新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅 Part2ソナタの旅 Chap4アンカッシュの事件
9.危難
こんにちは。本日は急遽お時間をいただきありがとうございます。
いえ。彼女は現役時代素晴らしい選手でした。ぜひとも無事に見つかってほしいです。
はい。私もそう願っています。…それでは早速ですが彼女がプロサッカー選手になった際のセレクションの記録等を見せていただけますでしょうか。
分かりました。本来警察の方以外に見せることはできないのですが捜査が難航していると聞いていますので、特別に上司の許可を得て今回に限り開示させていただきます。ただし、念のためあなたのIDを控えさせてください。身元が分からない方に個人情報を差し出したとなれば大きな問題となりますので。
…承知しました。いまパスポートを出しますので少々お待ちください。
ソナタはオマーンのサッカー協会担当者と面談していた。彼は黒髪の短髪で銀縁メガネに白いポロシャツを着用し、ゆっくりとただ澱みなく話す。IDの提示を求められることは想定していたが、これがリスクであることは間違いない。きちんと調べればこの世に存在しない人間であることが分かり、それが公になればこれからの旅に大きな支障を来たすことは確実である。だがここで彼の申し出を断れば事実上の捜査中断となり、打つ手がなくなることもまた事実である。ソナタは総合的に判断してリスクを承知でIDの提示を了承した。
私のIDはこちらです。
ありがとうございます。記録のため写真を撮らせていただいても?
もちろん構いません。
担当者は撮影を終えるとパスポートをソナタへ手渡した。ソナタは彼と対面してから尋常ではない"オーラ"を感じていて、とてもたたの協会職員とは思えない。だがこれには何の根拠もなく、いま何かできることもないため、当初の目的を達成することだけに集中する。
それでは資料をお持ちしますので少々こちらでお待ちください。
分かりました。
そちらどうぞ召し上がってくださいね。どのお客様にも好評のコーヒーなんです。変なものは入ってないので安心してください。…ははは。それでは。
ソナタはこの爽やかな笑顔の裏にただならぬ闇を感じていた。顔に出さないように努めていたがもしかしたら勘付かれたかも知れない。彼はスマホを持って席を立ち応接室を退出した。
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