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[子育てx科学] 子育て視点で読む「パパは脳研究者」

「パパは脳研究者」を読んで脳科学の知見を子育てに活かしたい!という視点から本の要点を纏めた。
結論として大事なことは、【子供にアウトプットさせること】【まず自分で考えさせること】【子どもに多様な「よい経験をさせる」こと】。

子育てで気になる事を脳科学的に解説されてるかなと期待して「パパは脳研究者」読んだ。以下知育観点で気になったポイントの備忘録↓

★この本の読み方の注意★
理系論文の読み方に慣れている人は大丈夫と思うけれど、この本は基本エッセイなので、第一子を育て中の方には成長と共に記されるtipsが興味深いかもだけど著者の「意見」も含むので読み方は注意かな。


【遺伝子群を持ってても適切な教育やトレーニング、積み重ね等の環境因子が大事。】
遺伝的影響が強い能力は読み書き、計算能力、絶対音感、外国語習得。ただし脳は足りない部分を補うよう最適化されるので心配しすぎは不要。 著者曰く遺伝子と環境の影響は半々。

記憶力が良い生き物ほど想像力がない傾向があり、記憶が曖昧=想像力の源泉。幼児が記憶力が優れている時期は、つまり想像力がまだ未熟。生きるうえでは想像で補う能力を強化させるため、正確でない"適当な"記憶力も重要。【想像力につながるための様々な体験】をさせるよう意識したい。

【積み木や立体パズル】は立体空間のイメージを必要とし、「想像、計画、実行、内省」のステップが必要で脳の成長に有効。著者曰くこれは「メンタルローテーション」という、頭の中で物体を回転させる能力。このとき大脳皮質の上頭頂小葉が働く、これが【立体思考】につながる部位。

立体思考は広い視野を持つことに重要、【水平思考と垂直思考】へつながる。 水平思考で応用を効かせ、垂直思考で掘り下げる。他人の気持ちを考える共感力にもつながる。自制心や自己修正も立体思考の恩恵。 「梨とリンゴは似てるね」「リンゴには芯があるけど梨は?」など会話で深めることも可能か。

【出力の機会を増やす】 脳科学的には読む聞くの入力より【話す書くの出力が重要】。勉強も、記憶訓練よりそれを【思い出したりテストを解く出力訓練】が大切。再読を繰り返すのは「わかった気がする」だけであまり意味ない。答え合わせは正解を見ることに頼るクセがついてしまう。
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出力の機会につなげるには、子供から聞かれたことの答えを直接教えるより【まず自分で考えさせる】が重要か。 また子育てで【子供に多様な経験】をさせ、違いがわかる能力を育む重要性。図鑑を見るだけでなく博物館に行く、川で遊ぶ、舞台を見る、など、幼児期でも神経回路に残る。

IQテストを考案したビネーは知能を論理力+言語力+熱意、と定義。特に【論理力を育む数学や物理】は子育てで軽視されがち。計算や図形の出る絵本を読むなど意識しても良さそう。 ちなみにIQは育ちに左右されない能力の数値化を目指したテストのため、そもそも遺伝的傾向強い。

赤ちゃんは、脳が発達中でエピソード記憶が上手くできないため経験を覚えていないが、それは表面上のこと。幼児の体験は、体感として無意識の神経回路に残り【直感力や反射力】を育むことにつながる。プロ棋士の閃きや目利きも経験に基づく反射。 大切なことは【子どもに「よい経験をさせる」こと】!



以上、2022年4月読了。ツイッターで備忘録したものをnoteにまとめた。

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なおこの本の内容に関連するが、他に池谷氏関連で面白かった記事はこちら。


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