Vol.21 娘は算数が苦手なのですが、克服するにはどうしたらよいですか？

質問：娘は算数が苦手で、宿題にもなかなか取りかかれません。全くできない訳でもないので、苦手意識を持たないようにしてあげたいのですが、どうしたらよいですか？

★中曽根陽子の回答：
苦手意識を植え付けていませんか？　
　算数に苦手意識がある。その気持ちよく分かります！
　というのも、実は私も苦手意識があったんです。（って今もかも）
いつからそうなったのかな…と考えていたのですが、私の場合は、数列とかが出てきたあたりから、どうも苦手になって、できれば避けて通りたいと思うようになってしまいました。時間をかければ理解できたのでしょうが、周りの人より理解するのに時間がかかってしまって、慌ててしまったのです。
そして、最終的には、高校の履修選択で数学が必要ないコースを選択してしまったという苦い思い出があります。
　そもそも子ども自身が最初から苦手と意識しているというより、人と比較してできなかったり、親や先生からそう言われてしまうことで苦手と思っていることが多いですよね。
　お嬢さんは、なにが苦手なんでしょう？　一口に算数と言っても、どこでひっかかっているのか、その原因を取り除いてあげれば先に進めて、もしかしたら好きになるかもしれませんね。
　専門家の先生も「わからなかったり間違えた問題も丁寧に解き直して、ほらできちゃったね、で終わるようにすると、できるんだと感じられるようになる」とおっしゃっていました。なにかひっかかっているところがあるのなら、先に進む前に、そこに戻ってじっくり理解できるまでやり直し、できた！という自信をつけさせたほうがいいのですね。
　その時に大事なのが声かけです。

「やればできる！」と思える声かけとは

　アメリカのスタンフォード大学の心理学者キャロル・Ｓ・ドウェック教授は、能力は同等でも、難問に直面したときに、あきらめてしまう人と、粘り強くがんばろうとする人がいるのはなぜかという疑問を解決するために、20年以上にわたってあらゆる研究をしてきました。
　その結果、両者の分かれ目は、「能力に対する考え方とほめ方」であるということがわかったのです。
　ドウェック教授は、人は次の２つのタイプに分類できるといいます。
１． 才能や頭の良さは生まれつき決まっていると考えるタイプ→硬直マインドセット
２． 能力は、一生懸命がんばれば身につけることができると考えるタイプ→しなやかマインドセット
　新しいことに挑戦するのを避ける子どもは、１の傾向があり、学ぶことが大好きで何にでも挑戦しようとする子どもは、２の傾向があるのです。
さらに、この違いには、幼少期からの親の関わり方が深く関わっているということも長年にわたる研究でわかっています。
2のしなやかマインドセットを育むには
１． 能力より、努力したことや頑張ったことに注目する。
２． 結果よりプロセスに注目して、誰に言われなくても集中していたり、長い時間かけたことを見る。
３． うまくいったかどうかではなく、やってみたことにフォーカスする。
ということが有効であることもわかっています。
　こんな視点をもってプラスの声かけをしてもらった子どもは、「今はまだできないけれど、やればできる！」と思えて、できるようになるまで努力をするという訳です。
　しかし、こういう声かけをするためには、できていないことではなく、できているところを探す目で子どものことをよく観察する必要があります。

　ぜひ「できたところ探しメガネ」をかけてお子さんをよく観察し、励ましてあげてください。

　
★スタッフまりこのコメント：
うちの娘も算数が苦手と思っている節がありますので、お気持ちわかります！ゆっくりやればできるのだけど、テストで時間が限られていると焦るというのもあるようです。中曽根のコメントのとおり、親から苦手を植え付けないことや、家でゆっくり解き直して「できた」という感覚を味わえるようにすることを意識したいと思います。そして、しなやかマインドセットは勉強だけじゃなく、いろいろなところに影響しそうなので、「うまくいったかどうかではなく、やってみたことにフォーカスする」よう私もやってみます。

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