じた。

こんなにボロボロになって旅を続けて
何の意味が有るのだろうか?
すっかり意義を見出せなくなってしまっていた。

旅を続けて人に会うことが苦行になってしまっていた。



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