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横浜創英中学校のコンピテンシー入試を取材しました。

こんにちは。中曽根陽子です。

2月は受験シーズンですね。
すでに首都圏の中学入試は終わりましたが、高校入試や大学入試にチャレンジしているお子さんがいらっしゃるご家庭もあることでしょう。
ご健闘を祈っています!
 
さて、先日、横浜創英中学高等学校(横浜市神奈川区)のコンピテンシー入試を取材しました。ここは、元麹町中学校の工藤勇一氏が校長で、教育改革を進めている学校です。
首都圏の私立中学校では、従来型の学力試験では測れない多様な資質と可能性を測る新タイプ入試と呼ばれる入試を行う学校が増えていますが、横浜創英中学校でも、昨年からコンピテンシー入試という新タイプ入試を導入しました。
 
コンピテンシーは、「行動特性」という意味ですが、横浜創英では、プレゼンテーションとグループワークという2種類の入試を実施していて、それぞれ全く違う観点から行動特性を見ています。
どちらも子供たちのポテンシャルを感じる入試でした。
 
プレゼンテーション入試は、
①これまで継続して自主的に取り組んでいたこと・ 好きなことで自分の自信につながっていること。
②入学後の横浜創英の学校生活で①をどのように活かしていくかをプレゼンします。

観点は、大きく2つ。
一つは、自分のとんがりを自分の言葉で言語化できるか。
もう一つは、それを中学入学後どう活かしていくか。自身が社会に貢献できる可能性にも触れながら,ストーリー化していく力があるか。
 
一方グループワーク入試は与えられた社会課題を示すデータを読み取らせたうえで,課題解決のために何ができるかをグループで考え発表します。
観点は、多様な意見を尊重できるか、ミッション(目的)に戻ってチームビルディングできるか。こちらは、とんがりは必要ありません。
横浜創英のコンピテンシーは「自律・対話・創造」。どちらの入試もそこに沿った力を測っているのです。
 
学力試験より簡単と思われるかもしれませんが、コンピテンシー入試の倍率は約4倍。狭き門です。
来年度からカリキュラム改革に乗り出す横浜創英では、従来の教科学力だけの「選抜」から脱却し,こうした入試の枠をもっと増やしていく予定だそうです。
大学入試改革と相まって、このような入試が今後増えていくと、教育の多様性が広がって行くことにもつながるでしょう。
 
私は、かれこれ20年以上に渡って(長―い💦)受験の世界を見てきましたが、
いつも入試の取材で思うこと。
結果はどうあれ、入試に向かって準備をしてきたことは、決して無駄ではなく、むしろ子どもたちの生きる力となって、今後に必ず生かされるものになるということです。
 
「入試は全てそうだが、うまくやればその子の人間としての育ちの大事な機会になるが、逆だとしこりが残る。」
これは、『後悔しない中学受験』という私の初めての受験本に教育学者の汐見稔幸先生が寄せてくださった言葉です。
 
きっとこのメルマガを読まれている方の中にも、行きたかった学校から合格をいただけなかったというご家庭もあることでしょう。
 
もちろん、第一志望の学校に合格できたらそれは嬉しいことですが、たとえそうでなかったとしても、そこに至るまでの努力が無駄になる訳では決してないですよね。
逆にその経験をバネにして成長していくチャンスです。
 
入試というハードルを超える経験を、育ちの大事な機会にしていってほしいと願っています。

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