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コーヒーの理想的な保存方法とは?

水分含有量が低く、ものすごく吸湿・吸着しやすい食品であるコーヒー。保存は「冷蔵庫?」それとも「冷凍庫?」とよく聞かれることがあるコーヒーの保存方法に関して自論も含めて説明させて頂きたいと思います。

保存方法が悪いとどうなる?

コーヒーの保存方法が悪いと、「酸っぱくなる」「香りだちが悪くなる」「注湯時の膨らみが少なくなる」、「味わいが弱くなる」などなど味わいの面でマイナスの要素が発生いたします。これまでコーヒー製品に関するクレームを200件近く対応してきましたが、「保存方法が良くない」という理由によるクレームも少なくないので、コーヒーを美味しく飲むうえで重要な要素だと考えております。

コーヒーの品質を変える要因

コーヒーは焙煎してから2、3日は炭酸ガスを少しづつ放出し続けるためにバリアをはっているような状態にあるのですが、それ以降は様々な影響を受けて徐々に劣化し始めます。劣化する要因は「水分」「酸素」「温度」「光」といったものが挙げられ、これらの要因を排除した保存が望ましいです。また、豆で保存するのか、粉で保存するのかも非常に大きな要因であり、粉商品は豆商品に比べて表面積が非常に大きくなるため劣化のスピードも速くなりますので、可能なら豆で購入して都度粉砕するというのが理想的ですね。(この手間が面倒で粉で購入される方が70%程だと思いますけど・・・笑)各要素についてもう少し細かく述べていきたいと思います。

水分

コーヒーに含まれる水分は3%程度で相対湿度が非常に低いために非常に吸湿しやすい性質にありますので、乾燥した状態での保存が望ましいです。一般的な包材はポリエチレンやポロプロピレンですが、水分を100%シャットアウトするわけではなく、一定量透過させます。購入したコーヒーがしっかり封止されているにも関わらず香りを感じることはないでしょうか?これは密閉されていても分子が包材材質を突き抜けてしまうためです。購入した商品包材のまま保管するより、缶などのより機密性の高いものに移しかえるのが良いと思います。

酸素

スーパー等で購入するコーヒー商品は袋にコーヒーを充填する際に、窒素ガスを吹き付け酸素を追い出した状態にするため、包材内の含有酸素濃度が非常に低い状態になっています。(メーカーにもよりますが1%以下。なかには0.2%以下等の設定にしているメーカーもあります。)これを開封すると20%の酸素濃度にさらされるわけですが、酸素濃度が0%から1%に変わるだけでも劣化のスピードは10倍ほどになるようです。5%以上になれば劣化速度は大差ないようなのですが、なるべく開封後は容器や包材内の酸素を追い出した状態での保存が望ましいです。しかしながら、袋内の空気を追い出しても酸素濃度は一気に高まるため家庭での対策は難しいため、素早く取り出す!開封後はすぐ使い切る!という対策しかできないですね・・。

温度・光

水分や酸素に比べると影響は小さいとされていますが、温度が10度あがると反応速度は2倍近くになり、照らされている状態と暗所で保管した状態だと2倍の影響があるので、冷暗所で保管することが望ましいですね。

まとめ

以上が劣化の要因になり、結論としては「冷暗所で密閉された容器で保管」が一番の保存方法だと思います。容器は光を通さない缶容器などがおすすめです。ただし!冷蔵庫で保管する場合は粉が冷え切っていますので、抽出する際は常温にもどしてから使用してください。粉が冷えている状態だと、成分をお湯に移行する準備ができないまま抽出が完了してしまう為、本来の味わいが引き出せません。冷凍庫から出すときはより常温に戻すのに時間がかかるので、注意が必要です(これもクレームの要因として結構あります!)また、冷凍庫から取り出す際は冷え切っていた分、温度変化による吸湿スピードも速いため、注意が必要です。

毎日のようにコーヒーを飲むのであれば、冷蔵庫で密閉された容器で保管し、抽出時には常温に戻してから抽出すれば十分だと思います。あまり大量購入せず、必要な分だけ購入し消化していくというのが美味しく飲用できるヒケツだと思います!





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