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ラブソングの「分からない」を楽しみたい。

共感できないラブソングを、
共感できてるっぽく聴くのが好きだ。

世の中に溢れているラブソング。
恋愛経験が少ない私にはまだまだ共感できないものが多い。
けど想像する。


4年付き合ってた彼と別れた私
曖昧な関係性を気持ちの弱さからずるずる続けてしまう私
かと思えば、大好きな人と付き合って世界が全てピンク色に見える私…。


まだ人と付き合ったことがない私には、
全部全部似たような経験さえしたことがない。
だから絶対気持ちなんて分からないはずなのに
しっかり聴いていると何故か分かるような、
味わったことがあるような気がしてくる。


その瞬間、
私は私が歩んできた23年という人生をふっと飛び越えて、未来の大人になった私になったり
恋愛の価値観が違う別のワタシになれたりするような気がしてとても楽しい。

🎼💌

過去に好きだった人(進展なし)の数と
付き合っていた人の数を比べた時、
前者の方が多い、という人、
わりといるのではないだろうか。
でもラブソングは圧倒的に後者(付き合っていた人)へ向けたものが多い。


きっと付き合ってからの日々(別れる場合は別れた後の過程も含める)という経験は、
歌にしたくなるような感情で溢れているんだと思う。
叶わぬ片思いだって充分にエモーショナルだけど、きっとそれを飛び越えるくらい、重くて学びが多くて、キラキラもモヤモヤもしていて…。
だから世に放たれる歌は、付き合うという過程を得た歌が多くなるんだと思う。

分からないラブソングを分かる気になって聴くのは楽しい。
でも同い年くらいの人が
「この曲めっちゃ共感する…!」と言ってる歌を聴いた時、自分になにも響くところがないと辛くなる。
分かる気になってるけど、実際何も共感できないし、曲を聴いてイメージしたことは全部想像の世界。
言ってしまえば嘘。
だからたまに虚しい。

でも。

分からないからこそ想像できる
自分と重なるところが無いからこそ、描ける情景の範囲は広くて、自由だとも思う。


今後の人生の中で経験を重ね、今分からないラブソングが分かるようになった時、
もうこうやって想像して自由に聞くことはできなくなるんだろう。

ラブソングが分からない今は有限だ。
共感できないことに悲しがるよりも
今は分かる気になっている私のまま、想像の世界を存分に味わいたい。


答え合わせができるその日まで。


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