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コーヒー相場(2022.04.01)


昨年2020年11月頃より価格高騰がはじまったアラビカコーヒーですが、現在も非常に高価格帯にて推移しており、まだ相場下落の動きが見えておりません。

相場価格上昇の背景は?

当初はブラジル2021年度産コーヒーが裏作にあたり、雨量が少なかったことから生産量が減産するのでは?という懸念から2020年11月頃より徐々に相場高騰が始まりました。2021年4月から収穫が始まり、収穫量の見込みや品質といった面から相場価格はさらに上昇していきます。

2021年7月末ブラジルでの霜害発生

この相場高騰にさらなる拍車をかけることとなったのが、ブラジルにおける「霜害」と呼ばれる恐ろしい事態です。

こちらの記事に衛星写真から見た霜害発生前と霜害発生後の比較写真があるのですが、明らかに産地の色が変色しています。これは産地が冷え込み、霜が降りたことによって、地表が凍結し、コーヒーの樹も凍結したことによって樹が枯れたために茶色く見えています。この霜害によってコーヒー相場価格はさらなる価格上昇が始まります。

産地以外の高騰要因

これまでのコーヒー価格の高騰要因は産地での減産によるものがほとんどでしたが、今回これまでと違うのはコーヒーの生産以外の点が価格高騰の要因になっていることです。

輸送遅延
コーヒーの流通の大半は船で産地から1~2か月ほどかけて輸送されるのですが、コロナの影響があり人手不足といった問題、世界的な流通遅延によってコーヒーを運ぶための「コンテナ」が港に無いという状態になりました。

これは通常時のコロンビアの港です

通常は上図のように大量にコンテナが積まれている港ですが、輸送手配をかけても船が無い!そもそも商品をいれるコンテナが無い!という状態になりました。現在では解消されつつあるようですが、輸送が遅延すると供給が間に合わなくなり商品価値が上がるので、在庫を持っている人たちは高値で販売します。これも高騰要因です。

エチオピアの内紛問題

コーヒー相場価格が2020年11月頃から徐々に高騰し始めるなか、同じ時期にエチオピアにて政府とTPLFというティグレ人民解放戦線との内紛が発生しました。紛争地域はエチオピアの北部にあたり、コーヒーの生産を行う南部とは関係はないのですが、輸送遅延、収穫や精選を行う人員不足からエチオピアの2021年度CROPの値上がり懸念があることも価格高騰の一部要因です。2022年4月1日の時点では流通こそ遅延しているものの、この6月にはエチオピアのニュークロップが日本に届くようです。しかしながら価格は昨年度の1.5倍程となっており、本年度の同国産のコーヒーはかなり値上がりすると思われます。

で・・・コーヒーの価格はいつ下がるの??

過去に私はこういったコーヒー相場価格の急騰を4回ほど体験していますが、相場高騰の理由に関わらず、相場が落ち着くには1年半ぐらいの時間を要する感覚があります。相場高騰開始が2020年の11月とすると、この6月ぐらいから下がるというあま~い考えなのですが、これまでと違うのは生産国でのコーヒー消費が増加していること(他国に輸出するよりも自国でカフェ作って消費したほうが美味しいし、儲かるじゃん!)、アジアでの消費量が年率1~2%ほど増加していることから需要と供給のバランスが合わなくなっているのです。温暖化の問題もあり相場が下がったとしてもコーヒーの価格がもとに戻るのかもわからない状態です。

さらにはここ数カ月でかなり円安傾向にシフトしており、コーヒーの価格はさらなる値上がりを見せております。政情不安からリスクを恐れたトレーダー達は利益確定の販売を行った為、コーヒーの相場価格は少し下がりましたが、この下落分を吸収、上回るほどの円安傾向にあるため実際の仕入れ価格はあまり下がっていません。

小麦も値上げ、牛乳も値上げ、コーヒーも値上げとなり喫茶店・カフェ業界は非常に厳しい状況です。。頑張りましょう!

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