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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

33.口裏

 ん〜残念ながら俺は君には投票できないねぇ。どちらにせよ、今日Sは王子であることが確定している君をデリートするよねぇ。つまり君を国王にするってことはSに100ポイントを差し出すのと同義なんだよぉ。

 ははは!そりゃそうだ。よく言った!おい、そこのデカいの!お前が王になることはあり得ないぞ。

 う…たしかに…。

 ってことは、FOXを王様に選ぶのがいいですよね?

久しぶりに高身長の黒髪ロングヘアの女性が口を開いた。彼女はたまにしか発言しないが、的を射た言葉で議論を活性化させる。

 ほう、確かにな。だがどうやってFOXを炙り出す?今のところ自己申告もしてないし、誰がFOXであるか見当がついていない。

 これはあくまでもチーム戦。FOXを王様に選ぶのは私たちにとっても有益だけど、確実な情報がない限り、私たちはチームの誰かを王様に選ぶわ。

 3日目の議論を終了します。投票に移りますので速やかに対応ください。

この日の投票の結果、Aチームの巨漢が追放された。ロンドは途中で議論に入るのをやめ、このあとの動きについて考えていたようだ。勝利のため?最も有益な結果を残すため?残り2日間どのうような立ち回りをすべきなのだろうか…。そして、これまで同様、4日目がいま始まろうとしていた。

 それではスタート!

 しかし、これは本当に簡単な競技だったね。

ロンドは左手の甲を自分に、人差し指を天井へ向けて満面の笑みで今日の第一声を発した。

 な、なんだと?!どういうことだ?

 何って?そのままの意味さ。簡単すぎて退屈な競技だったってことだよ。

 まだ競技は終わってないし、そのすべてが分かったような言い方はなんだ?撹乱作戦か?

 うーん…じゃあ君は僕らのチームがこの競技でいま何ポイント獲得したか知っている?

 そんなの分かるわけないだろう!

 私は分かるわ。300ポイント、ね。

 は?なんで?…ま、まさかお前たち!

 おぉ。やっと気付いたねぇ。

 そう。僕たちBチームとDチームは最初から組んでいたんだよ。

金髪男にとっては寝耳に水かも知れないが、彼が所属するCチームとすでに追放されたAチームを除くプレイヤーで徒党を組んでいたのだから、もはや驚く者も多くはない。

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