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77歳の父が焙煎始める

幸い父はもともと電気技師の免許もあるし、コーヒーも機械も好きなので焙煎に興味は持ってくれました。
一般の方のイメージの中には、焙煎ってじっくり時間をかけてやるもので、燻製のような想像をされているかもしれません。でも、一回の焙煎はたった10分から15分程度なんです。
こだわると沼なんですが、焙煎自体はシンプルな作業です。ただ、その間に毎分温度を取り、火加減や送風量を調整して焙煎度合いを確認しつつ、次の焙煎準備を進める感じになるので、実は結構忙しいんですよね。

しかも、焙煎は本当に正解が無く、同じ豆でもロースターによって焙煎方法が全然違います。例えば、ローストマスターズチャンピオンシップという焙煎士の日本一を決める大会があるのですが、その大会の焙煎プロファイル(どう焙煎したか温度変化を表示したもの)を参考にしてもらうとよく分かり。
同じ豆でプロのロースターが焙煎しても、つかう焙煎機や焙煎の考え方によってこんなに差があるんです。

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参照:SCAJ ローストマスターズチャンピオンシップ

参照:ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ

ちなみに僕は焙煎の基礎を富士珈機の焙煎セミナーで覚えました。フジローヤルの中型、小型の焙煎機を使って、焙煎のイロハを一から教えてくれます。参加者もこれから珈琲屋さんをオープンしたいと考えている方から、コーヒー好きの素人さんまで多彩なので参加しやすい雰囲気ですし、セミナーを受けると焙煎機を時間単位で費用を払うと好きに使えるようになります。一時期は毎週末通っていました。焙煎しすぎて飲めなくて人に配っていた記憶がありますが。Chie Coffeeさんが焙煎セミナーのことを書かれているので参考まで。上福岡のコーヒー屋さん ChieCoffeeのブログ

僕はそこから、サードウェーブ系のロースターに焙煎のノウハウを教えてもらい、自分で焙煎を重ねて自分なりの焙煎方法を固めていきました。
ただ、僕の場合はバリスタを仕事としていたのでコーヒーの味の見方はわかっていたので、その好きなコーヒーのイメージに合わせる感じで試行錯誤するという感じでした。ただ、父親は大の深煎り好きのため、浅煎りコーヒーに対して味の良し悪しがわからない状況です。近所の人に飲んでもらうことを考えて、深煎りメインにするか・・なども頭をよぎったのですが、やはり良いコーヒーを美味しく飲むというのを知ってもらうことが大事だと思ったので、父親には味よりもまずは焙煎技術を中心に教えていきました。

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その時に使ったのがこの焙煎プロファイルシートです。これは基本的な焙煎プロファイルに僕がかなり細かく項目を足したものです。父にはこれを埋めていくことで、まずは焙煎方法の基礎を学んでもらいました。
と言っても、実は僕が実際に教えたのは2日だけです。ただ、基本を知っておいてもらうと味を見ながら時間や温度を遠隔でも指示することが出来るようになります。

父はマメな性格ですし、自分の会社も経営していたので数字は得意なようで、プロファイルシートの使い方はあっという間に覚えてくれました。
温度調整をしながら焼き色を見たり、ダンパーという弁を開け締めして風量調整したりなどは同時にするのが難しく、都度都度これなんだった?と聞いていましたし、いかんせん火を使うので母はかなり心配な様子でした。
そこで姉の登場となったわけです。​

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