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まるで火星のようなサンフランシスコの暗い空。世界中で森林火災が相次ぐ

米カリフォルニア州で大規模な山火事が続く中、9月9日はサンフランシスコ市やその周辺に大量の煙が流れ込み、空が一日中、暗いオレンジ色に染まる現象が起こった。日光が遮られたため昼間も薄暗く、まるで火星のよう。

同州では8月半ば、落雷などによって山火事が多発し、現在も20を超える地域で大きな火災が続いている。焼失面積はすでに1万平方キロを超え、東京都の面積の5倍近くに及ぶ。

サンフランシスコ周辺は8月から煙による大気汚染が続いてきたが、9日は朝から市内全体が薄暗いままで、空がオレンジ色に染まった。南側に位置するパロアルト市などのシリコンバレー一帯も同様で、日中ずっと薄暗い状態が続いた。ただ、シリコンバレーでは煙に伴う大気汚染度合いの数値は、一時ほどひどくはなかった。

山火事に伴う犠牲者はこれまで8人に上り、焼失面積はここ数十年で最も大きいとの指摘も出ている。大規模な山火事は、オレゴン州やワシントン州でも続いており、米西海岸全体がこの問題に直面している状態だ。

世界の森で過去最悪の火災は温暖化だけが理由じゃない

2018年から2020年にかけて、世界各地で「過去最悪」とも呼ばれる森林火災が相次ぎました。地球温暖化が一因とも指摘されていますが、別の側面も見えてきました。オーストラリア、ブラジルのアマゾン、米カリフォルニアで何が起きているのか。

森林火災は世界で起こる深刻な問題です。特に現在は大規模化や長期化が世界各地で相次いでおり、大災害として森林火災が起こった国や地域の住民を悩ませています。

これは日本でも起こる災害です。森林火災はなぜ起こるのか、地球温暖化とどのような関係があるのか。

森林火災とは、山や森林で広範囲にわたって発生する火災のことを示しています。山火事や山林火災、林野火災とも呼ばれており、世界中で起こる災害です。

日本でも小さいものからやや規模の大きいものまで様々な森林火災が発生していますが、2013年から2017年までの5年間の平均で、1,386件出火し、779haもの面積が焼損しています。

これは毎日全国で4件の山火事が発生していることになり、約2ヘクタールの森林が焼失し、1,600万円の損害がでているのです。ひとたび燃え広がれば人の手では消火しきれない規模になることもあります。

森林火災の原因は自然発火と人為的原因の2つに分けることができますが、日本では人為的な原因割合が大きく、自然発火によるものは稀とされています。世界的に見れば、自然発火による森林火災が起こりやすい国や地域もあります。

自然発火による森林火災は、主な要因として乾燥が挙げられます。乾燥することによって落ち葉の水分が失われ、枯れ葉同士が摩擦をすることで火が起き、周りの枯れ葉や木々に燃え移ることで火災となるケースです。

元々森林火災を起こす要因ではありましたが、地球温暖化や気候変動によって、異常少雨が多くなり、干ばつや乾燥が起こりやすい状況になっています。

世界的に見ても、干ばつが起こっている地域では森林火災が起こりやすい傾向にあります。過去にもカナダやモンゴル、朝鮮半島で干ばつによる森林火災が確認されています。

一方で森林火災が起こる大半の原因は人為的な要因にあると言われています。農林水産省から発表された日本における原因別出火件数のデータでは、焚き火が約30%を占め、続いて火入れが約17%、放火が約10%、たばこが約6%となっています。

森林火災は火が草花や木々に燃え移り、周辺の植物を巻き込みながら勢いを増していきます。一度燃え出すと、様々なものを燃やして規模を拡大していくため、早期の鎮火が求められます。森林火災によって草木が燃えてしまえば、生態系だけでなく環境などにも影響を与えてしまいます。

樹木は光合成を行います。これは植物全般に言えることですが、光合成を行う際には二酸化炭素を吸収し、樹体内または土壌に貯留します。そのおかげで大気中の二酸化炭素の量が減少し、地球温暖化や気候変動の緩和につながります。

森林火災が起こることで二酸化炭素を吸収する役割を果たす植物が減少するばかりか、燃焼することで二酸化炭素を発生させてしまう原因にもなります。

大規模な森林火災や、森林火災の発生件数が多くなれば地球温暖化や気候変動が進行してしまうということです。

森林火災で発生した二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスや有害物質は大気を汚染し、干ばつや洪水といった自然災害を引き起こす要因にもなります。さらに森林火災が起こる可能性が高まるという悪循環に陥るのです。

森林生態系により多様な動植物の生息場所を提供する役割を果たすことで、森林は生物多様性の保全に役立っています。しかし森林火災が起これば、住む場所を奪われた動植物は他の場所へ住処を移さざるを得なくなります。

軽度の森林火災であれば、時間はかかるもののその場所に再び森林が回復し、生態系も戻るかもしれませんが、重度の森林火災となると環境の回復は絶望的になるという調査結果もあります。

森林は土壌の侵食や崩壊を防止し、水資源の涵養(自然にしみこませ養成すること)や洪水の抑制も行ってくれます。

森林火災により樹木が失われれば、この役割を果たせません。雨が降るとダイレクトに河川に流れ込み洪水が起きたり、雨が少ない時期に水が枯渇する恐れもあります。

樹木が根を張ることで土壌の侵食や崩壊を抑えていますが、木々が失われてしまい雨などで土壌が緩めば土砂災害が起こりやすくなります。

森林火災は日本を含め世界で起こる災害の1つです。日本では大規模なものは起きていないものの、森林火災の早期消火や対策が功を奏しているからであり、件数としては多いのが現状です。

世界で起きている大規模な森林火災が起これば、周辺地域に影響を与えるだけでなく、環境問題などを悪化させる原因にもなってしまいます。

例え小規模なものでも森林火災を起こさないために、私たちは取り組みは必要です。山や森林に入る場合は、森林火災に繋がる焚き火や火入れ、たばこの投げ捨てなどは行わないように注意しなければいけません。

焚火などを行うにしても火を使う場合は周りに燃えやすいものがないか確認し、火を扱っている間は目を離さず、使い終わったら確実に消すことが大切です。

また地球温暖化や気候変動も自然発火の原因となっているので、これらを抑えられるように二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量の削減など、環境問題に対しての取り組みも行う必要があります。

山や森林の近くに住んでいなくても、森林火災に関する知識と理解を深め、どのように行動して取り組むべきか考えるきっかけにんあれば嬉しいです。


読んでくれてありがとうございます! 頑張っているチームのみんなに夜食をご馳走しようと思います。