極真空手とコーチング
大会当日。舞台となる静岡へ。
会場には老若男女たくさんの空手家たちの姿が。下は小学生くらいからけっこうな年配の方まで、白い道着の老若男女が集まると壮観な眺め。
開会式が始まり、試合が始まっていきます。
キレッキレの小学生の演技、他の大人の演技を見ながら徐々に高まっていく緊張感…。出番まで稽古を繰り返します。
そして、ついに自分の出番に。
4人の審判が見つめる中、二人一組で同じ型を披露し、赤白の旗の数で勝敗が決まる。試合時間はほんの1分。まさに前集中の1分でした。これまでの全てをここに発揮することができたと感じる満足の出来でした。
果たして、その結果は…
空手を始めたきっかけ
もともとパーソナルトレーニングを4年位続けていて、体を鍛えてはいました。『脳を鍛えるには運動しかない!』という本が出ているくらいで、仕事のパフォーマンスを上げるためにも運動は大切なのです。
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その上で、パーソナルトレーナーと相談してそろそろ体を鍛えることについて新たなゴールを設定してみようとなったのが空手を始めるきっかけとなりました。
格闘技を観るのは昔から好きだったんです。年末も格闘技の番組の方を観ていましたし。特にハイキックで1撃KO!がかっこよくて大好きです。
ただ、やるとなると自分とは無縁な競技だと思っていました。
自分は1対1の戦いに弱い
というセルフイメージがあったんですね。
だからこそ、新しく何か競技をやろうと決めた時には、
キックボクシングか空手かなとパッと浮かんできたんですね。
初めての稽古
ゴール設定して一度スイッチが入ると後は早いもので、
ネットで近所でなにか武道・格闘技を習える場所はないかと調べたらなんと
錦糸町の自宅の近所に空手道場があったので、体験してみることに。
行ってみると、フィットネスみたいなものを想定していたのですが、けっこう本格的。フルコンタクト空手でした。
極真なら聞いたことのある方もいるでしょうか。
わからない方のために少し補足すると、直接打撃を加えるのがフルコンタクト空手の特徴です。一応顔面を殴るのと金的は禁止。それでも大人に殴られるんだから恐ろしいですよね。
最初にやったのは突きや蹴りの稽古でした。師範のお手本を見ながら空手の動きの基本を覚えていくところです。
・正拳中段付き:みぞおちを拳で打つ
・中段回し蹴り:脇腹をスネで蹴る
など
それとは別に、印象深かったのがはじめてのミット打ちでした。格闘技でもやらなければ、人生で何かを本気で殴ったり蹴ったりってなかなかないことです。自分のフルパワーをぶつける瞬間瞬間がなんとも爽快でした。
ミットを打ったら今度は自分が受ける番。これがものすごい怖かった。
ミット越しとはいえ、誰かの全力のパワーを真正面から受け止めるんです。人生で、特に大人になって誰かに全力で殴られたことあります?幸い僕はそこまで人を怒らせたことはなかったのでこれが始めての受けでした。
ミット打ちで対人関係への恐れが減る
最初はビクビクしながら始まったミット打ち練習もすぐに慣れていきます。だんだんフルパワーをぶつけ、ぶつけられるのが当たり前になっていく。
恐れに慣れ、コンフォートゾーンが広がっていく感覚ですね。
この頃から仕事中の意識にも変化が現れます。心理的な面での踏み込みや受けが上手くなりました。コーチングの際、クライアントの方にグッと踏み込む時や、仕事で意見をぶつける議論をする時、それを受け止めたり受け流したりする感覚が洗練されていくようでした。
踏み込みの話でいうと、人と接する時って無意識に恐れがあったんだなと気づきました。もちろん、急に目の前の人が自分に殴りかかってきたりすることはありませんが、地雷を踏んでしまうんじゃないか、反対されたらどうしようと思って踏み込みが足りなかったんだなあと。
それが空手によって身体的に受け止められる自信が突いてくるともう少し踏み込んだり、踏ん張ったりができるようになってくるから不思議です。
大会優勝をゴールに掲げる
週1の空手の練習にも慣れてきた頃、新たなゴールを設定することに決めました。今やっていることがコンフォートゾーンの中になってきたときがゴールを更新するチャンス。
2020年はなにかしら空手の大会に出て優勝するぞとゴール設定しました。
そうなったら週1の練習じゃとても無理だという意識になり、週3回道場に通うようになります。
組手(フルコンタクトで闘う)の大会を想像していたので、実際に組手をやる練習も始まります。これがミット打ちとは比べ物にならない恐怖。大の大人と素手素足で殴り合うんですよ?
頭では前に向かっていかないととわかっているのに及び腰でジリジリ後ろに下がる自分に直面することになりました。打たれっ放しだし。
しかし、ミット受けと同じようにだんだん組手にも慣れていき、しっかり相手に向かって踏み出し突きや蹴りを出せるようになっていきます。組手が楽しいと思えるまでになっていました。
組手は密です
ところが、この辺りで世の中は隅々までコロナに変化を迫られてしまいます。空手の練習、特に組手やミット打ちは半年間全くできなくなってしまいました。大会も中止。
そうなるとゴールが実質なくなったようなものなので、急に熱が冷めます。練習も週に1回ペースに逆戻り。
そんな状態になってしばらくして、先生から型の大会が開催されるんだけど出ないかという打診が。「出ると決めたら練習がまた大変だぞぉ」と囁く自分を説き伏せるのが大変でした笑。
結局、空手の先輩に「一緒に出ませんか?」と誘われたのを利用して「出ます」と答えてしまうことで先延ばしせず出場への意思を固めることができました。もちろん優勝狙いです。
稽古の頻度は再び週3回になり、ひたすら型の練習をすることになりました。ちなみに僕が大会でやることになったのはこちらの型↓
家でもYouTubeで動画を見ながらイメージトレーニングをしたり、オンラインミーティングの合間に練習したりしていました。
静岡大会に出場、結果は…
そして大会当日。舞台となる静岡へ。
会場には練習時とは比較にならないたくさんの空手家たちの姿が。下は小学生くらいからけっこうな年配の方まで、白い道着の老若男女が集まると壮観です。
開会式が始まり、試合が始まっていきます。
キレッキレの小学生の演技、他の大人の演技を見場がら徐々に緊張感が高まっていく…。出番まで練習を繰り返します。
そして、ついに自分の番がやってきました。
4人の審判が見つめる中、二人一組で同じ型を披露し、赤白の旗の数で勝敗が決まります。試合時間はほんの1分。まさに全集中の1分でした。これまでの全てをここに発揮することができたと感じる満足の出来でした。
しかし、結果は惨敗。審判の誰一人として僕に旗をあげていませんでした。
その瞬間は悔しさもありましたが、課題もはっきり見つかり、清々しい気持ちで大会を終えることができました。
変化好きが型にはまってわかったこと
変化が大好きで、手順通りに正しく真似して何かをやるのがすごく苦手な僕は、コロナでも来ていなければ型の大会を選んで出場することはなかったと思います。
ダンスもやっていたので、ついついアレンジを加えたくなるんですよね。
でも、今回型の大会にチャレンジしてよかったなと感じることが2つあります。
一つは、同じことの繰り返しの中で磨き上げるポイントが細かく見えてくることに気づけたこと。
もう一つは、大会の1分のために何百時間も練習するわけで、その一回一回の中で全集中する力が付いたこと。
2つとも、コーチングをする中でも生かされるものになりました。
次回の大会こそ優勝してやります!
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