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喉風邪に敗れてクリニックへ行く

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

妻に遅れること3~4日、私の喉も変調をきたしていることは自覚していた。金曜日、妻が近所のクリニックへ行こうとした時、私はまだ自分自身の免疫力でこの症状に打ち勝つ可能性を信じていた。

ところが、土曜日になると症状はますますひどくなった。咳は止まらないし、痰の量が自分史上最大の出方だ。こんな小さな喉なのに無尽蔵とも思えるくらいに、出しても出しても尽きることがない。

喉が痛くて流動食しか食べられない。水を飲んでも喉が痛い。家にあった龍角散を飲んでみたが一向に効かない。発熱はないが、体に力が出ない。ベッドで横になっているのが一番楽だが、1時間ほどしか眠れない。

そんな状態が翌日の日曜日も続いた。金曜日に妻と一緒にクリニックへ行っておけば良かったと後悔が大きくなった。そろそろ喉の痛みも痰もピークに達するだろうと勝手に期待しているが、衰えは一向に見えない。ティッシュの箱はすぐに空になる。

月曜日の朝、妻の案内で近所のクリニックへ行く。マイナカードで受付。意外と空いている。10項目ほどの問診票を記入する。数分待って診察室から名前を呼ばれる。

体温は熱がないので測っていない、と言うとその場で測らされた。36.5°C
で異常なし。問診票に記載の通り、咳と痰が止まらない、喉が痛いと説明する。最後に口をアーんと開けてと言われ、1秒間開ける。喉風邪だから4日分の抗生物質と痛み止めを処方すると言われた。

鮮やかな診察で1分もかかっていない。そういえば、風邪の診察のお決まりごとである聴診器を当てて胸の音を聞くという行為もない。

クリニックの向かい側の薬局で薬を購入し、自宅へ戻る。この夏の炎天下、道のりが長い。普段なら13分の距離もその日は30分かかった。こんな診察ならオンライン診察で十分ではないかと思った。

それから4日間、ひたすら薬を飲むことが最優先の生活が始まった。薬の時間が近づくと、その前にヨーグルトとかゼリーなどの流動食を口に流し込む。時間よ早く進め、とひたすら祈った4日間だった。

5日目になった。痰の量はピークの10分の1以下になった。咳はまだ止まらない。クリニックへもう一度行くことにした。私の話を聞いて、口をアーんと開けることもなく、気管支炎とアレルギーの薬を7日分処方された。初回同様、診察は1分で終わった。

患者からすると人生で初めての症状でも、医者からすれば見飽きた症状だろう。1分もあれば十分診断できる。医者はどの薬を処方すれば症状はどの程度改善するなんてお見通しなのだ。

最後の薬を飲み終えてから2週間経った。症状はまだ残っている。咳も痰も10分の1以下になったが、ゼロにはならない。倦怠感が残り、普段の活力の50%ぐらいだ。

体重は最初の1週間で7%減少した。3週間目からは食欲は80%以上に改善しているが、体重は減少したままだ。いままでダイエットに苦しんできた私は、体重は常に増えるものだと思っていたが、もう若い身体ではないんだと思い知らされる。

最初に風邪の症状を自覚してから5週間が過ぎた。咳や痰はまだゼロにはならないが、元気だけはちょとづつ戻ってきた。体重も100g/日ぐらいのペースで増え始めている。

歯科と整形外科以外は、もう10年以上も医者にかかっていなかった。熱が出ても2日ほど薬を飲んで寝ていれば治った。だが、今回の喉風邪で医者の力は偉大だと思い知らされた。これからはもっと素直に医者へ行こうかな。
<了>






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