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Vol.47 些細なことで兄弟喧嘩が始まってしまいます。どうすればよいですか?

質問: 些細なことで兄弟喧嘩が始まってしまいます。少しずつ子供達だけで解決できるようになって欲しいと思うのですがどのような声かけが良いのでしょうか?

★中曽根陽子の回答

兄弟喧嘩のお悩み多いですね。

特に男の子同士は激しいですよね。
でも、子どもたちはその中で、いろんなことを学んでいくのではないでしょうか。だから、おっしゃる通り、自分たちで解決できるように仕向けたいですね。

一方的に「喧嘩しないで仲良くしなさい」と言うのは、自分たちで解決策を考える機会を奪ってしまいます。
また、一方的にジャッジをするのも問題をこじらせるだけです。

例えば、お兄ちゃんが弟を蹴って弟が泣いたとします。大抵は、弟を蹴ったお兄ちゃんを叱りますよね。
でも、その前に、弟が、お兄ちゃんが大事にしていたおもちゃを触って壊したのだとしたら・・・?
確かに人を蹴るのはよくないことだけれど、原因を作った弟も悪いですよね。

それなのに、理由も聞かず蹴ったお兄ちゃんを一方的に叱ったり、理由を聞いたとしても弟をかばって「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」と言ったら、どうでしょう?

その子の性格にもよりますが、一方的に叱られたら、わかってもらえないという悔しい気持ちや、弟ばかりをかばうお母さんに対する怒りや、淋しい気持ちを抱えることになるのではないでしょうか。

そういう事態を避けるためにも、まずは事実を確認することが大切です。
できるだけ客観的に、何が起きたのか、それぞれの言い分を聞き取りましょう。

その時のコツは、まずは、子どもの言うことを一旦そのまま受け止めて、繰り返すこと。これは承認というスキルです。

「お兄ちゃんが蹴った」と言ったら、「お兄ちゃんが蹴ったんだね」
「弟がおもちゃを壊したからだ」と言ったら、「弟がおもちゃを壊したからなんだね」
と、ただ、双方の言い分をそのまま繰り返します。

その時、こちらの「解釈」を入れないこと。

何度か繰り返しているうちに、子どもも落ち着いてくると思うので、
そうしたら、「じゃあどうしたらいいと思う?」と聞いてみましょう。
子どもなりの解決の方法を言ってくるかもしれません。
双方がそれで納得したら、そこで終わりです。

相手の言葉を繰り返すというのは、「オウム返し」とも言いますが、この効果は絶大です。
繰り返されることで、子どもは、お父さんやお母さんは自分のことを受け止めてくれた、わかってくれたと感じて落ち着きます。
また、自分の発言をもう一度確認することになります。
これを「オートクライン」と言って、繰り返されているうちに、考え直して自分が悪かったなと思って謝るかもしれないし、仲直りする方法を考え出すかもしれません。

余計な解釈を入れてしまうと、納得はしないでしょうし、自分のことをわかってもらえてないと感じさせてしまいます。
その上、それが極端にどちらかに偏ってしまうと、親子関係を悪くしかねないので、気をつけてくださいね。

ただ、小さい時の兄弟喧嘩は、動物のじゃれあいのレベルとあまり変わらないので、サルがケンカしていると思って、ある程度はやらせておくのも大事です。しばらく冷戦状態が続くかもしれないけれど、そのうち何もなかったように遊び出すのも子どもならではですよね。
ただ、エスカレートしてきたら、怪我をしないうちに審判が登場して事実を確認し、当人に解決策を考えさせる。そんな繰り返しが、子どもが自分で解決する力を育てることにも繋が流のではないでしょうか。

問題はチャンスですよ。

★スタッフのぶえのコメント
 うちは3人兄弟です。上の2人は年が近いこともあり小学校低学年くらいまでは、遊びからけんかになることが度々ありました。あの頃は大変でしたが、今思い返してみると、けんかをしながら、相手が嫌がることは何か、自分がしてほしくないことは何か等を学んでいた気がします。
 最近では、長男が下の二人が揉めているのをうまく解決できるよう声をかけていることもあります。中曽根の言うとおり、問題はチャンスだと実感しています。

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