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Demandingさには幾つかのタイプがある

米国外資の製品サポートにおいて、米国本社や他の国の同僚に”日本の顧客はDemandingである”と説明することがある。
Demandingとは”要求の厳しい”とか”要求の多い”という意味だが、このDemandingさの中身にはお国柄があるようだ。
サポートという仕事は、お客様にお買い上げ頂いた製品やクラウドなどのサービスが上手く動かず、彼らの業務に支障が出るようなケースにおいてその原因を特定し問題を解決するのが仕事だ。

海外の、例えばインドのお客様も(同僚の話によると)相当Demandingだが以下のような特徴がある。

  1. ZoomやTeamsで繋ぎたがる --- 口頭で問題を説明したがるし見せたがる(これはベンダー側にも言えていて、顧客の問題を実際に繋いで見たがるという傾向がある)

  2. 問題解決が最優先 --- Zoomで繋いだら複数名から早口で攻め立てられ、その場で解決しないと解放してもらえないことがある

  3. 問題解決したらもうサポートに用はない

一方で日本の場合は以下の特徴がある

  1. 問題解決だけでは不十分 --- 問題解決同様に、あるいはそれ以上に重要なのが、なぜその問題が起きたのか?次起きないようにするためにはどうすればいいか?という原因や再発防止策

  2. 関係者全員が状況を理解するのに時間がかかる --- ITベンダーにCaseを登録するのはパートナ企業の保守運用担当の場合が多い。一方、キーパーソンは顧客側のエンジニアでもないマネジメントであることが多い。従って重要な問題においては、パートナの保守運用チーム経由では顧客期待値をコントロールできないので、ITベンダーが顧客のキーパーソンを訪問し、謝罪し、問題の原因、解決策、そして再発防止策を説明しないといけない

  3. 製品仕様で揉める --- 世界で多くの顧客に使われている製品の仕様が日本の顧客のビジネス要件に合わないことがある。この場合、サポートは製品不具合として扱うことはできず結果として顧客の問題は解決されないが、なぜそういう仕様なのか?仕様を変更することはできないか?といった議論が長く続くことがある

長くなるのでインドと日本という二カ国の比較にとどめるが、多くの情報を求めてくる点において経験上日本は群を抜いてるように思われる。
なぜだろうか?
もしかしてセロトニンの働きが弱いSS型遺伝子を多く持つ日本人は心配性の人が多く、だからより多くの情報を得て安心したいのかもしれない。

カスハラとDemandingは紙一重

昨今、カスタマーハラスメントについての議論が盛んである。
私もTVで実際のカスハラ現場の再現VTRを見て、本当にこんな人いるのかと思うことがあるが、飲食店、スーパーやコンビニ、ホテル、運送、公共交通機関などわけのわからない絡み方をして暴言吐いたり暴力を振るったりという人がいて正直驚く。
私はB to Bの世界でしか働いたことないので一般のConsumerを相手にされている方、本当にお疲れ様でございますと言いたい。
一方で、何か少し強めの要望をしたり無茶を言ったりといったことを全てカスハラ扱いするのもどうかと思う。
確かにB to Bの世界でも、”いやそれは無理”というレベルのご要望をいただくことはあるが、そうしたご要望が製品やサービス内容を進化させることも大いにあると思っていて、それらを全て無しにしてしまっては製品もサービスも社会も進歩がなくなってしまうのではないかと思う。

Directionとハラスメントの紙一重

カスハラついでにいうと、外資のオペレーションの厳しさも中々強烈だし、半分ハラスメントじゃないかというくらい目標達成についてはゴリゴリに詰められる。しかしこれもカスハラとDemandingは違うのところで述べたことと同じで、そのように自分の想定を遥かに超える目標が指示される結果、自分も知恵を絞るし、これまでのやり方を一新したり、新しいアイデアを試したり、結果、自分のスキルも向上するのかという気がする。

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