サイコロシアン・ルーレット #16
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どうしてこんなことに? ひとしきりの絶望の後には、スーッと気を遠くする後悔が訪れた。あたしは上手くやっていた。この肥溜めを出て行った連中よりも、ずっと上手くやってきた。どいつもこいつも体で魅了し、頭で縛りつけてきた。あの都会から来た男だって、童貞丸出しのバカだったから簡単に手なづけてやれた。この茶番から逃げなかったのだって、5番目は絶対にこないという言葉が本当だって確信があったからだ。
なのに。それなのに。どうしてあたしが銃を撃つことになっている?