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初心者でもわかる株式投資術 第13回 相場の未来予想図

諸君、元気にしているか?最近さらに株が下がってきていて、これを書いているのは日曜日なんだが、金曜日の米国市場の落ち込みから、月曜の日本市場もさらに下がることが予想されている。諸君の中にはどうして良いかわからない向きも多いかもしれない。

話はそれるが、俺は株式投資だけでなく、モテる技術も紹介しているので、興味がある諸君はぜひ読んでみて欲しい(自己紹介も第2回にある)。

これまでの流れでは今回は個別株の話をする回なんだが、ちょっとやめて俺なりの今後の立ち振る舞いについてアドバイスしようと思う。何年後かに見直せば、このアドバイスが役に立ったか立たなかったかなど、良くも悪くもエンタメ性が高いコンテンツになるんじゃないかと思ってるんだがどうだろうか?1回では終わらないかもしれないが、個別株の話はその後でちゃんと進める予定だ。

しかし、株の下がり方が酷いな。安心してくれ、俺のポジションも十分に下げているぞ!しかし、株なんだから一直線に上がり続けるなんてことはない。下がったとは言え、まだ年初の株価までは下げていないわけだから、世の中の終わりというわけでもなさそうだ。

俺自身のポジションも下がりまくっているわけだが、それほど悲観していないのには訳がある。まずはその理由について話そう。ざっと言えば以下の3点だ。

・最近は特に米国の株式相場は上昇しすぎ
・不況の具体的なシグナルが弱すぎる
・もっとらしい株価上昇・下落理由はほぼ雰囲気でしかない

まず、米国の80%の企業の株価が含まれるというS&P500のチャートを見てもらおう。

特に注目なのは下のグラフ「RSI」だ。RSIというのは簡単に言うと株が買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを見る指標だ。30%以下になれば売られ過ぎ、70%以上になれば買われ過ぎゾーンということで、どこかで反対の動きが来るんじゃないかという予測を立てるチャートだ。値動きともある程度連動しているのがわかる。

S&P500の2年間チャート(Yahooファイナンス)

マル印のところがピークだ。最初のマル印が78%台、次のマル印が77%台と買われ過ぎゾーン70%を大きく超えている。しかもその2つの山の間の谷は55%台でそれほど深く沈んでいない(買い相場の熱狂は収まっていない)。もう少し細かく見ると、RSIが70%を超えたのは1月22日からなのだが、そこから最近まで約半年間買われまくっていたわけだ。これはハイテク株が多いナスダック総合もほぼ同じだ(ダウは対象銘柄数が少ないので少し違う)。

では、個別株はどうだろうか?話題を集めまくったAI株の筆頭NVIDIA(エヌビディア)を見てみよう。ちなみに、NVIDIAは株式を6月に10対1に分割しているから(株数を10等分し、株価を10分の1にする)、過去の報道の株価とは違うことには注意してくれ。

NVIDIAの2年間チャート(Yahooファイナンス)

NVIDIAもS&P500と同じ時期にRSIが買われ過ぎゾーンにいることが分かるだろう(しかし2年間で凄い株価上昇だ)。直近二つの山はそれぞれ91%と84%でS&P500よりも高い買われ過ぎゾーンにあったということだ。

参考までに、地味目の銘柄の値動きを見ておこう。普通はこんなもんだというのを理解してくれ。米国の家電量販店ベストバイだ。

BESTBUYの2年間チャート(Yahooファイナンス)

一目瞭然だろう。この会社は有名ではあるが近年はちょっと伸び悩んでいて株価はいわゆるレンジ相場になっている。注目のRSIだが2年間上下を繰り返しているのが分かる。RSIが高い位置でとどまり続けることがほとんどない。上は60%台、下は30%台とバイオリズムのように上下している。しかも、週単位でのチャート(週足)ではあるが、RSIが2年間で一度も70%を超えていないのだ。

これは驚くことではなく、会社単体で見ればこういう銘柄は世の中にはたくさんある。だから逆に、S&P500という多くの銘柄を含むインデックスが買われ過ぎゾーンに長くいるということは、どれだけ株が買われまくっていたかがわかるというものだ。

米国市場は言ってみれば買いたい人間はほとんど株を買ってしまったから、新しい買い手が見つからないという状態だったと言っても良いかもしれない。なので、しばらくは下がるのはやむなしということだ。

次に不況のシグナルが弱すぎる点について説明しよう。

今月前半から株価は不調ではあったが、特に先週1週間に大きく株価を下げた。理由はざっというと景気が悪くなるという予想からだ。ちなみに日本は米国のこの動きに加えて円高が輸出型企業の利益を圧迫するからと言うのもある。

米国では8月2日に雇用統計(7月分)が発表された。これが予想値よりも悪かったということで、景気後退と以前からくすぶり続けるリセッション危機が再燃し、株式市場からお金が逃げている状況だ。

しかし、考えてみて欲しい。あくまで予想値よりも下回っただけなのだ。実際に自分達の生活が何かが具体的に悪くなったわけではない。統計値の数%の差異について、わかったフリをしているに過ぎない。

リーマンショックでは名門リーマンブラザーズがなくなった。日本のバブル崩壊では山一證券がなくなった。ドットコムバブルではAOLなどネット会社が消えた。しかし、今はまだ統計数値が予想より悪かっただけなのだ。ちょうど米国では四半期の業績報告の時期だが、各企業の業績は悪くはない。もちろん、業績が悪くなってからでは遅いから逃げろということなのは分かる。が、投資歴の長い投資家から見れば、本当に統計の意味や経済の動向を理解して逃げているのか、みんなが逃げるから逃げているのかわからないというのが正直なところだ。

この辺りの雰囲気相場について、最後の「もっとらしい株価上昇・下落要因はほぼ雰囲気でしかない」という点と絡めてみよう。

以前から話をしているが、米国にリセッション危機と言うのがあった。コロナ禍で金利を下げていたが、インフレが発生しそれを食い止めるために利上げをし始めた時に、金利を上げたら米国の経済が破綻してしまう!と大騒ぎしたわけだ。株価は最大で25%程度下げている(前回記事を読んでくれ)。

実際2020年4月のコロナ禍経済の時に0.25%だった米国の金利は今は5.5%になった。5.5%になったのは昨年2023年の7月だから実に1年以上前になる。その間、株価はどうだっただろうか?そう、「上がりまくった」のだ。

米国金利はこの4年で0.25%から5.5%まで上昇したが(実に22倍だ)、株価は下がるどころか、S&P500もNASDAQ総合も実に2倍になっている。どこがリセッションなのか?

俺は知りたい。2022年辺りに金利が高すぎてリセッションが来るぞ!と言っていた連中は今でも株を買わずに洞窟の中でリセッションを待っているのだろうか?

要するにリセッションを警戒し始めた時期の金利よりもはるかに高い金利になっても米国経済は堅調であり企業業績も良かったわけだ。リセッションを警戒していた自称専門家は自分の意見を聞いてくれてさぞ気持ちよかったはずだか、実際に勝ったのはそういうノイズをシャットダウンし、地道に分割投資、毎月購入を続けた投資家なのだ。

自称専門家の話が空気みたいに軽いということを別の話で例えよう。

ここ1年半ぐらい株価は上がりまくったが、その理由の一つがインフレや景気が減速傾向でこのまま行けば、景気刺激策で米国の金利が下がるから、企業業績が良くなるんじゃないか?という憶測だ。例えば昨年末にFRBのパウエル議長が来年は3回ぐらい利下げがあるんじゃないかと言って株価が爆上がりした。つまり、インフレが鎮静化し景気がやや減速する(ソフトランディングなんて言ったりする)から利下げするので株価が上がるというストーリーだ。

しかし今年に入りインフレはなかなか収まらず、経済統計も良すぎるため金利を下げられない状況が続いた。利下げの見込みが薄れるたびに株価は下がった。が、今年からのAIブームに乗ってテック株が絶好調で、その流れもあって金利動向に関わらず、全体的なトレンドとして株価は上がり続けた。すると、3回あるはずの利下げが1回かもしれないと言う話になっても、市場はもはや反応しないぐらい株が買われ続けた。9月に利下げがあれば十分だろうと。

これはどういう風に考えたらよいだろうか?結局のところ、金利は経済や企業業績、株価に関係があるのかないのか?

そして今回の雇用統計だ。雇用が想定より生まれておらず、失業率も高まっている。リセッションが始まるんだから株を売ろう。諸君はそう思うだろうか?

いやいや、これは金利が下がるチャンスではないのか?少なくとも9月には利下げがあり、ほぼ確定したわけだし、なんならもう1回ぐらい利下げがあるんじゃないのか?という声は今は聞かれない。

今聞かれるのはむしろ「FRBは利下げのタイミングを間違えた。もっと早く利下げするべきだった」そんな声だ。経済統計1回の数字でそこまで言える自称専門家がどれぐらい偉い人達なのか俺にはわからないが、一つ言えるのは経済や景気、株価を語るニュースや専門家の話というのは、その時に思ったことをしゃべっているだけ、後から検証されないでたらめであるということだ。

ベテラン投資家はとっくに理解しているが、投資には常にこんな話ばかりなのだ。例えば良く聞く話で「XXの株価は割高だ」という話。

2018年、2019年ぐらいに多くのテック株の上昇がみられた。AIブームの前、GAFAなんて騒がれ始めた時期だろうか(ちょっとあいまいだが)。その時も金融機関や投資会社がメディアを使って「テック企業の株価は高すぎる」と騒ぎ立てたものだ。騒がれた時はそれなりに株価は下がった。で、そこからどうなったか、諸君は既に賢くなったからわかるだろう。そう、「上がりまくった」のだ。

2019年末の株価と現在の株価の対比で言えば、マイクロソフトが2.4倍増、グーグル(アルファベット)が2.3倍増、アップルは2.8倍増だ。一体、どこが割高なのだろうか?いや、実際には割高なのかもしれない。ただ、彼ら自称専門家の話を聞いて買い控えていた投資家が1年後の2021年に市場に参入していたら、リターンはもっと少ないはずだ。

要するに、株価が上がったり下がったり、売るべきかうべきというニュースレベルの話はほとんどがノイズなのだ。もちろん、誰か正しいことは言ってるかもしれない。が、それが資産を増やせる意味のある意見かどうかははなはだ怪しいものだ。

リセッションが来る?まぁ来るかもしれない。バブルが弾ける?まぁバブルならいつかは弾けるかもな。今はその過渡期なのかもしれない。がしかし、これまでにもそんな話はたくさんあったし、全ての下落相場は必ずさらなる上昇相場を生んできた。必要以上に悲観しても何も生まれない。大事なのは逃げることではなく、しっかりと市場を見て感じ取り、市場と共存することだ。

どうだろうか?俺なりの市場の見方(というか雑音への対処だが)を理解してもらえただろうか?

次回はこの荒れた相場でどのような売り買いをすべきかについて、俺なりの意見を述べたいと思う。

楽しみにしていてくれたら嬉しいぞ。

ではまた次回会おう!

注意:この記事および連載は諸君に具体的な投資銘柄を勧めるものでは
   ないし、将来的な投資パフォーマンスを約束するものでもない。
   投資はあくまでも自己責任で行ってくれ。

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   嬉しい


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