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観劇感想/宝塚宙組DC『大逆転裁判』

私と逆裁の馴れ初め。

・宝塚の初演が決まったときに、初めてゲームにもはまる。
・宝塚での上演作は全て観ている(はず)。
・『大逆転裁判』は宝塚の上演発表前にプレイ「こっちこそ宝塚ですればいいのに!」と思ってたら、公演が発表された。
・先日観に行った!

という感じです。


感想。

再現率は非常に高い!

ストーリーは、本家の登場人物たちをちゃんと描きつつ、約2時間(休憩フィナーレ除く)に、すごいよくまとめたなあと感心しつつも、

とはいえ、ゲーム未プレイだとさすがに分かりにくいかもな箇所もあり。
でもそれは勢いでごまかせてたからいいのかな!

「ゲームもやってみたい!」と思わせるのが主目的ならそれは100%達成できている。

でもこれから観に行く予定でゲーム版全く知らない方は、さらっとでいいのでゲームにも触れておくと大分印象変わる気がします。(YouTubeで実況とかしてる人いるのかな。ゲームまるまるプレイしてほしいけれどやはり時間はかかるので…)

それから「蘇る真実」の主題歌はやっぱり好き。すごく好きです。
逆裁のゲームBGMも最高に良いのに、それに負けない脳内にしっかり残るメロディーがいいです。


でもね、でもね、あまり言いたくないんですが、言わせてください・・・

以下ネタバレ&ゲーム版も好きだからこその辛口感想含みますすみません。





一、

タップダンスないのーーーーーー!!!

という残念感が残ってしまった!私だけなのかなあ?

2.5次元ミュージカルとかでもなく、「宝塚」でこの『大逆転裁判』をやる意義って、結構「タップ」に集約してると思ってたのですが、私だけなのかなあーー。タップないなら宝塚でやる意味ないやんとすら思ってしまった。

あの逆裁の独特の空気感のなかでサラッとタップを踏んじゃう再現ができるのは、宝塚だけだと思ってたのですが。くうう。

もちろんタップするってなったら、諸々大変なのは分かります。分かりますけどもっ。

これ関係あるのか分からないんですが、ゲームの方のタップダンスのモーションキャプチャーがOSKさんなんですよね。プレイし終えてクレジット眺めながら「へぇ」ってなった記憶がありまして。

二、

成歩堂&ホームズの「論理と推理の実験劇場」は、
スポットとかムービングライトとか使ってもうちょいリアル再現してほしかったな〜。

せっかく舞台映えするというか、もはや「劇場」って元から名前に付いてるのにっ。
あそこの台詞のやりとりが不自然に浮いてるだけで、ゲーム再現してる感が薄かったんですよね…。

三、

SEとBGMがもうちょいボリュームほしかったです。これは本当に個人的な一意見です。

元々ゲームだしゲームっぽさを出すためにも、あとゲームBGMが良い曲ばかりなので単純にもっとちゃんと聴きたかったのです。
なので音量はちょい大袈裟くらいでも良いのにと感じました。

四、

これは観ながら本当に塩梅が難しいよなぁと思ってたんですが、

ゲームにあるキャラクター達を演じてる人たちが、原作を意識しすぎてそれに寄せすぎて(それで実際に寄せられていることは本当に素晴らしいのだけれども)、
芝居としては違和感が残ってるかなぁ・・・ということ。

もうちょいキャラじゃなく自分に寄せてやっちゃっても、キャラ崩壊にはならない気がしたのです。

ビジュアルやポーズひとつずつとっても、すごい忠実に再現してるんだけど、その「キャラに忠実に」が強すぎて、逆にすっと入ってこないというか…。

見た目も敢えてもう少し宝塚寄りにしてもいいのになーと思う部分があったり、本来笑えるような場面でも今ひとつ笑いきれないところがあったり。

なので、今回の作品にしか出てこないオリジナルキャラを演じていた人たちがちょうど、
「逆裁の世界観にしっかりと馴染みながら」とはいえ「芝居として違和感なくご自身のやり方で演じる」のバランスが取れているように感じました。

以前までの宝塚の『逆転裁判』シリーズだと、なるほどくんがマイルズ・エッジワースだったりして、そもそも基礎的な世界観が日本版のゲームから少し離れて宝塚寄りに作られていたから、そこらへんの違和感が少なかったのかもしれません。

7/27追記。読み返してて気がついた。なるほどくんはフェニックス・ライトですね。マイルズ・エッジワースは御剣だ。失礼しました。

(とは言え観てたのら学生時代で思い出補正は確実にかかっているし、今は見る目も肥えてしまっている自覚があるので、改めて映像で見返そうと思っています)

しかし今回はあまりにもゲームのままでも宝塚で上演できてしまえる世界観故こんな風に感じてしまったのかなー。難しいなあ。

五、

で。
あとこれはもうどうしようもないんですが、亜双義のポジションはむずかしいですよね!!!

これを2時間の上演時間でどうこうしようというのが、そもそも無理なんですよね。でも!もしかしたらもう少しどうにかなったのでは!!と思いたくなる。

いっそのこと、二番手をホームズじゃなく亜双義にしてしまうのもありか?と思ったけど、そうなると『大逆転裁判1&2』を全部やりきらないといけないから、もう絶対2時間の範囲は越えちゃいますもんねぇ。
ゲームしてない人へのネタバレも回避しておかないといけないですし。

けれどもさすがに、成歩堂くんと亜双義の馴れ初め部分は弱く感じてしまった。これはゲーム知らない人は感情が着いていけないよなあと。
でもそれをどうやって解決できるんだろうか・・・と無駄に考えを巡らせながらの観劇となりました。


原作がある作品で「宝塚にぴったりじゃん!!」と思っても、すっとはまるのってなかなかやっぱり難しいんだなぁと思わさせられた公演でした。

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