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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

39. 登攀

ソナタは旧友から託されたタブレットのアプリに表示される"星3つ"の事件を捜査すべくマスカットにいた。旧友が現金や偽パスポートを地下トンネルに用意してくれていたため、国際指名手配犯の身でも何とか世界を渡り歩くことができたのだ。旧友が言ったとおりアプリの情報は確かで、ここマスカットで"著名人殺し"が発生し、ソナタは解決寸前のところまで辿り着いた。だが、クライアント(真犯人)は相当な手練であり、あと一歩のところでを取り逃してしまった。著名人殺しの登場人物は以下の4階層で成り立っていて、頂点にいるプランナーを突き止めその活動をやめさせない限りこの連続殺人事件を止めることはできない。

 第1階層:ターゲット
 クライアントが殺害したい人物。
 事件の被害者。

  第2階層:マリオネット
 自身の意思でターゲットを殺害した(する)
  と思い込んでいるが、実際はプランナーの
 策略により殺人を実行するよう仕向けられ
 ている人物。事件の実行犯。
 ※ルンビニの事件の実行犯は妻ではなく夫

 第3階層:クライアント
 プランナーへ殺人計画を依頼する人物。
 事件の真犯人。

 第4階層:プランナー
 クライアントへ殺人計画を授ける人物又は
 組織。一連の"著名人殺し"の黒幕。

なぜいつも同じ構造で事件が構成されているのか?これは著名人殺しの大きな謎の一つである。プランナーはなぜ毎回クライアント、マリオネットという二重構造に拘るのか?シンプルに犯人と被害者という構図では何か不都合があるのか?この謎が解ければプランナーに近づくヒントを得られるかも知れない。

アントワープに続いてまたもプランナーにしてやられた形となったソナタは、珍しく打ち拉がれていた。ソナタの今までの人生において、"勝てない"と思った人間はほぼいない。この"勝てない"という表現は独特であるが、言葉で説明することは不要である。分かる者には感覚的に分かるし、分からない者には一生分からないだろう。なにしろソナタは数少ない人生の壁にぶち当たっていたのだ。側には家族も友人もいない。国際指名手配犯の身のため自由に外を歩き回ることもできない。敵の正体が一切分からないうえに、唯一の手掛かりであったクライアント(真犯人)も取り逃してしまった。

だが、なぜソナタがこのような状況に陥っているのかといえば、それは彼女に落ち度があるわけでも、何か致命的な欠陥があるわけでもない。むしろ真逆であり、常に上へ上へ…自分の限界を超えるチャレンジをし続けている結果なのだ。これについても、分かる者には感覚的に分かるし、分からない者には一生分からないだろう。

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