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ハリボテ「声劇台本」

瑠美♀  明るい女の子、けれど傷つきやすい

大雅♂  幼なじみの男の子、優しい


瑠美「ねえ、大雅」

大雅「ん?」

瑠美「笑顔でいるって辛いね」

大雅「、、、どした?お前らしくないな」

瑠美「、、、んー、やっぱなんでもない」

大雅「は?」

瑠美「ごめん、変なこと言った」

大雅「、、、はぁ、おいおい、それは良くないぞ」

瑠美「え?」

大雅「言えよ、、、なんか抱えてんだろ?どした?」

瑠美「んー、今から変なこと言っても許しくれる?」

大雅「おう、」

瑠美「(息を吸う)、、あのね」

大雅「おう」

瑠美「私って明るいじゃん?自分で言うのもあれだけど」

大雅「うん」

瑠美「んで、いつも何言われても笑ってんじゃん?」

大雅「うん」

瑠美「でもさ、あれ、辛いんだよね」

大雅「、、、」

瑠美「周りが勝手に着けたイメージってほんと、時々すごい邪魔だよね、、」

大雅「うん」

瑠美「多分、私が言わないのも悪いんだけどさ」

大雅「、、、」

瑠美「多分みんな、、、私には何を言ってもいいって思ってるような気がする」

大雅「、、、かもな」

瑠美「うん、」

瑠美「時々心無い言葉が飛んでくるんだ、、いじりなの?もはやいじめなんじゃない?って思える言葉とか」

大雅「、、、何言われたの?」

瑠美「んー、色々、かな、」

大雅「例えば?」

瑠美「黙れーブス、みたいな、いや、多分冗談のつもりなんだろうけどさ、シンプルにそう言う言葉って傷つくんだよね」

大雅「、、、」

瑠美「、、、他にもさ、私身長ちいさいのきにしてるじゃん?」

大雅「うん」

瑠美「そういうコンプレックスも笑われたりしてさ、、」

大雅「うん」

瑠美「いつも明るく笑ってたけど、、、なんか疲れちゃった」

大雅「、、、」

瑠美「、、、私ってハリボテみたい」

大雅「ハリボテ?」

瑠美「そう、、私の笑顔は、ハリボテなの、、、周りの空気を壊すのが怖くて、楽しくもなんともないのに笑ったり、傷ついてるのに笑ったり」

大雅「、、、」

瑠美「嫌われたくないの、、、私、みんなが離れていっちゃうのが。」

大雅「、、、」

瑠美「だから、私ってハリボテみたいだよね、、、」

大雅「、、、人は」

瑠美「ん?」

大雅「全員から好かれるなんて無理だよ」

瑠美「ッ!分かってるよ!分かってるよそんなこと!でもさ、、、怖いんだよ、みんないなくなっちゃう気がして」

大雅「、、、瑠美はさ」

瑠美「ん?」

大雅「優しいよな」

瑠美「ふぇ!?なに急に?」

大雅「誰にでも優しく明るく接するって誰でもできるわけじゃないのに」

瑠美「、、、」

大雅「でもそれって、ずっと続けるのは辛いよね」

瑠美「うん」

大雅「人間は十人十色だから、合わない色を持った人にまでいい顔をするのは疲れちゃうよね」

瑠美「、、、うん」

大雅「瑠美のその優しいところはすっごくいい事だと思うよ、、でもさ、やっぱり、嫌われる覚悟も必要なんだよ…人って」

瑠美「だよね、、、」

大雅「262の法則」

瑠美「え?」

大雅「そういう法則があんの、あなたのこと嫌いな人2割どうでもいいも思ってる人6割好きな人2割」

瑠美「、、、」

大雅「どう頑張ってても、自分のこと嫌いになる人は絶対に出てくるわけよ」

瑠美「うん」

大雅「だからさ、もっと素直になってもいいんじゃない?6割と2割の人にずっと気を使い続けるのは辛いよ」

瑠美「、、、」

大雅「瑠美のことを本当に大切に思ってくれてるやつを大切にすることに力を注いだ方がいいんじゃない?」

瑠美「、、、いるかなぁ」

大雅「ん?」

瑠美「んー?いるかなぁって、私の事好きな人」

大雅「え、なんでそう思うの?」

瑠美「いや、ほら、だって私ちびだしさ、うるさいし結構大食いだし、、、魅力ないもん」

大雅「(ため息)全く」

瑠美「え?」

大雅「少なくともいるだろ?お前の隣に、今」

瑠美「え?隣?」

大雅「、、、おう」

瑠美「え?それって何?」

大雅「、、、だぁぁ!お前のことが好きだって言ってんの!俺は!」

瑠美「、、、え?」

大雅「、、、察しろ!アンポンタン!」

瑠美「え、、私の事好きだったの?いつから!?」

大雅「小さい頃からずっとだよ」

瑠美「なんで!?私!?どこがいいの?こんなハリボテ笑顔の女だよ?」

大雅「全部好きなんだよ」

瑠美「ふぇ!?」

大雅「ハリボテを作るのは誰でもすることだよ、、、周りの空気を作ったりするために愛想笑いとか俺だってするし」

瑠美「、、、」

大雅「だから、俺はそれを嫌だとは思わない、むしろそれがしっかりできてるお前を尊敬してるくらいだよ」

瑠美「、、、?ほめてる?」

大雅「でもな」

瑠美「うん」

大雅「それは俺以外の人に作って欲しい」

瑠美「え?」

大雅「俺の前では、そのお前のハリボテの裏にある暗いものも明るいものも見せろよ、、、俺がその、、、2割の人だから」

瑠美「、、、うん」

大雅「他にも、俺意外にだって、瑠美のこと大切に思う人は絶対いる、、自分の素を出せる人が、だからそういう人を大切にしてやれよ」

瑠美「うん、、ありがとう大雅」

大雅「、、、おう」

瑠美「、、、」

大雅「、、、」

瑠美「、、、きまずい」

大雅「す、すまん」

瑠美「さっきのって告白?」

大雅「、、、そう」

瑠美「、、、私も」

大雅「ん?」

瑠美「私も好きだよ、大雅のこと」

大雅「え?」

瑠美「こんな、ハリボテの私と、いつも一緒にいてくれたのは、本当に大雅くらいだったから、、、私も大切にしたいと思えたの」

大雅「、、、」

瑠美「だから、、私も好きだよ」

大雅「、、、付き合うか」

瑠美「うん、、、」

大雅「これからは、彼氏として、よろしく」

瑠美「うん、、これからは彼女としてよろしく」

大雅「、、、」

瑠美「ねえ、大雅」

大雅「ん?」

瑠美「ありがとうね」

大雅「、、、おう」

瑠美「私もうちょっと素直になってみる」

大雅「そうだな、、、それがいい」

瑠美「嫌われてもいいもん!これからは大雅がそばにいてくれるんでしょ!?」

大雅「そ、そ、そうだな」

瑠美「私は私に嘘をつかないようにする!もっと自分の感情に素直になるようにするの!」

大雅「ははっ、、そうか」

瑠美「うん!もうハリボテはおしまい!」

大雅「あぁ、そうだな」

瑠美「そーやって生きながら、それでも私のことを好いてくれる人たちを大切にしようと思う!」

大雅「おう!」

瑠美「ありがとう!ほんとに!」

大雅「どういたしまして、、、」

大雅N「手を繋いだ俺たちは、夕日の沈む方へと歩いっていった、夕日に照らされたの幼なじみの顔には、ハリボテが崩れ去ったようだ、、、それくらい素敵な笑顔を彼女は顔に浮かべていた」

瑠美N「手を繋いだ、自分より大きなこの手は、悲しかった私の心を暖めてくれた、ありがとう、ハリボテのこんな私を愛してくれて。そして、
さようならハリボテの私」

大雅N「自分に素直に生きよう」

瑠美N「無理に隠すことはやめよう」

大雅N「嫌われたっていいじゃないか」

瑠美N「本当に大切な人に好かれてるのなら」

大雅「壊せハリボテ」

瑠美N「さようならハリボテ」


~完~

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