私と蟲界(むしかい)の議題をあなたは最後まで無視(ムシ)出来ずにいられるのか。
信じたくないものからは目を背ける。現実を理解しようとしない。都合の良い情報のみを受けとる。
そういう経験はないだろうか。
私は、しょっちゅうだ。どうして自分に何の疑いもなく我こそが正しいと思って行動してしまうのか、いまだに理解出来ないでいる。
昔、中学校で少し意識していた隣の席の女性に『あなたは、なんの蟲が好きですか』
と、なんの疑いもなく聞いた。
『そもそも蟲が嫌いだし、気持ち悪いじゃん』
と衝撃の返答がきた。
私は、私が好きなものは当然皆が好きだと思っていた。世界は私中心で動いていると思っていた。それが違うと知ったこの日が生まれて初めての挫折になる。
この記事は、蟲についての記事になる。
そして私も挫折を知った大人になった。
だから先に書いておきます。
蟲が苦手な人は読まないで欲しいです。
この手の記事と私の自撮り写真の記事は、決まって翌日にフォロワーがガッと減る。
ドッとじゃなくてガッと減る。
特に自撮りがガッと減る。
知ってたけど、中年でも傷つくのだ。
傷つくけど書いてしまうし、載せてしまうのだ。
だって蟲と自分と挫折が好きだから。
少し感受性が高まり、つい自然とあふれでてしまう詩人の才能を出してしまいすみません。
蟲の写真も出ます。気を付けて。そして最後まで読んでいただけたらありがたい。気になることを問います。奥底の正直な気持ちをよかったら教えていただきたい。
長く蟲界に在籍していると、一つのきっかけで心が弾むときがある。
その日、私の豪邸の玄関を開けるとコーヒー豆がいっぱい落ちていた。
これは、この時のために伐採するのを待っていたオリーブの木の近くに落ちていた。
蟲界ではこの現象を天使の落とし物と呼んでいる。
天使の落とし物を見つけたら落とし主を探せ。ずっと伝えられてきた言葉だ。
近くに、イモムシがいる。そしてこの豆の大きさから想像するに、終齢幼虫だと推測した。ちなみに次の脱皮で蛹になる幼虫のことを終齢幼虫という。
この時点でぞくぞくしていた。そもそも、オリーブにやってくるイモムシとは、イモムシ界でもかなりのビッグサイズのイモムシばかりだ。大きいもので10㎝を超えてくる。
皆さん忘れているのかも知れないが、元来人間はムチムチぷにぷにが好きな生き物である。人間が好きな代表的なムチムチぷにぷには、
赤ちゃんの腕
ボンレスハム
ちぎりパン
がある。だいたいこの単語で検索すれば、比較写真が出てくる。だが、遠い昔はこれにイモムシが加わっていた。
赤ちゃんの腕
ボンレスハム
ちぎりパン
イモムシ
この四天王だった。いつの間にか消されたイモムシを蟲界では、消された四天王、偽りのトライアングルの歴史として習う。
我々、蟲界隈では有名なはなしだ。
私の豪邸のオリーブにいたイモムシは、おそらくシモフリスズメの幼虫だと思われる。
フォルムがカッコいい蛾だ。
生物の分類でどこに属するかを決定することを蟲界では『同定』と呼ぶ。私がおそらくというのは、1人で同定するのがなかなか自信が持てないからだ。
私は、生き物全般大好きなのだが名前などを覚えるのがとても苦手だ。昔、私の周りにも同定が得意で聞けば何でも答えてくれた完全変態ナースがいたのだが、このnoteの世界からは、冬眠してしまっていて行方が知れない。
ちなみにこのナースは、文字通りの完全変態ナースなのだが、蟲界での完全変態とは、幼虫から成虫になる過程で姿形がまるで違うものをいう。
だから、蝶や蛾、カブトムシなどは代表的な完全変態の蟲ということになる。
私が蟲を捕まえて調べるのが好きな理由が、図鑑と模様が完全一致することにある。個体に大小はあるが、ちょっと模様が違うなぁという違和感は間違いなく違う種であり、完全に一致する発見の嬉しさがある。
もし、今周りのお子様が蟲や生き物に興味があって、あなた自身触ることや、捕まえるのが苦手な大人だとしたらスマホで撮影することをオススメする。
なかでもマクロ機能がついているカメラのスマホなら本当に鮮明に小さな蟲でも撮影することが出来る。今はその場でGoogleレンズなどで調べることが出来るが、なるべくお子様と一緒に図鑑で調べることをオススメしたい。
撮影した写真は、驚くほどズーム出来たりしてその細部にまで渡るキレイな模様を見ることが出来る。一緒に感動しながら図鑑で探す時間も楽しいと思う。
そしてこれは、蟲に限らず、お花でもそうだと思う。少しでも自然との関わりを楽しんで欲しいと最近感じる。
最後になりましたが、ムチムチぷにぷに先生を紹介します。
危険を感じると軀を反らして葉っぱのようにするのである。ムチムチぷにぷにしていてとても可愛い。
天使の落とし物を見かけたら、ぜひ見上げて欲しい。そこにはまた違う世界がある。
そして私は、このムチムチぷにぷに写真を蟲界以外の女性にプレゼントしたい衝動に駆られ、秋の挨拶の長文を送り付けたついでに写真プレゼントを提案した。
『そんな写真いらんわ』
と即答されて、久しぶりに挫折した。
なんのはなしですか
ここまでが、表のはなし。
そしてここから先は、知らなくてもいいはなし。読みたい人だけで。
私は冒頭に、
信じたくないものからは目を背ける。現実を理解しようとしない。都合の良い情報のみを受けとる。
と書いている。蟲が好きな人ならもしかしたら、私のイモムシの写真でその違和感に気付いているかも知れない。
結論から言うと、このイモムシは成虫にはなれない。
寄生されているからだ。
私は、図鑑で調べるとキレイな模様で完全一致すると書き、ちょっと模様が違うなぁという違和感は間違いなく違う種であると書いた。
私がこのイモムシに感じた違和感は、ランダムに黒い点がありすぎると思ったからだ。
調べたらこの黒い点は、おそらくヤドリバエの卵が孵化してイモムシの体内に入った跡だとわかった。
もし、写真を拡大出来る人がいればしてみると卵の殻のような細長いものが出ているのが分かる。寄生虫の幼虫が孵化した痕跡がしっかり残っている。
このイモムシは、蛹化が近づいたら土の中で越冬する。だけど、蛹化が近付いて土に近付くと体内から栄養を蓄えた寄生虫の幼虫が出てきてイモムシは、その役目を終える。
出てきた幼虫は、蛹になり成虫になっていく。
イモムシにはよくあるはなしだ。ハエに限らず寄生バチの可能性もある。完全に成虫するまではわからない。
自然界では、当たり前に起きている。例えばカマキリなども有名だ。ハリガネムシという寄生虫は泳げないカマキリを水辺に連れていくように操作し、水中でカマキリの体内から出てきて自分たちは繁殖をする。その反面内臓が弱っているカマキリは、その役目を終える。
こういう自然界で当たり前に起きていることを『自然』とするならば、人間にはこの『自然』なことは、本当に起きていないのかを考えたりする。『不自然』で片付けてはいないのだろうか。
人間の内面が本当の意味で知れないのは、自分が操っているワケではないからなのかも知れないとか考える。
どうかしら。あなたはさっきと同じようにムチムチぷにぷに可愛いなぁと、この写真をじっくり見ることが出来ますか?
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