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名作は良書なり(10月の読書)

ひさしぶりのnoteです。
読書の秋!ですが今月は割とのんびりと読みました。

今月読んだのは、
〇『若きウェルテルの悩み』ゲーテ
〇『回樹』斜線堂有紀
〇『アイリス』雛倉さりえ
〇『ここでは誰もが嘘をつく』嶋中潤
〇『梅雨物語』貴志祐介
〇『キッチン・セラピー』宇野碧
の6冊です。

名作は何度読んでも良し!

10月に読んだ中でも、やっぱり『若きウェルテルの悩み』は特別ですね。
ドイツの大文豪ゲーテの作品です。
初めて読んだのは高校生のころかな。
大学に入って読み返し、社会人になってからもずっと我が家の本棚にありました。
ざっくり言うと、画家の青年ウェルテルが、婚約者のいるシャルロッテという女性に恋をして、叶わぬ恋に思い悩む話です。

これねー。何回読んでもおもしろいし、読んだ年齢によって毎回、感じ方が少しずつ変化していくんですよね。
あまり思春期に読むと、気持ちが持っていかれるから危険かもしんないけど。
実際に出版された当初は、ドイツで社会現象になって問題視されていた作品みたいですし。

医療刑務所という縁のない世界のおもしろさ

おもしろかったというか、興味深かったのは、嶋中潤さんの、『ここでは誰もが噓をつく』ですね。
医療刑務所の矯正医官を主人公にした話です。
刑務所のお医者さんの話ですね。
ただ、刑務所といっても、医療刑務所。
病気やらなんやらで、通常の刑務所で生活できない人たちが集まってくるわけだからそりゃ大変!
高齢化もかなり進んでいて、透析の患者も順番待ち状態。
しかも、刑務所だから、患者はみんな犯罪者なわけです。
殺人や大規模な詐欺をした人もいますし、患者もいろいろ。
毎日、お経をあげている受刑者もいれば、まったく反省していなくて、出所したら間違いなく再犯しそうな人もいる。
どんな人でも、治療しなくてはいけないから、そこに葛藤も生まれる。
読んでいてなんて難しい仕事なんだろうって思わされました。

斜線堂有紀さんのSFは新鮮

去年くらいからはまっている斜線堂有紀さん。
『愛じゃないならこれは何』とか、『君の地球が平らになりますように』みたいな恋愛もののイメージが強かったから、『回樹』はとても新鮮でした。
『回樹』も短編集ですがジャンルはSFになります。
表題作の「回樹」では、ある日、全長1kmにも及ぶ、人間が丸まって寝転がっているような物体が出現します。
焼こうにも傷つけようにも、一向に変化のないそれは、回樹と呼ばれ、研究を進めようにもまったく成果があがらない。
そんなある日、研究員の一人が回樹の上で心臓発作でなくなったことが発端で、回樹は、人の遺体を飲み込むこと、その遺体を愛していた人は回樹を愛するようになることが発覚します。
回樹が遺体を取り込むたびに、回樹を愛する人、守ろうとする人が増えていく。
やがて回樹を守る大きな勢力も生まれていきます。

もうね、発想がすごい。
よくこんなこと思いつくなって。
ほかの「不滅」にしても「BTTF葬送」にしても、どこからこういうことが出てくるのか気になります。
上記した恋愛小説のほうでも、ふつうと違った視点で書かれているから、ほかの作品もどんどん読みたくなっちゃいます。

今年はあと8冊読めば目標達成!

残りの3作品もいずれもおもしろく。
『アイリス』の雛倉さりえさんは、YouTubeで知ったんですよね。
この方自体が、小説を書く上でのアドバイスみたいな動画を挙げていて、それで興味が出て読んでみました。
貴志祐介さんは言わずとも有名な作家さんですね。
宇野碧さんは、『レペゼン母』でデビューした作家さんで、そちらがおもしろすぎて、二作目になる『キッチン・セラピー』も読んでみました。

今年も残すところ2か月で、順調に読書が進み、92冊までいきました。
11月、12月でとりあえず4冊ずつ読めばいいので、長めの小説に挑戦しようかな。
貴志祐介さんの『新世界より』をまだ読んでないんですよね。
でもあれって文庫で上・中・下ですけど、カウントするなら1冊なのか3冊なのか悩むところです。
仕事も年度末に向けて忙しくなりますが、読書も楽しみつつ、いい時間を過ごしたいです。

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