コーヒー相場情報 相場高×円安による価格高騰
以前より、コーヒー相場が高騰したことによる価格高騰について記載してきましたが、今回はコーヒーだけではなく円安も相まって価格がさらに高騰しているというお話です。
おさらい
コーヒー相場が高騰している理由に関しては過去の記事の通りではありますが、2021年1月より「今年のブラジルは裏作だし、開花状況良くないからあんまり生産量伸びないかも・・・」という懸念をもとに徐々に相場高騰が始まりました。
2021年7月末にはブラジルの一部産地にて「霜害」と呼ばれる地表が凍結し、コーヒーの樹も凍結してしまうという災害が発生し、当年の生産量減少と、来年度(2022年度/表作)同エリアでの生産が見込めないという懸念から相場は一気に高騰。
2021年9月にはエチオピア内紛問題から、例年5~6月に輸入されるエチオピアコーヒーが「来年はもしかしたらエチオピア仕入れることができないんじゃ?」という懸念からエチオピアコーヒーの争奪戦が始まり、私の感覚では通常取引の倍近い値段で取引されるようになっています。
2021年10月からはコロナによる流通遅延、コンテナ不足、人員不足といった問題や、認証在庫減少(世界的な在庫数が需要においついていない!)という状況からコーヒー相場はさらなる高騰となり、かなりの高価格帯で停滞。
2022年3月からは、ブラジルでの好天情報や、ウクライナ侵攻によってコーヒー需要が減るのではという問題点から相場が下がりましたが、この相場下落による価格変化にストップをかけているのが「円安」です。
円安による値上がり
アラビカコーヒー価格の計算方法をザックリ申し上げますと、
コーヒー価格(¢/lb)÷ドル換算(100)×為替(円/$)÷キロ換算(0.45359)
となります。
相場価格が現在(2022.05.02)と同じだった2021年11月8日と比較してみます。2021年11月8日時点の為替は113円/$でしたので、上記の計算にあてはめると、「¥551/kg」となるのですが、
円安が進む現在5/2の130円/$にて算出すると、「¥633/kg」となります。
kgあたり83円もの差が発生し、単純計算で円安が1円進むとアラビカコーヒーの価格が¥5/kgあがることとなります。このようにコーヒー価格は相場価格と円/ドルの為替で計算することができるのですが、相場価格の高騰と円安が進んでいる現在は非常に高値でコーヒーが取引されています。
いつ価格が下がるの?
相場価格の高騰と円安が重なることは私の20年近くのコーヒー経歴の中でも珍しく、正直なところ全く先読みができない状況です。下がるとすればブラジルでの霜害懸念が終わる8月末頃かなと考えておりますが、昨今の流通遅延や、円安傾向、需要と供給のバランスといった様々な問題がありますので、向こう半年から1年ほどは価格が下がらないのでは・・・と考えております。
コーヒーの価格が高くなっている!と思う消費者様や、コーヒーの販売を行う私のような焙煎業者や自家焙煎店のオーナー様は非常にアタマのイターイ時期ですが、何とかクオリティを崩さずに商品提供できるようはげみます!