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セルフケア夢分析・続々 ヒプノセラピーepisode🥀18

前回までと同様、今回もセルフケアとしての夢分析についてお話ししたいと思います。

まず、夢を見た時の一番重要なポイントは、すぐに頭で解釈しようとするのではなく、まずは心で味わってみる、ということ。初めに、自分自身にこんな質問をしてみてはいかがでしょうか。

その夢を見た時、どんな気持ちがした? どんな気分で目覚めた? その夢をみて、どんな思い、感情を抱いた?

そして、その気持ちと同じ、もしくは似たような気持ちを、現実の世界で感じる場面があるかどうか、自分の中を探ってみましょう。一見なんの関係もないようなことでも、自分の感情が、夢の根っこへと自然に連れて行ってくれることがあります。

夢を味わうとは、夢の印象を心の中で反芻し、その夢が私に伝えようとしていることは何か、じっくりと向き合うことです。時には、その夢を絵や詩にしてみたり、物語を作ってみたり演じてみるのも良いかもしれません。そのようにして夢の周りで、思いを巡らせてみたり、なんやかんやしてみたりする内に、ハッとする瞬間があるかもしれません。私自身の経験ですが、一つ例を出してみます。

以前、こんな夢を見たことがありました。公衆トイレにいます。個室に入ろうとすると、大学生くらいの知らない男の子が、これ流しといて〜と言って、便器に山盛りの玄米を入れてどこかへ行ってしまいます。私はレバーを引いて流そうとするけど、全然流れず、どうしよう…と途方に暮れているというもの。

見た時は、なんてへんてこりんな夢なんだと首を傾げるしかありませんでしたが、じっくり夢と向き合っていく内に、ハッとしました。

その夢を見る前日は、体調が悪く寝込んでいました。布団の中でふと、少し前にあった傷ついた体験を思い出し、もう過去のことだから手放さなきゃと、気持ちの上で、流そう、流そうとしていた自分を思い出しました。その次の日にこの夢を見たのですが、玄米を流そう、流そう、としている自分が、その自分と重なって見えました。

玄米は、本来、植えれば芽が出るもの。トイレに流すものではありません。私は、自分の経験を流そうとしていたけれど、手放すより、種、糧、栄養として、植えること。つまり、あらためて自分のものとして、そこから成長することを目指すべきなのではないか、と感じたのです。また、大学生は勉強や研究に集中する身。知識はあってもまだ経験は足りません。自分の中の大学生のような部分(知識はあっても経験不足な側面)に指図されて、過去のことを流さなきゃと思ってたようだけど、違うんだ、植えるんだ!そしたら新たな芽が出てくるんだ!と、目の前がパァッと明るくなったように感じました。

このように、夢を現実の世界と照らし合わせてみる時は、特にその動詞の部分に注目すると見えてくることがあります。この夢では『流す』という動詞で、自分が何を流そうとしているのかに気づくことがキーポイントでした。

また、夢に出てくる登場人物は、上記で説明したように、まずは『自分自身のある側面の象徴』として見てみると、新たな見方ができることがあります。

また、夢に出てくる名詞は、その名詞が象徴する何かとして受け取ります。この夢で言うと、玄米は『植えたら芽(可能性)が出てくる種のような何か』。

このように、はじめは支離滅裂で、理解不能に見えた夢も、ゆっくりじっくり向き合っていく内に、ハッと気づくことがあったり、もしかしてと思い当たることが出てきたり、色々な可能性が見えてきます。

もちろん、夢の解釈は一つではなく、他にも色々な意味が汲み取れるかもしれません。けれども、気持ちの深いところが動いた時は、まずはその感覚を信じて、そこからまた連想を広げてみたら良いと思います。自分にとって最も役に立つ意味を見つけ出せるまで、その作業を繰り返します。

そして、夢を分析する目的、最も大切なことは、夢を日常生活の中に生かすということです。自分が気づけなかったことを、夢を通して気づけた時、自然と感情が動きます。特に新しい可能性を感じられた時など、夢を見ること自体が癒しなのかもしれない…と思うのです。

潜在意識は、夢という色やイメージ、物語や印象、メロディや感情を、自分宛のメッセージとして毎夜プレゼントしてくれている、そんな風に考えてみると、夢をもっと身近に感じられるかもしれません。自分のためだけの言語や象徴、物語を使って、私たちに語りかけている潜在意識。その言葉に耳を傾けてみることは、深い意味と価値のあることではないかと感じます。

セラピールーム アウロラ