見出し画像

幾度目かの藤子・F・不二雄ミュージアムで大号泣。

藤子・F・不二雄は言わずもがな『ドラえもん』の作者。『ドラえもん』以外にも『パーマン』『キテレツ大百科』など有名作品は多数。

そんな藤子・F・不二雄を記念したミュージアムが川崎市にあります。「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」。

私は『ドラえもん』が大大大大好きなので、開館当時から関東に行く機会にはタイミングを見つけて度々訪れています。数えてないけど5回は絶対行ってる。10回はさすがに行けてないかなー。でもそれに近いかもしれない。

そして先日、結構久しぶりに訪れました。

特別展(常設展)と企画展のふたつがあるのですが、

常設の方がリニューアルしていまして、それに訪れたのが今回初めてでした。

特別展示「藤子・F・不二雄とドラえもん」

私がこれまで訪れた常設展は、『ドラえもん』だけにフューチャーせず、藤子・F・不二雄先生(以下F先生)の様々な作品に触れながら、その漫画家人生を紹介する形だったと記憶しています。

それが今は特別展示として、『ドラえもん』に特化した展示内容に。
漫画連載開始からアニメ化、映画化、そして現在へ、『ドラえもん』の50年の歩みが紹介されています。

で、この特別展が、私をめちゃくちゃ泣かせに来たんです・・・。

ちなみに以前までの常設展も泣きどころはあって、訪れる度に目をうるませてたんですが、
今回は桁違いで、涙がぼろぼろ止まらなくなりまして。

一人で行ってたので不審者に見られないか心配でたまらなかった(笑)


何故そんなに泣けたのか。

そもそも、私はF先生の漫画への熱い思いや、子供たちに対する思いやりがとても大好きでして。

具体的に有名なエピソードを挙げますと・・・。

亡くなられる直前まで『ドラえもん』の原稿を描いていて、まさに仕事机の上で絶筆されたということ。

ドラえもんの身長は129.3cmなのですが、これは連載当時の小学四年生の平均身長。
子供達が同じ目線の高さで語り合うことができる「友達」としてドラえもんを描きたかったから、という理由だったり。

もうこれらのエピソードだけで、私はすでに目がうるうるするのです。

以前までの常設展も、F先生の様々な作品の紹介と合わせて、このようなF先生の温かさを感じられる展示内容で、素敵な展示でした。


ですが現在の常設展は、代表作である『ドラえもん』に焦点を当てた特別展示になっています。

漫画掲載が始まった頃についての展示内容は、
学年誌に掲載されていた『ドラえもん』が、例えば『小学一年生』と『小学五年生』の掲載だと、その対象年齢によって内容に違いがあったこと、
のび太はF先生の子供時代そのものだというエピソード、
ドラえもんが青くなった理由などなど。
これらは私自身知っていたことでしたが、実際の掲載誌などを見ながら純粋に楽しく観覧していました。


そして泣かせてきたのは、特に後半。アニメ化あたりから。

まずアニメ化にあたり、
ジブリの監督としても有名な高畑勲さんから藤子プロへ宛てて書かれた、
『ドラえもん』はアニメ化すべきという熱い思いが書かれた手紙(アニメ化企画の草案)が展示されていました。

ぜひ内容は展示に訪れて読んでみてください。
『ドラえもん』って、大人をここまで熱くさせる力をもった作品なんだ、と感じました。

F先生の絶筆作品となった、映画(大長編)『のび太のねじ巻き都市冒険記』の構想メモとして、
「このあたりで、のび太としずかちゃんの部屋を具体化しておきましょう」というメモと共に、
「のび太ならきっとこういう風にこんな物を置いている」「しずかちゃんのぬいぐるみはこんなもの」というような細かい指定の入ったイラスト付きのメモ書きが展示されていました。

また藤子プロに宛てた、指示書のメモ書きの一文に「藤子プロ作品は藤子本人が描かなくなってからぐっと質が上がったと言われたら嬉しいものです」というような言葉が書き残されています。

F先生は自分の生い先が長くないことを悟った上で、このような指示や言葉を残していたのかもしれません。
それでもその端々からF先生の人柄を感じとることができて、もう私はここでぼろぼろ涙が止まりませんでした。


そして展示内容は、「現在」のドラえもんに移ります。

ここで少し話題を変えますが、藤子・F・不二雄ミュージアムは、「音声ガイド」が特徴のひとつでもあります。

開館当初は「おはなしデンワ」という、ドラえもんのひみつ道具のようなフォルムの音声ガイド機械を入り口で借りて、そのガイドを聞きながら展示を観覧するような形になっていました。今はコロナの影響もあってか、個々人のスマホで、そのガイドが聞けるように仕様変更をしています。

そしてこの音声ガイド、時期に合わせて少しずつ流れる音声の内容が変わっているのです。
私が訪れたのは6月だったので、梅雨の季節の挨拶がはじめにありました。こういう細かいポイントも何度訪れても楽しいポイントです。

そして今回の特別展示「藤子・F・不二雄とドラえもん」はもちろん、その内容に合わせた音声ガイドになっていたのですが・・・

「現在」の展示エリアに入り、音声ガイドから流れてくるのが、星野源さんの『ドラえもん』。

『ドラえもん』が時代を超えて愛されてきた感じが耳からぞわっと来て、すでにぼろぼろ泣いてる私は、更に号泣(笑)

そして最後の展示内容は、中国で発見された新しい恐竜の名前に「のび太」の名前が入ったという内容の展示。

私ドラえもんファンと言いつつ恥ずかしながらこのニュース知らなくて、国も時代も超えて愛されている『ドラえもん』ってなんて素晴らしいんだ!!!と大号泣にて展示の観覧を終えました。

そのあとのベンチスペースで少し心を落ち着かせてから、企画展示へと向かいました。


ちなみに企画展示は、10月まではSF短編の原画展が続くようです。

SF短編は大人向けで結構マニアックな世界ですが、なかなか深い世界ですのでこちらもおすすめ…!
音声ガイドは、のび太のママ役もやってらっしゃる三石琴乃さんでした。


ちなみに、開館当初から変わっていない展示内容で二つ、私が大好きなものがあるので、ここで紹介しておきます。

ひとつは、手塚治虫先生からF先生へ書かれたハガキ。まだ漫画家として駆け出しだったF先生が憧れの手塚治虫先生に自分が描いたまんがを送り、その返信として届いたハガキです。小さなハガキの紙面に、おもしろおかしくうずまき状にぐるぐると感想の文字が書かれていて、ところどころに手塚先生のイラストもあり、まだ一人のまんが少年だったF先生に対して、こんなに手間暇のかかる返事を書かれている手塚先生というのに、心打たれるものがあります。これは一生の宝物だろうなとF先生に思いを馳せる。

もうひとつは、F先生がご自身の娘さんたちと遊んであげていた手作りの思い出の品々。クリスマスの時期に登場する「サンタポスト」や手作りの棒人形だったり。これらを見ていると、F先生は本当にいつまでも子どもの心を持ち続けてまんがを描いていたのだなということが伝わってきて、毎回うるうるしてしまうのです。

とにかく、本当に素敵なミュージアムなのでぜひ訪れてみてください。
細かいポイントポイントを、F先生の精神で楽しませてくれます!

この日は雨が降っていたので、アメちゃんをもらいました

レストランの食事も時期によって変わりとても凝っていて美味しいです。

コロ助なり

レストラン、土日はやはり混むようなので、早めに行って整理券を取るのもありかもしれません。(最近、平日だと行きたいときにふらっと行っても食べられるような印象)

また展示内容は撮影禁止なのですが、写真が撮れる「はらっぱ」という屋外エリアがありまして、こちらは開館後すぐに先に訪れるのをおすすめ!すると周りの人が少ない中でキャラクターたちと一緒に写真が撮れます。そのあとゆっくり展示内容を観覧するのがおすすめ。

この日は近所の保育園児の子達が遊びに来ていて、ここの土管で遊んでた。
その風景で早くも泣きそうになった涙もろすぎるわたし。

だれかと行くのもおすすめですが、一人でじっくりと鑑賞するのもとってもおすすめです。

私はじっくり観たいので、なんだかんだ誰かと一緒に行ったことがありません(笑)
そろそろ誰かと行く体験もしてみたいところなのですが、私のマニアックな鑑賞に付き合ってくれる友達がいるかしら・・・

この記事が参加している募集

#好きな漫画家

1,797件

#一度は行きたいあの場所

52,132件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?