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6月第3週の日経平均:FOMCと日本銀行の決定、そして閑散相場の行方

6月第3週の日経平均株価は、週間で130.63円高(+0.34%)の38,814.56円と小幅ながらも上昇。
しかし売買代金が4兆円を割り込む日が続き、相場は狭いレンジ内での推移が目立ちました。
今回はFOMCの影響、日本銀行の金融政策、投資主体別の売買動向、米国株式市場の影響、SQ値の動向、そして今後の見通しについて詳しく掘り下げていきます。


FOMCと米経済指標の影響

最大の注目イベントは、米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)。以下のポイントが特に注目されました。

政策金利の据え置き:市場の予想通り、FOMCは政策金利の据え置きを発表。
2024年の金利引き下げ見通しの修正:2024年の金利引き下げ見通しが3回から1回に修正。
これにより、米国の金利政策がタイトであることが改めて確認されました。
5月の米消費者物価指数(CPI):FOMC直前に発表された5月のCPIが市場予想を下回り、米長期金利が一時下落。しかし、FOMC後には再び上昇しました。

これらの結果、為替市場ではドルが買い戻され、1ドル=156円後半となり、日本株への影響は限定的となりました。

日本銀行の金融政策決定会合

週末に行われた日本銀行の金融政策決定会合でも、重要な発表がありました。

国債買い入れ減額の方針決定:具体的な金額やスケジュールは次回7月の会合に持ち越されましたが、段階的な国債買い入れ減額を発表。
市場の反応:市場では1兆円程度の段階的な国債買い入れ減額が予想されていたため、「ハト派」的な決定と受け取られました。
この影響で、為替は1ドル=158円台まで円安が進行。

日経平均株価はこの発表を受け、一時39,000円台を回復する場面もありましたが買いが一巡した後は失速し、39,000円台に定着することはありませんでした。

投資主体別売買動向

6月第1週の投資主体別売買動向は以下の通りです。

外国人投資家:現物を1,941億円、TOPIX先物を1,367億円、225先物を59億円売り越し、合計3,367億円の売り越しとなりました。
外国人投資家の売り越しが続いていることが日経平均の上昇を抑制する要因の一つとなっています。
個人投資家:現物を2,811億円買い越し、合計で3,538億円の買い越しとなりました。個人投資家の買いが市場を支えていることが分かります。
信託:現物を1,250億円売り越しました。

米国株式市場の影響とSQ値

6月14日の米国株式市場はまちまちの動きでした。

ダウ平均:前日比57.94ドル安(-0.15%)の38,589.16ドル。
ナスダック:21.32ポイント高(+0.12%)の17,688.88。
S&P500:2.14ポイント安(-0.04%)の5,431.60。
また14日の寄付きで算出された6月限先物・オプション特別清算指数(SQ値)は38,535.35円となり、日経平均の安値が38,554.75円と一度もSQ値を下回らなかったため、「幻のSQ値」となりました。
幻のSQ値は珍しいことではありませんが、心理的には多少ポジティブな要因となり得ます。

薄商いの状況と今後の見通し

6月第3週の日経平均は、25日移動平均線の38,700円水準と75日移動平均線の39,000円水準を中心とした狭いレンジ内で推移。
週間ベースでの上下レンジは781円に留まり、週末こそSQ値算出に絡んだ売買が活発になりましたが、7日から13日までの5営業日連続で4兆円割れの薄商いが続きました。

市場の格言「閑散に売り無し」の通り、売買が少ない中での市場は安定していますが、海外投資家が様子見姿勢を強めているため、日経平均の方向感は乏しい状況が続いています。
ナスダックやS&P500が連日で史上最高値を更新する一方で、日本市場はやや出遅れ感が否めません。

スタンダード市場とグロース市場の動向

一方で、スタンダード市場やグロース市場では個人投資家による中小型株への資金流入が見られました。

スタンダード市場:名村造船所<7014>や伊勢化学工業<4107>が注目を集めています。
グロース市場:カバー<5253>やクオリプス<4894>が個人投資家の間で人気です。
大型株が動かない中、中小型株が注目される「夏枯れ相場」となっており、来週もこの傾向が続くと予想されます。

まとめと今後の見通し

6月第3週の日経平均は、狭いレンジ内での推移と薄商いが続く中での小幅な上昇となりました。
米国のFOMCや日本銀行の金融政策決定会合が市場に与える影響が限定的であったこと、そして海外投資家の様子見姿勢が続いていることが背景にあります。
スタンダード市場やグロース市場の中小型株への個人投資家の資金流入が見られる中、大型株が動かない「夏枯れ相場」が続くことが予想されます。

来週も日経平均の動向や市場のトレンドを注視しながら、皆さんの投資戦略に役立ててください。

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