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「それはいつもと変わらない一日だった、

はずだった。」

小説の書き出しを考えるとありきたりなことしか思いつかない。
下手に凝った書き出しにしようとすると失敗するからやめた方がいいんですけど。書けもしないのに何を言っている。

書き出しから惹きつけられる小説に巡り合ったときの感動って素晴らしいですよね。書き出しから惹きつけられる小説ってかなりの確率で当たりだと思います。

最近になって東野圭吾さんの「幻夜」を読もうとしています。
「白夜行」は高校生のときに読んだのですが、今になって「幻夜」が読みたくなりました。
東野圭吾さんの作品は昔から好き。加賀恭一郎シリーズが特に好きです。「卒業」と「眠りの森」が好きでしたね。

昔から私は文章を書くときは見切り発車で始めるので、起承転結はメチャクチャだし、結末を一切考えていないのでグダグダしちゃうんですよね。
逆に書き出しじゃなくて、最後の一文から考えるのも面白いかも知れない。

「目を開けると白い天井が見えた。いつもと変わらない、白い天井だ。
彼はそれを見て、満足そうに笑った。
《ああ、僕は幸せだ。》」

安部公房の「カンガルー・ノート」を読んだことがあるのですが、私には難しかった。
「脛からカイワレ大根が生えてきた男」の話ですが、「脛から?カイワレ大根が?なんだそれ。読むしかないだろう。」と興味津々で読み始めたものの、読んでいる間ずっと夢を見ているような心地でした。夢をみていたのに、最後の最後に夢が覚めて現実に戻りました。
「そうか、あの男は……。」
読み終わってドキドキしていたのを覚えています。それまでに読んできたものはなんだったのでしょうか。夢だったのかも知れない。

海外の作家だと、私はピエール・ルメートルの作品が好きです。
「哀しみのイレーヌ」は正直トラウマになりそうだった。読み終わった後のどうしようもない絶望感、救われなさ、最後まで休みなく読んだものの、吐きそうなくらいの嫌悪感まで抱きました。でも、あのシリーズは全部読んだし、たまに読み直したくなる。
どうして警部は救われないんだ。どうして不幸なことしか起きないんだ。いい加減幸せにして欲しい。でも、あのシリーズは完結しているので、このまま幸せになることはないのでしょう。
「死のドレスを花婿に」は、途中まで鬱になりそうでしたが、後半にかけての展開にワクワクが止まらなかった。決してワクワクする内容ではないのですが。

最近、阿部智里さんの八咫烏シリーズがアニメ化してますね。
若宮殿下の声優が入野自由さんで歓喜しました。しかも兄君の声が日野聡さんです。喜びます。私が。
「烏は主を選ばない」のストーリーが主軸ですので、「烏に単は似合わない」で起きる事件の数々は間に挿入される程度。でも、長琴を見つけた経緯とか、早桃が亡くなる前の事件とか、最後の謎解きのために必要なシーンまで省略されている印象。
今のところ、春殿の君に悪い印象はあまり抱かないのですが、これでは原作勢、コミックス勢、アニメ勢とで抱く印象が全くことなりそうです。(全部履修済みです。)

小説の書き出しや一節だけ考えるの楽しいな。
そこからストーリーを派生させたい。無理かな。
無理ですね。

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