見出し画像

僕が創りたかったものは?

ガンダムアーティファクトのサンダーボルト版ジムを買ってきて、コレめちゃくちゃカッコいいけど何色に塗ればいいんじゃ?となった。サンダーボルトのイラストを見たりもしたけどこの色で塗るのはつまらないなと感じてしまう。だってこんなに別物みたいにアレンジがされてあるんだからもっとそれに適したカラーリングがあるんじゃないだろうか。そう思って引っ張り出してきたのがWETA work shopのホームページ。

https://www.wetanz.com/

stuff we makeのページからイケてるデザインが見られる。これに載ってるエリジウムに出てきたロボのイラストを見ながら、塗装をしていくことにした。

とりあえず下地にシタデルのスプレーをバーっと吹いて、同じくシタデルの赤い塗料を塗っていく。wetaのイラストを眺めながら、どこを赤にするとカッコいいか考えながら塗っていくのはなんだかクリエイティブなことをしているみたいですごく気分がいい。

しかし、顔周りに差し掛かると困ってしまった。胸周りや顔があまりにも「ジム」なのだ。当たり前だ、ジムなのだから。でも、自分はwetaっぽくしようと思っているのに、これではただの赤いジムにしかならない。黒で塗りつぶしてみたり、あえてパネルラインを無視してみたりもするがなんだかしっくりこない。wetaデザインでもモビルスーツでもない中途半端なモノを作ってしまった気がして、これ以上いじくるのをやめることにした。

画像1

考えてみれば当たり前のことである。このジムはジムとしてデザインされたものである。アレンジが効きまくっているが破綻しないようにジムだとわかるようなポイントはしっかり作ってあるのだ。wetaもそうだ。デザインやカラーリングはこのプロダクトのために練りに練ってあるはずだ。カラーリングやメカデザインだけ拝借してきて、両者のイイところをうまく合体しようなんて言うのは虫のいい話なのだ。そもそも使われる媒体も違えばスケールも違うし用途も違う。何もかも違うものを何かSFっぽいからと合体させることは出来ないのだ。本当に両者のイイところをうまく持ってきて、イイものを作ろうとすれば、それはデザインを一から見直し、カラーリングを考え、説得力を持たせるために設定的な整合性を作らなければいけない。それはもはや自分のプロダクトと言っていいものになってしまうだろう。

人は創造できるものとできないものに分けられる──かもしれない。それでいけば自分は後者の方なのだろう。映画を観て、プラモを作って、それぞれのデザインを楽しみ、その箱庭の中でほんの少しのクリエイティビティを発揮しながら遊ぶ。あーエリジウムやチャッピーに出てきたロボが1/12でプラモにならないかなぁとか考えながら、自分の最強メカデザインを考えては、ウーン…と唸るしかない。いつか自分が創造できる側に回るまで、この苦悩は続いていく───

よければサポートお願いします。いただいたサポートでおいしいものを食べたいです。