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何のために株主総会へ出席するのか

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

先週、大阪駅近くのビルの一室で行われた、アイルという会社の株主総会へ出席した。出席者は10人ほど。株主に比べ経営者やスタッフの人の数が圧倒的に多い。

結論から言えば、今回の総会ほど何のために株主総会に出席するのか、ということを考えさせられたことはなかった。

会社法によれば、株主総会の目的は、事業報告や監査報告をして、剰余金処分や取締役の選任をする場なのだろうけれど、多くの場合、実質的には多数株主を有する会社経営者が予め決めた内容について承認を受ける、形式的な場だ。

どの会社もきわめて形式的に議事運営し、形通りの承認手続きを行う。唯一、会社によって違いが出るのは、質疑応答の時間だ。

会社によっては、株主からの質問はゼロがベスト。万一質問があったら、想定問答集に沿って、一字一句間違えない様にに回答する、という考え方のところもあるようだ。残念だが、こういう総会では何も得るものがなく、交通費と時間の無駄だと感じてしまう。だから、スーツを着た社員株主と思われる人の出席が多い。

その一方で、質問があれば丁寧に回答をするのはもちろん、その周辺の情報や社長個人の考え方など含めて回答をする会社もある。今回のアイルの総会はこのタイプだった。

質問した人は3人ほど。質問時間の何倍もの時間を使って会社の状況や社長自身の考え方を説明してくれる。私にとっては大変有意義な時間だった。かなりセールストーク的と思える部分を差し引いても、ポジティブな印象を持った。

そもそも、私は3年ほど前にアイルの株を買ったが、アイルのことはあまり知らない。もちろん、会社四季報やホームページで可能な限り調べた。だが、アイルの主力商品である在庫管理ソフトについては、ITの基礎知識もないし、その分野のビジネス経験もないので理解不足だ。

今回の総会は、たまたま有益な時間であったが、自分としては、はたしてこれで良いのか、という疑問が浮かんだ。たとえ100株しか保有していなくても、株主として、投資家として、本来そして最も、知らなければならないのは何なのか? そのとこを株主としてもっと質問すべきでなかったのか、と反省するに至った。

それは、この会社が5年、10年いや20年以上に渡って末長く成長し続け、利益を出し続ける会社なのか、ということだと思う。このことを私はまだ確信できていない。

1,現在、在庫管理ソフトは食品、衣料、鋼材など5つの分野に絞って展開しているそうだが、この分野のマーケット規模はどれだけあって、シェアをどこまで伸ばせるか?
2,アイル社員はやる気が違うというけれど、競合他社との技術的な差異は何なのか? 逆転される可能性はないのか?
3,在庫管理ソフトは末長く必要とされる道具なのか? 技術の変革によって、何か別の道具に取って代わられることはないのか?

などなど疑問がつきない。
来年の総会までには、もっと勉強して有意義な質問が出来るようにしたいと思った。
<了>

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