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生に立ち向かうということ。夜と霧を読んで。

夜と霧を読んで。
生きるということが私たちに問いかけてくるもの、期待してくるものとは。

僕はね。
近頃、周りの人に"生きるのが恐ろしい"と漏らしてしまうことがある。
朝目覚めた時の瞬間はどう感じるかと友人同士で話し合っていた時には、"今日も生きなければいけないのかという恐怖感でいっぱいになって目覚める"と回答してしまった。
20代半ばまではポジティブ人間であり、いかに僕とみんなの人生が素晴らしいかを力説していたのに、20代終盤から突然悲観的になってしまった。
きっかけとなる決定的な出来事などない。
もしかしたらコロナ禍の後遺症なのかもしれない。

生きることに悲観的である僕が、たった今読了した書籍に興奮させられた。
久しぶりに人生に対して高揚感を感じている。

夜と霧

読みやすい訳で時間がかからずスラスラ読めた。
内容には触れたくないが、生きることに立ち向かうということを教えてくれた。

"今日も生きなければいけないのかという恐怖感でいっぱいになって目覚める"という感覚は生きることに立ち向かっているということではないか、とふと納得した。
悲観的で人生を諦めてしまう人と、楽観的で人生の希望を失わない人は強制収容所に長期間収容されていた人々の中でも存在していた。
作者の観察では人生の希望を失わないことこそが生きることに必要であるとの見方あり、これは一般的な暮らしをしている僕のような人間にも言えることなのだと僕は思う。

ただ、死に立ち向かい、生きることに立ち向かう為には、人生の希望や目的や目標を持つことであるということを改めて聞かされて納得したよ。
僕はそれを失ってしまっていたんだ。
絵を描くことを通して見つけた生きることの目的はある。でもそれは決して強烈な欲望ではない。
このことが、僕の生きることに立ち向かう力を弱めてしまっていたのだきっと。

生きる意味を見失ってしまっている人、生きることに立ち向かう力が弱っている人、そんな方々に読んでもらい、どう感じたかをああだこうだ言い合いたいと思った本だった。

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