チームに所属している人達をどう呼ぶか?で変わる意識

私の所属している会社は株式会社コパイロツトという名前なのですが、7年ぐらい続く取り組みとしてGPKOCという抽象度を上げた週次の振り返りをしている(くわしくはコパイロツトブログ参照)。

その中でコパイロツトに所属している人達を総称して
「コパイロツトの皆さん」
と書いているメンバーがいた。

なんだろうこの大きな違和感。丁寧に書いているのだろうけど、極端な書き方をすると社外の人からの言葉っぽいと感じて距離感があるなと思った。

ということでこの違和感を解消すべく、同じチーム所属者の呼称について考えてみた。

考察の方向性とコパイロツトの現状

私は無駄にコパイロツトにヒエラルキーをつくるのが嫌なので、役員は定金だけであり、会社法上は代表取締役社長ではあるが「社長」と呼ばれるのがすごく嫌なので絶対にそう呼ばないようにしてもらっている(私をイジるときに意識的に使われているシーンはあるが)。そして私がコパイロツトに所属している人たちを「社員」と呼ばないのも同様の理由だ。契約関係でしかないイメ―ジがしてしまう。
ということで私はコパイロツト所属者さんたちを「メンバー」、社員ではない協力者・社さんを「パートナー」と呼んでいる(ここまで書いて思ったがクライアントさんのことを明確にどこに含めるかを考えていなかったことに気づいた)。
思ったより所属者をどう呼ぶか?を自分でも考えていたことがわかった。また、その時にふと思い出したのがローソンさんがアルバイトをクルーと呼ぶ文化だ。とても良い取り組みだなとおもって記憶に残っていた。
自分たちのプロジェクトのチーム所属者をどう呼ぶか?で自分たちのチーム・組織の目指す方向性がわかるのではないか、チーム所属者の関係性が大きく変わるきっかけになるのではないだろうか、と感じたので考察を深めることにする。

また、ここまで読んでいただいてわかっていただけるとおもうが、私はティール組織に総称される自律型の組織形態を目指しているので、その方向で有用な情報をピックアップしていきたいと思っている。

プロジェクトチーム所属者を総称してどう呼ぶか

とっかかりとしては、もっとも顧客接点が高く流動性の高い立場である「アルバイト」をどう呼ぶか?の調査である。そこにその会社のチームの考え方現れていると感じたので調べてみたところ、やはりアルバイトの呼称≒チームの仲間の総称となっていた。

ということで、定金が思う顧客体験を大事にしてそうだなとおもうアルバイトを採用していそうな会社をピックアップしてまとめた。呼称へのこだわりを感じるページを作っている企業の場合はリンクを貼った。

▼コンビニチェーン
ローソン:クルー
セイコーマート:パートナー
セブンイレブンファミマ・ポプラ:スタッフ

▼レジャー施設
ディズニーランド:キャスト
USJ・レゴランド:クルー
サンリオピューロランド・東京ドームシティ:アルバイト

▼コーヒーチェーン
スターバックス:パートナー(バリスタ)
タリーズ:フェロー(仲間)
ドトール:メンバー
椿屋珈琲店・アンナミラーズ:スタッフ

▼ハンバーガーチェーン
バーガーキング:チームメンバー
マクドナルド:クルー
モスバーガー・ウェンディーズ・ファーストキッチン・フレッシュネスバーガー:スタッフ

▼その他飲食店チェーン
丸亀製麺:パートナー
すかいらーく・サイゼリア・すき屋・コールドストーン:クルー
小諸そば・吉野家:パートさん・アルバイトさん(さん付け)
牛たんねぎし・デニーズ・びっくりドンキー・山田うどん・ゆで太郎:スタッフ
さわやか・一風堂・吉そば:アルバイト
松屋フーズ:バイト(スタッフ)

ディズニーランドがアルバイトを「キャスト」と呼ぶのは発明に近いぐらい素晴らしい取り組みだと感じる。自分自身がお客様に見られている=キャストであることを理解させており、とても機能的なネーミングだとおもう。
次点はスターバックスで「パートナー(バリスタ)」、バーガーキング「チームメンバー」だろうか。
ただ今回は、私の参考にするべく、ピックアップしただけである。業務の内容が簡単に想起でき、気軽に応募してきてほしいことをアピールしたいのでアルバイトという呼称を変えない、など様々な意図があると思われる。一概に一般的な呼称だと何かがよくない、というわけでは全くないことを付記する。

プロジェクトチーム所属者の個人をどう呼ぶか

チーム所属者の総称の次は、それぞれの所属者をどう呼ぶか?である。

軍隊であればヒエラルキーがきっちり存在する階級で呼ぶ、体制図がしっかり作られている大企業では役職で呼ぶ。それはやはり指揮命令系統が上から下へ流れる組織にとっては、人の名前よりも階級・役職が重要なのでその呼び方になるのだと考えられる。

では、その他のアプローチがないか考えてみた。
そういえば、コパイロツトで、ファミリーネームではなくファーストネームで呼ぶ、というトライをしたことを思い出した。当時はあまりの違和感に全く流行らなかった。私たち大人は名前で呼ぶことは本当になれていない。今の自分の子供を見て思うが、幼稚園や小学校低学年ぐらいまでしかファーストネームで呼ばないのではないだろうか。どうしても幼い感じがでてしまうか、恋人や親友のような、ものすごく近い感じがでてしまって、どうも呼称の採用には至らなかった。

一つ可能性として私が感じているのは、ニックネームで呼ぶ、というアプローチだ。ほどほどにヒエラルキーをなくし、近づき、堅くもない(エドガーシャインのいうレベル2の関係)になれるニックネームを付けるというクリエイティビティが必要になるが、それにより状況がガラッと変わる気がしている。

そういえば振り替えると私はニックネームがついたことがない。
私はファミリーネームも、ファーストネームも変わっているので、これは!というニックネームがつかない。だいたい名前から来ているものになる(さだ、さだかね、もとい、ぐらいである)
そう考えると、ニックネームで最大に変化させたのは「もっくん」であり、それはおかんが使っているものだ。やはりニックネームが砕けるほど近い関係になるのだろう。

私自身のニックネームクリエイティビティが低いため、まだ解はないのだが、様々な事例を集め検証してみたい。ニックネームの付け方をパターン化するか、ジェネレーターなど開発すると、クリエイティビティの低い人でも試せてよいのではないだろうか。

最後に

プロジェクトやフェーズの開始のタイミングで、タックマンモデルを少しでも次フェーズに上げるために簡単にできる何かを探しているのだが、呼称というアプローチを取り入れて検証してみたい。
またチーム所属者の総称や、それぞれの呼称で、ぜひよい事例があったらご紹介いただきたい。

あとだれか私にニックネームをつけてください。

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