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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅 Part2ソナタの旅 Chap4アンカッシュの事件

5.嬉嬉

ソナタは姉が現役時代を共にし特に仲の良かった元サッカー代表選手の元へ向かっていた。恐らくすでに警察が接触して一通りの話を聞いているのだろうが、ソナタは今回気付いたことを基に聞き込みをする想定だ。現在はレストランを経営しているとのことで、店に電話をしてあれこれと理由を付けて何とか彼女まで辿り着いた。この話術においてはロンドすらも凌駕しているかも知れない。ここでは、旧友が偽造した国際免許を利用しレンタカーで移動している。当然許されることではないが国際指名手配の身ではどうすることもできず、止むに止まれずこの決断に至ったが、ソナタにとって法を犯すことはどんな状況においても避けたいことであった。話術で罪のない人間を丸め込み、偽の身分証を使い飛行機や車で移動し、自身の危険を顧みない旧友から多くのサポートを受けて…ソナタのプライドはすでにズタズタで原型もないが家族のために捨て身で旅を続けていたのだ。

 おはようございます。お電話でお話しさせていただいた鍛鋸(かのこ)ソナタです。

 おはようございます。あの子の事件を調べてくれているようですね。

レストランで落ち合うこととなっていたソナタは先に着いて客席で待っていると、行方不明となっている姉の元チームメイトがやってきた。ミスコンに選出された経験をもち、その経歴に恥じぬモデルのような顔立ちとスタイルである。体にピッタリ密着する真っ赤なドレスは普通の人にはとても着こなせない。彼女は向かい側に座り、空腹かどうかを確認しソナタが頷くと、ウェイターにフルコースを頼んだ。ワインも勧められたが運転があると言って断ると、ウェイターにグラス1つと赤ワインのボトルを適当に、そして水2つを追加で注文した。

 すみません。食事まで…。

 割り勘よ。

 そ、そうですよね。厚かましくてすみません!

 ふふ…ウソに決まってるでしょ。私はここのオーナーよ。

 あ、ど、どうも、ありがとうございます!

 あなたそんなんで探偵が務まるのかしら?

 いや、私は探偵ではなくて…

 まあ何でもいいわ、あの子を助けてくれるなら。

 そうですね…では早速話を始めますね。

 少し落ち着いたらどう?あなたとても疲れた顔してるわよ?お化粧ももう少しちゃんとしないと。

ソナタは元チームメイトと会話が事件解決の糸口になることを期待して、そして、極めて久しぶりの豪華な食事にありつけることもあって上機嫌であった。

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