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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

20.策略

こうして各チームはそれぞれの時間を過ごし、やがて定刻を迎えた。早めに会場入りしていた責任者が満を持して再び登壇し口を開く。

 それでは1つ目の競技を始めさせていただきます。最初にお伝えしますが、Cチームの皆さんから体調が優れないため棄権されたいとの申し出がありました。原則棄権は認められないのですが、最初の競技は特に体力を使いますし、他の受講者の皆さんへの感染防止を優先するということで許可しました。お三方には部屋でお休みいただいています。しかしながら、体調不良が理由とはいえ不参加に対するペナルティがないのは不公平ですので、Cチームのみなさん1人1人にマイナス10ポイントずつを与えることにします。ここまでで皆さんから何かありますか?

これはどの程度のペナルティなのか、そもそも競技に勝利するのが本当の意味での勝利なのか、他にもこのような"原則"があるのか、Cチーム全員が体調不良なのか…疑問は絶えないだろうが、一つ一つを確認する時間はないと判断したのか、誰一人として質問するものはいなかった。

 ないようですので進めさせていただきます。これから行っていただく"押し合い"のルールは単純明快です。皆さんにはこれから隣の会場へ移動していただきます。そこには赤いテープで囲まれたエリアがあり、最後までそのエリア内にいた方が所属するチームに60ポイントを与えます。与えられたポイントはチームのメンバーへ平等に割り振られます。つまり、Aチームが勝てばお一人にそのまま60ポイントが、Dチームの場合はお一人15ポイントずつが加算されるということです。次に、時間制限についてです。結論から言うと時間制限はありません。お手洗いや食事もできませんのでご留意ください。最後に、ペナルティですが道具を使うことと、暴力は禁止事項です。押したり抱き抱えたりしてエリアの外へ相手を出すことは良いですが、殴る蹴るなどの行為はやめましょう。これを逸脱した方にはその度合いによってペナルティが与えらますのでお気をつけください。また、棄権や自身の意思でエリア外に出る行為にもペナルティが課せられます。説明は以上です。質問がなければ早速移動して競技を始めさせていただきます。

先ほど同様受講者からの質問はなかったため彼らは係員の誘導に従い移動した。手洗いや食事の制限、さらには棄権も禁止されているというルールには違和感や恐怖感を抱く者も多かったようだが"上"のことを知る受講者たちはそれを受け入れるしかなかったようだ。最初の説明のとおり5m四方の囲いが用意されていて、エリア内に入るよう促される。全体はいままでいた会場と同じような広さで、変わらず大勢の係員が壁を背に"休め"の姿勢で待機しており、非常に不気味である。

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